スティーヴ・マックイーン『Cold Breath』@ ラットホールギャラリー


Steve McQueen Cold Breath (1999) film still courtesy of the artist and Rat Hole Gallery

スティーヴ・マックイーン『Cold Breath』
2016年7月1日(金)-9月4日(日)
RAT HOLE GALLERY
http://www.ratholegallery.com/
開廊時間:12:00-20:00
休廊日:月

ラットホールギャラリーでは、ターナー賞受賞作家であると同時に、映画監督としてアカデミー賞作品賞の受賞経験を持つスティーヴ・マックイーンの個展『Cold Breath』を開催する。

スティーヴ・マックイーンは1969年ロンドン生まれ。大学在籍時より短編映像作品を中心に制作活動をはじめ、歴史的な事象や抽象的な概念から、個人的な関心事までさまざまな題材を扱い、観客の感情的な葛藤を喚起するような映像作品、彫刻インスタレーションを発表している。2002年、2007年のドクメンタや2009年の第53回ヴェネツィア・ビエンナーレをはじめ、世界各地の国際展や企画展に参加している。映画監督としても、IRA活動家のボビー・サンズのハンガー・ストライキを扱った『Hunger』(2008)、現代社会におけるセックス中毒の問題を取り上げ、人間の深淵に潜む真実を探求する愛を求める物語を描いた『SHAME』(2011)ソロモン・ノーサップの回想録を原作に、アメリカの奴隷制度を自由の喜びと鎖につながれる苦しみの両方を経験した男の視点から描いた『それでも夜は明ける』(2014)といった作品で国際的に高い評価を受けている。

本展では、マックイーンの「Cold Breath」(1999)を上映する。本作は2000年にロンドン、ニューヨーク、アヴィニョンの3カ所で発表されて以降、上映されることがなかった。ほかの初期映像作品と同じく、鑑賞者の身体や心理に踏み込むような直接性を特徴とした作品で、マックイーン自身の乳首が親指と人差し指でつねられ、つまびかれ、引っ張られる様子が10分間、音もなく映し出される。その映像はアンディ・ウォーホルやヌーヴェル・ヴァーグなどの映画の影響のもと、サイレントかつモノクロの映像が、壁面を床から天井の高さまで使って投影される。スクリーンや部屋のサイズ、鑑賞者とプロジェクションの関係といった視聴の条件もまた、空間の問題についてのアイデアを表明するという面において、そして鑑賞者自身の身体性をより強く意識させるという面において、彼の初期映像作品に欠かせない要素である。

なお、本展会期中の7月22日には、国立新美術館3F講堂を使用して、林道郎、近藤学の両氏を聞き手に、スティーヴ・マックイーンのアーティストトークが行なわれる。

関連企画
アーティストトーク:スティーヴ・マックイーン
聞き手:林道郎、近藤学
2016年7月22日(金)17:00-(開場:16:30)
会場:国立新美術館3F講堂
参加費:無料(要予約)
言語:英語(日本語同時通訳)
※予約は下記より
https://ssl.form-mailer.jp/fms/51ea6968443451


Steve McQueen Cold Breath (1999) film still courtesy of the artist and Rat Hole Gallery

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