Thomas Demand Temple 54 (2015) Pigment print 126.3 x 162.2 cm © Thomas Demand, VG Bild-Kunst, Bonn / JASPAR, Tokyo
北参道 新ギャラリースペース オープニング展
トーマス・デマンド『Model Studies (Kōtō-ku)』
2015年5月22日(金)-6月27日(土)
タカ・イシイギャラリー 東京(渋谷区千駄ヶ谷3-10-11 B1)
http://www.takaishiigallery.com/
開廊時間:12:00-19:00
休廊日:日、月、祝
※オープニング・レセプション:5月22日(金)18:00-20:00
今月下旬より東京・清澄白河から北参道に拠点を移すタカ・イシイギャラリー 東京は、新スペースのオープニング展として、独自のアプローチでイメージの在り方を問い続けるドイツを代表するアーティストのひとり、トーマス・デマンドの個展『Model Studies (Kōtō-ku)』を開催する。
トーマス・デマンドは1964年ミュンヘン生まれ。現在はベルリンとロサンゼルスを拠点に活動。主要メディアから引用した歴史的・社会的出来事の記録写真や映像を基に、着色紙や段ボールでその現場を実物大に再現し、撮影した写真・映像作品で知られる。これまでに、第50回ヴェネツィア・ビエンナーレや第26回サンパウロ・ビエンナーレといった国際展や、パリのカルティエ現代美術財団、ニューヨーク近代美術館、ロンドンのサーペンタイン・ギャラリー、ベルリンのノイエ・ナショナルギャラリー、ロサンゼルス・カウンティ美術館といった各地の美術館で個展を開催している。日本国内においても、東京国立近代美術館などを巡回した『ドイツ写真の現在―かわりゆく「現実」と向かいあうために』(2005-06)や東京国立近代美術館の『ヴィデオを待ちながら:映像、60年代から今日へ』(2009)に出品。2012年には、初期作品から東京電力福島第一原子力発電所事故を基にしたと思われる作品「制御室」(2011)を含む回顧展を東京都現代美術館で開催している。
本展で発表される「Model Studies」シリーズは、デマンドがロサンゼルスのゲッティ・リサーチ・インスティテュートで建築家ジョン・ロートナー(1911-1994)の建築模型に出会ったことを機に制作がはじまり、デマンド自身、他者がつくった模型を撮影した初めての作品として2011年に発表された。
本展では、建築家ユニットSANAAの建築模型を被写体とした「Model Studies」シリーズの最新作品約8点を発表する。2013年より、デマンドは東京・江東区にあるSANAAの事務所を数回訪れ、そこで生まれるアイディアを形にした建築模型を写真に収めている。SANAAの模型はアイディアの種として事務所に散在しており、多国籍のスタッフ間のコミュニケーションの媒介として機能している。最終的にデマンドにとっての模型はイメージへと還元され、建築家の模型は実際の建築として実現する。デマンドは、その創造過程に存在する模型を彫刻とみなし撮影することで、模型という概念が有する豊かな可能性を探っていく。
なお、本展開催に合わせて、作品集『Model Studies: Kōtō-ku』をアマナより刊行。会期前日の5月21日に東京・六本木にあるIMA コンセプトストアにて19時よりトーク&サインイベントを開催する。また、5月19日には作品集『Blossom』 出版記念ブックサイニング(主催:twelvebooks)を代官山蔦屋書店2号館で20時より開催する。
Thomas Demand Dormitory 3 (2015) Pigment print 165.3 x 129.4 cm © Thomas Demand, VG Bild-Kunst, Bonn / JASPAR, Tokyo