αMプロジェクト2016『トランス/リアル—非実体的美術の可能性』


デザイン:大西正一

武蔵野美術大学が運営するギャラリーαMは、2016年度のαMプロジェクトのキュレーターに、埼玉県立近代美術館主任学芸員の梅津元を迎え、「トランス/リアル—非実体的美術の可能性」というタイトルのもと、2016年4月9日から2017年3月25日まで、全7回の展覧会を開催する。

ギャラリーαMは、武蔵野美術大学が1988年に現代美術に主眼を置いた新人発掘とその発表の場として開設。2002年3月の閉廊以降、学生が主体となって運営する「αMプロジェクト」として、特定の展示会場を持たずに展覧会活動を継続。2009年にこれまでの活動趣旨を引き継ぎつつ、ジャンルを問わず、質の高い表現と可能性を有するアーティストに作品の発表機会を提供するとともに、社会に斬新な価値を発信できるキュレーターに展示企画の場を提供することの二点をコンセプトに、現所在地である東京・東神田に再開廊した。

2016年度のキュレーターを務める梅津元は1966年神奈川県生まれ。1991年に多摩美術大学大学院を修了。同年より、埼玉県立近代美術館に学芸員として勤務。現在は、同美術館主任学芸員を務める。主な担当企画(共同企画を含む)に、『〈うつすこと〉と〈見ること〉—意識拡大装置』(1994)、『1970年—物質と知覚 もの派と根源を問う作家たち』(1995)、『ドナルド・ジャッド 1960-1991』(1999)、『プラスチックの時代|美術とデザイン』(2000)、『アーティスト・プロジェクト:関根伸夫《位相—大地》が生まれるまで』(2005)、『生誕100年記念 瑛九展』(2011)などがある。そのほか、雑誌、カタログへの寄稿も多数。

「トランス/リアル」と題した本企画において、梅津は自己完結的な視覚と空間の崩壊を臨界点とするモダニズム以降の美術の可能性を、「非実体的」という概念を手掛かりとして、「トランス(trans)」という接頭語を持つ7つのキーワードを提示し、一方で、エドワード・ストリックランドの著書『ミニマリズム:オリジンズ』(1993)を参考に展開した7つのタームと組み合わせ、全7回の展覧会を通じて、「非実体的美術の可能性」を考察していく。

参加アーティストは、越野潤、牛膓達夫、末永史尚、八重樫ゆい、相川勝、小沢裕子、伊東篤宏、角田俊也、文谷有佳里、田中和人の10名。

ギャラリーαMhttp://gallery-alpham.com/


αMプロジェクト2016『トランス/リアル—非実体的美術の可能性』
展覧会会期

vol.1|越野潤「Translucent/Surface」
2016年4月9日(土)-5月14日(土)

vol.2|牛膓達夫「Transparent/Space」
2016年5月28日(土)-7月2日(土)

vol.3|末永史尚・八重樫ゆい「Transform/Paint」
2016年7月16日(土)-8月27日(土)(夏期休廊:8/7-8/15)

vol.4|相川勝・小沢裕子「Transfer/Information」
2016年9月10日(土)-10月15日(土)

vol.5|伊東篤宏・角田俊也「Transmission/Sound」
2016年10月29日(土)-12月3日(土)

vol.6|文谷有佳里「Transonic/Line」
2016年12月17日(土)-2017年2月4日(土)(冬期休暇:12/25-1/9)

vol.7|田中和人「Transpose/Perception」
2017年2月18日(土)-3月25日(土)

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