The BAR vol.9 『Healing and Loving』@ 山本現代


クリシュナプリヤ・ターマクリシュナ「Richness」2015年 参考画像 Courtesy of YAMAMOTO GENDAI

The BAR (The Backers Foundation and AIT Residence Programme) vol.9
『Healing and Loving』
2016年7月9日(土)-7月23日(土)
山本現代
http://www.yamamotogendai.org/
開廊時間:11:00-19:00
休廊日:日、月、祝
※オープニングレセプション:7月9日(土)18:00-20:00
(19:00より、チョウ イー・ティンによるパフォーマンス)

NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]
http://www.a-i-t.net/

NPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]は、バッカーズ・ファンデーションの共催のもと、ミャンマー出身ニューヨーク在住のチョウ イー・ティンと、スリランカ出身ジャフナ在住のクリシュナプリヤ・ターマクリシュナの二人展『Healing and Loving』を山本現代で開催する。

チョウ イー・ティンは1969年生まれ。幼い頃よりアーティストである父親のもとで美術教育を受ける。ヤンゴン郊外のダゴン大学で法学を専攻するも、卒業後は父親とともにギャラリーを設立し、企画展のみならず、子供を対象とした美術クラスを開講する。自身の置かれた政治的、社会的環境の矛盾や葛藤を描き出す作品は、絵画やパフォーマンスの形式で発表される。2001年には友人のアーティストとともに行商パフォーマンスを実施し、当時の政権下では流通していない旧貨幣を釣り銭として使用したことが政治活動とみなされ、警察に拘束された。2004年に第9回日本国際パフォーマンスアートフェスティバル(NIPAF)に参加。その後も国外を中心に継続的に発表を行なう。2009年、アメリカ合衆国に政治亡命者として受け入れられ、現在もニューヨークを拠点に活動している。本展では、日本で見つけた迷彩柄の布地や、見捨てられた木材に施されるペインティングを新たに発表する。

クリシュナプリヤ・ターマクリシュナは1987年生まれ。80年代はじめに勃発した内戦により、幼い頃から家族と離ればなれの環境で育つ。こうした個人的な経験から、ドローイングや絵画、コラージュ作品などの制作を通じて、喪失や忘却の彼方にある記憶や感覚の想起を試みている。ジャフナ大学でアート&デザインを学び、2012年に卒業。翌2013年には香港のアジア・アート・アーカイブと、スリランカで出版を手掛ける非営利団体レイキング・リーヴズが共同開催した展覧会『Artefacts from Jaffna』に参加。昨年はスリランカの現代美術の拠点「サスキア・フレナンディギャラリー」の企画展『Seven Conversation』にも参加している。本展では、紙に釘を押し当て、うっすらとした姿を浮かび上がらせる立体のドローイングを発表する。

AITとバッカーズ・ファンデーションによるアーティスト・イン・レジデンスは、これまでも世界各地で活動するアーティストに東京での滞在制作の機会を提供し、本プログラムを通じて、世界各地から16名のアーティストと7名のキュレーター、2名の編集者を招聘してきた。2012年には原美術館にて、同プログラム経験者10名による展覧会『ホームアゲイン—Japanを体験した10人のアーティスト』を開催。昨年も、山本現代にてカンボジア出身のラッタナ・ヴァンディーとカニータ・ティスの二人展を実現している。

なお、本展会期中の7月13日には、チョウ イー・ティンとクリシュナプリヤ・ターマクリシュナのふたりを代官山AITルームに迎え、AIT ARTIST TALK #68「争いの歴史から、和解と愛情へ」を開催する。

関連企画
AIT ARTIST TALK #68
「争いの歴史から、和解と愛情へ」
チョウ イー・ティン(ミャンマー/ビルマ)とクリシュナプリヤ・ターマクリシュナを迎えて
2016年7月13日(水)19:00-21:00
会場:代官山AITルーム
定員:20名(要予約)
参加費:一般1,000円、学生・ベースメンバー800円、ハウス/サポートメンバー無料
※1ドリンク付き、逐次通訳付き
※申込方法等、詳細は下記URLを参照
http://www.a-i-t.net/ja/future_archives/2016/06/ait-artist-talk-68.php


チョウ イー・ティン「Bodhi Budha」2015年 参考画像 Courtesy of YAMAMOTO GENDAI


チョウ イー・ティン「What a wonderful world #3」2012年 参考画像 Courtesy of YAMAMOTO GENDAI


クリシュナプリヤ・ターマクリシュナ「Artifacts from Jaffna」2013年 Courtesy of YAMAMOTO GENDAI

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