ルオ・ヤン《San 2》〈Girls〉より 2026年 発色現像方式印画 作家蔵
デュエット――アジアン・コンテンポラリー
2026年9月30日(水)–2027年1月17日(日)
東京都写真美術館 2階展示室
https://topmuseum.jp/
開館時間:10:00–18:00(木・金は20:00まで)入館は閉館30分前まで
休館日:月(ただし、10/12、11/23、1/11は開館)、10/13、11/24、1/12、12/28–1/1
共同企画:テン・チンユン[滕青云](三影堂厦門撮影芸術中心 エグゼクティブ・ディレクター)、伊藤貴弘(東京都写真美術館 学芸員)
展覧会URL:https://topmuseum.jp/exhibition/5421/
東京都写真美術館では、中国と日本の6名のアーティストによる写真・映像作品を紹介する「デュエット――アジアン・コンテンポラリー」を開催する。
本展は、「愛について アジアン・コンテンポラリー」(東京都写真美術館、2018)に続くシリーズの第2回で、三影堂厦門撮影芸術中心のエグゼクティブ・ディレクターを務めるテン・チンユン[滕青云]と、東京都写真美術館学芸員の伊藤貴弘が共同で企画した。三影堂撮影芸術中心は、写真家ユニットのロンロン&インリ[榮榮&映里]が2007年に北京に設立した写真のための複合施設で、2015年には福建省の厦門に新たな拠点として三影堂厦門撮影芸術中心が開設された。展覧会名の「デュエット」は、本来ふたりで奏でる音楽形式を指す。この言葉を手がかりに、異なる視点や背景をもつ作品を同じ空間に並べ、複数の視点や文化、時間、個人の経験が交差することで生まれる関係性や響き合いを探る。出品作家のうち、中国のワン・トゥオ[王拓]、スイ・タカ[塔可]、ルオ・ヤン[罗洋]、ジャン・ポンイー[蒋鹏奕]の4名はいずれも日本の公立美術館で初めての紹介となり、日本の村越としやとfumiko imanoも東京都写真美術館では初の展示となる。
村越としや〈より深い静けさのために風は唱う〉より 2016年 ゼラチン・シルバー・プリント 作家蔵
ワン・トゥオ《Smoke and Fire》〈The Northeast Tetralogy〉より 2018年 シングルチャンネル4Kヴィデオ 作家蔵 Courtesy the artist and WHITE SPACE
村越としや(1980年福島県生まれ)は、2006年以降、故郷の福島を被写体に、人々や土地の記憶をなぞるように撮影を重ねてきた。2011年以降は特に県内各地へ足を運び、風景をとおして、変化や矛盾、知覚や認識の違いを見出そうとしている。2003年に日本写真芸術専門学校を卒業し、2009年に東京・清澄白河で自主ギャラリー「TAP」を設立。日本写真協会賞新人賞(2011)、さがみはら写真新人奨励賞(2015)を受賞し、東京国立近代美術館、サンフランシスコ近代美術館などに作品が収蔵されている。
ワン・トゥオ[王拓](1984年中国・吉林省生まれ)は、2017年より四部にわたる映像連作〈The Northeast Tetralogy〉に着手し、中国東北部を起点に、歴史的出来事から現代社会の事件、民間伝承までを翻案し、再構成してきた。登場人物たちの境遇を時空を超えて結びつけることで、土地に刻まれた近現代中国の歴史の断層を浮かび上がらせる。2007年に東北師範大学生物学科を卒業、2012年に清華大学美術学院で絵画の修士号を取得し、2014年にボストン大学でMFA(絵画)を取得。2023年には香港の現代美術館M+が主催するシグ・プライズを受賞している。本展では同連作から《Smoke and Fire》《Tungus》の2作品を上映する。
スイ・タカ[塔可](1984年中国・山東省生まれ)は、中国最古の詩集『詩経』に詠まれた中原(中国北部の黄河中下流域)の地を巡った写真シリーズ〈Odes〉で知られる。2003年に北京の中央美術学院に入学し、2005年に渡米、2007年よりロチェスター工科大学写真学科で学ぶ。2010年に〈Odes〉で連州国際写真年展年度写真家賞を受賞し、同作はメトロポリタン美術館に収蔵されている。同シリーズの新版写真集は、2026年の「世界で最も美しい本」銀賞を受賞した。
