赤瀬川原平の芸術原論 1960年代から現在まで @ 千葉市美術館


赤瀬川原平「不在の部屋」1964/1994年 名古屋市美術館蔵

赤瀬川原平の芸術原論 1960年代から現在まで
2014年10月28日(火)-12月23日(火、祝)
千葉市美術館
http://www.ccma-net.jp/
開館時間:10:00-18:00(金曜、土曜は20:00まで)入館は閉館30分前まで
休館日:第1月曜(祝日の場合は翌火曜が休館)、12/29-1/3

千葉市美術館では、美術分野を中心に幅広い活動を展開した赤瀬川原平の50年以上にも及ぶ歩みを、500点を超える作品や資料を通じて振り返る企画展『赤瀬川原平の芸術原論 1960年代から現在まで』を開催する。

赤瀬川原平は1937年神奈川県生まれ。60年に篠原有司男、吉村益信、荒川修作らとともに「ネオ・ダダイズム・オルガナイザーズ」の結成に参加、63年に中西夏之、高松次郎と「ハイレッド・センター」の活動を開始するなど、「反芸術」を代表するアーティストとして知られていく。この頃制作した一連の「模型千円札」が通貨及証券模造取締法違反に問われることにより、65年から「千円札裁判」を争うことになる。同裁判の控訴審終了以降は、美術分野に留まらず、イラストレーター、漫画家としても活動。小説家として芥川賞を受賞。また、路上で偶然発見した「不動産に付着していて美しく保存されている無用の長物」トマソンといった路上観察の可能性を探求した「路上観察学会」、中古カメラ収集の趣味をきっかけに結成した「ライカ同盟」など、写真家、そして、趣味人としての活動も展開していった。


赤瀬川原平「復讐の形態学(殺す前に相手をよく見る)」1963年 名古屋市美術館蔵

本展では、ネオ・ダダ時代に読売アンデパンダンで発表した「ヴァギナのシーツ(二番目のプレゼント)」(1961/94)、「復讐の形態学(殺す前に相手をよく見る)」(1963)や、ハイレッド・センターでの「シェルター計画」(1964)や「首都圏清掃整理促進運動」(1964)といった活動の資料や当時の記録写真、千円札裁判に関する数々の「押収品」や判決文などの資料、記録写真を展示する。また、「櫻画報」や『月刊漫画ガロ』に掲載した「お座敷」などの原画類、「路上観察学会」、「トマソン観測センター」関連の写真プリントや関連物品、「ライカ同盟」の活動を通して『アサヒカメラ』誌上に掲載したカメラのイラストなど、美術分野を超えた赤瀬川の幅広い活動を展観するとともに、土方巽、唐十郎、足立正生、小野洋子、瀧口修造、林静一、つげ義春、永山則夫、中平卓馬、鈴木志郎康らとの交友を示す作品資料も展示することで、当時のより広い文化状況の一端も紹介する。

昨年の『ハイレッド・センター:「直接行動」の軌跡』(渋谷区立松濤美術館、名古屋市美術館)を挟んで、一昨年前にDIC川村記念美術館で開催された中西夏之の個展『韻 洗濯バサミは攪拌行動を主張する 擦れ違い/遠のく紫 近づく白斑』に続いて、赤瀬川原平の個展である本展、そして、今年の年末から来年にかけて東京国立近代美術館で開催される『高松次郎ミステリーズ』や来年4月に国立国際美術館で予定されている高松次郎の個展と、ハイレッド・センターの活動および個々の制作活動を振り返る美術館規模の展覧会が続く。


赤瀬川原平「ライカIIIg」2000年 作家蔵 協力:資生堂

関連イベント
トークショー
「路上観察学会VSライカ同盟」
藤森照信、秋山祐徳太子、松田哲夫
2014年11月1日(土)15:00-(開場:14:30)
会場:千葉市美術館11階講堂
定員:150名(無料)
※往復はがきによる事前申込制、応募締切:10月22日(水)必着

「原平さんは弟子の七光り」
南伸坊、久住昌之、松田哲夫
2014年11月15日(土)14:00-(開場:13:30)
会場:千葉市美術館11階講堂
定員:150名(無料)
※往復はがきによる事前申込制、応募締切:11月5日(水)必着

「ハイレッド・センター、内科画廊とその周辺」
田名網敬一、谷川晃一、山下裕二
2014年12月6日(土)14:00-(開場:13:30)
会場:千葉市美術館11階講堂
定員:150名(無料)
※往復はがきによる事前申込制、応募締切:11月26日(水)必着


赤瀬川原平「宇宙の缶詰」1964/1994年 作家蔵 協力:白石コンテンポラリーアート

ワークショップ
「多元宇宙の缶詰」(監修:奥村雄樹)
ゲスト:永井均(哲学者、日本大学教授)
2014年12月21日(日)13:00-(開場:12:30)
会場:千葉市美術館11階講堂
定員:20名(無料)
※往復はがきによる事前申込制、応募締切:12月10日(水)必着

市民美術講座
「赤瀬川原平—千円札裁判時代の制作活動」
講師:水沼啓和(千葉市美術館主任学芸員)
2014年11月29日(土)14:00-(開場:13:30)
会場:千葉市美術館11階講堂
定員:150名(無料)

「赤瀬川原平交友録—1960年代を中心に」
講師:水沼啓和(千葉市美術館主任学芸員)
2014年12月13日(土)14:00-(開場:13:30)
会場:千葉市美術館11階講堂
定員:150名(無料)

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