2014年1月15日、バードカレッジ・センター・フォー・キュラトリアル・スタディーズ(以下、CCS Bard)は、展覧会制作に対し、長期にわたる貢献を果たしてきたキュレーターの功績を讃えるオードリー・イルマス賞(CCS Bardキュレーター賞)を、ファン・アッベ美術館(アイントホーフェン)ディレクターでサンパウロビエンナーレ2014キュレーターのチャールズ・エッシュに授与することを発表した。エッシュには賞金25,000ドル(約260万)が授与される。
エッシェは1962年イングランド生まれ。社会変革の触媒としてのアートの役割やアートの社会的政治的背景を追究する企画や執筆で知られる。トラムウェイ(グラスゴー)や、エジンバラでの教育プログラムの創設に携わり、2000年から2004年までルーセウム現代美術センター(マルメ)のディレクターを務める。2004年にファン・アッベ美術館ディレクターに就任すると、2010年にはイスタンブールのSALTや国立ソフィア王妃芸術センターなどと欧州美術館連盟に携わっている。そのほか、第9回イスタンブール・ビエンナーレ(2005)や第4回光州ビエンナーレ(2002)など、数多くの国際展やコソボ国立美術館での『It Doesn’t have to be Beautiful Unless it’s Beautiful』(2012)など様々な企画展を手掛けている。
1998年にはセントラル・セント・マーチンズを拠点とする出版社「アフターオール[Afterall]」をマーク・ルイスとともに設立、以来、共同ディレクターを務める。同社は季刊誌のほか、美術機関や美術大学と連携し、著名なアーティストのひとつの作品に焦点を絞った「One Work of Art」シリーズや過去の展覧会を再考する「Exhibition Histories」シリーズなどを刊行している。
同賞は1998年に創設され、2012年より、同賞支援者でありCCS Bardのボードメンバーのオードリー・イルマスの名を冠している。歴代受賞者には、下記の通り。
1998年 ハラルド・ ゼーマン[Harald Szeemann]
1999年 マルシア・タッカー[Marcia Tucker]
2000年 カスパー・ケーニヒ[Kasper König]
2001年 ポール・シンメル[Paul Schimmel]
2002年 スザンヌ・ゲッツ[Susanne Ghez]
2003年 キナストン・マクシャイン[Kynaston McShine]
2004年 ウォルター・ホップス[Walter Hopps]
2005年 キャシー・ハルブライヒ[Kathy Halbreich]
マリ・カルメン・ラミレス[Mari Carmen Ramírez]
2006年 リン・クック[Lynne Cooke]
ワシフ・コルトゥン[Vasif Kortun]
2007年 アラナ・ハイス[Alanna Heiss]
2008年 カトリーヌ・ダヴィッド[Catherine David]
2009年 オクウィ・エンヴェゾー[Okwui Enwezor]
2010年 ルーシー・リッパード[Lucy Lippard]
2011年 ヘレン・モールスワース[Helen Molesworth]
ハンス・ウルリッヒ・オブリスト[Hans Ulrich Obrist]
2012年 アン・ゴールドスタイン[Ann Goldstein]
2013年 エリザベス・サスマン[Elisabeth Sussman]
CCS Bard Curatorial Excellence:http://www.bard.edu/ccs/visit/about-ccs-bard/award-for-curatorial-excellence/