スイ・タカ《Heaven Guards》〈Odes〉より 2024年 インクジェット・プリント 作家蔵
ジャン・ポンイー《Dark Addiction 1H43′24″》2013年 インクジェット・プリント 作家蔵 ©Jiang Pengyi, Courtesy of ShanghART Gallery
fumiko imano《our first dinner spaghetti/paris/2021》〈le fumistol〉より 2021年 フォトモンタージュ(発色現像方式印画) 作家蔵 ©fumiko imano
ルオ・ヤン[罗洋](1984年中国・遼寧省生まれ)は、2007年に始めた、同世代の女性たちをフィルムで撮影する長期シリーズ〈Girls〉で国際的な注目を集めてきた。2009年に魯迅美術学院グラフィックデザイン学科を卒業。2018年にBBC「100 Women」に選出され、2019年にはジメイ×アルル国際写真フェスティバル女性写真家賞を受賞している。本展では〈Girls〉に加え、1990年代後半以降に生まれた若者に迫る〈Youth〉、欧州等に生きるアジア系移民を見つめた〈Diaspora Birds〉を紹介する。
ジャン・ポンイー[蒋鹏奕](1977年中国・湖南省生まれ)は、写真というメディアの物質性と表現の可能性を追求してきた。1999年に北京芸術設計学院を卒業し、2014年に中国美術学院大学院を修了。2009年に第1回三影堂写真賞ティアニー・フェローシップ賞、2010年にソシエテ・ジェネラル・チャイニーズ・アート・アワード審査員大賞、2011年にアレッティ・アートヴェローナ写真賞を受賞した。本展の出品作〈Dark Addiction〉は、蛍の生物発光の軌跡をフィルムに直接記録するカメラレスの技法で制作されている。
fumiko imano(1974年茨城県生まれ)は、アイデンティティへの問いからセルフ・ポートレイト写真を始め、架空の双子の姉妹を登場させるコラージュ作品を展開している。2歳から8歳の幼少期をブラジル・リオデジャネイロで過ごし、1997年に渡英。ロンドンのセントラル・セント・マーチンズでファインアートを学び、2001年にロンドン・カレッジ・オブ・ファッションでファッションスタイリング&フォトグラフィーコースを卒業した。
会期中は、中国を代表する写真評論家のグウ・ゼン[顧錚]とテン・チンユンによる国際シンポジウムを開催するほか、手話を交えたQ&Aショーなどのインクルーシブプログラム、担当学芸員によるギャラリー・トークを実施する。あわせて、テン・チンユンと伊藤貴弘による論考などを収めた展覧会図録が同館より刊行予定。
関連イベント
シンポジウム
2026年10月3日(土)13:00–14:30
登壇者:テン・チンユン[滕青云](本展共同企画者)、グウ・ゼン[顧錚](写真評論家、復旦大学新聞学院教授)、伊藤貴弘(本展担当学芸員)
会場:東京都写真美術館 1階ホール
定員:190名
参加費:無料
※日中逐次通訳、手話通訳、文字表示支援付き。当日10:00より1階総合受付にて整理券を配布
※グウ・ゼンは事前収録映像による登壇
インクルーシブプログラム「手話を交えたQ&Aショー」
2026年12月12日(土)14:00–15:00
質問者:小笠原新也(耳の聞こえない鑑賞案内人)
会場:東京都写真美術館 2階ロビー
定員:50名
参加費:無料
※手話通訳、文字表示支援付き
担当学芸員によるギャラリー・トーク
2026年10月16日(金)、11月20日(金)、12月18日(金)各日14:00–
会場:東京都写真美術館 2階展示室入口
※当日有効の展覧会チケットが必要。10/16は文字表示支援付き、11/20と12/18は手話通訳付き
同時開催
ふふたたびくみたてる 日本の新進作家 vol.23
2026年9月30日(水)–2027年1月17日(日)
東京都写真美術館 3F展示室
https://topmuseum.jp/exhibition/5423/
