没後20年 ナムジュン・パイク|じゅげむ展 @ ワタリウム美術館

ナムジュン・パイク《ニュー・キャンドル》1993年 ろうそく、ろうそく立て、カメラ1台、ビデオプロジェクター4台

 

没後20年
ナムジュン・パイク|じゅげむ展
2026年7月19日(日)–11月23日(月・祝)
ワタリウム美術館
http://www.watarium.co.jp
開館時間:11:00–19:00
休館日:月(ただし、9/21、10/12、11/23は開館)
展覧会URL:http://www.watarium.co.jp/jp/exhibition/202607/

 

ワタリウム美術館では、テレビやビデオを表現の媒体に用い、21世紀のアートの礎を築いたビデオ・アートの先駆者、ナムジュン・パイクの個展「ナムジュン・パイク|じゅげむ展」を開催する。

ナムジュン・パイク[白南準](1932-2006/ソウル生まれ)は、テレビ受像機やブラウン管、衛星放送といった当時の最新メディアを大胆に作品へ取り込み、音楽やパフォーマンスから映像インスタレーションへと表現を広げてきた。1932年にソウルの裕福な家庭に生まれ、朝鮮戦争を機に一家で来日。鎌倉に移り住み、東京大学で美学・美術史を学んだのち、1956年に20世紀美術を志して渡独し、フライブルグ音楽院やケルン大学に学ぶ中で、カールハインツ・シュトックハウゼンやジョン・ケージと出会った。1961年にはフルクサスの創始者ジョージ・マチューナスやヨーゼフ・ボイスと知り合い、以後、同運動の中心的存在として活動。1963年には、ヴッパータールのパルナス画廊での個展で世界初のビデオ・アートを発表した。その後もエンジニアの阿部修也と共同制作したパイク=アベ・ビデオ・シンセサイザーをはじめ、電子映像を素材とする表現を切り開いていった。

1984年には、衛星で4カ国・3大陸を結んで生中継した《グッド・モーニング・ミスター・オーウェル》を発表し、双方向の通信による新たなコミュニケーションの在り方を示した。1993年には、第45回ヴェネツィア・ビエンナーレのドイツ館をハンス・ハーケとともに代表し、金獅子賞を受賞。ワタリウム美術館とのかかわりも深く、前身のギャルリー・ワタリで1978年に個展「ジョン・ケージに捧げる」を開いて以来、たびたび個展を重ねている。2006年、マイアミの自宅で逝去。没後もテート・モダンとサンフランシスコ近代美術館による国際巡回展「The Future Is Now」(2019-2022)や、釜山現代美術館での大規模回顧展「Nam June Paik, Nam June Paik, and Nam June Paik」(2024)が開催されるなど、その仕事は今なお高く評価されている。

 

ナムジュン・パイク《時は三角形》1993年 ネオン管5本、木製台、アクリル絵具、モニター72台、映像4チャンネル、再生機
ナムジュン・パイク《ケージの森/森の啓示》(部分)1993年 植物、モニター20台、映像3チャンネル、再生機3台、ステレオ1組

 

本展は、2階から4階までの全展示室をパイクの作品で構成し、各フロアに「森」(2階)、「縁」(3階)、「心」(4階)というテーマを掲げ、その仕事の核心をたどる。展覧会名の「じゅげむ」は、子どもの長生きを願ってことさらに長い名前をつける落語「寿限無」にちなみ、パイクの作品が世代を超えて生き続けていくことへの願いが込められている。

2階「森」では、同館の展示空間に合わせて制作された《ケージの森/森の啓示》(1993)を中心に、実際の樹木を用いてフロア全体を森に仕立て、《時は三角形》(1993)や《ロボットK-567》(1993)などの立体作品を織り交ぜることで、自然と文明という相反するふたつの共存を表す。3階「縁」では、未公開のコラージュ作品をはじめとする20点以上の平面作品を中心に、《TV植物》(1980)などブラウン管を用いた立体作品や、パイクの発想の源泉となったドローイングを紹介。4階「心」では、三原色で壁面に大きく映し出される蝋燭《ニュー・キャンドル》(1993)を会場全体に展開し、「心」にまつわる作品を5点ほどあわせて並べるほか、2階から4階へと続く吹き抜けの空間に、LEDパネルでパイクの詩による《for Mr. I & Mr. I》(1964)を流す。

また、本展にあわせ、twelvebooksより日英バイリンガルの関連書籍が2026年秋に刊行予定。会期中には、パイクの作品と思想を語りあうシンポジウムも開かれる。

 

ナムジュン・パイク《永平寺賛歌》1986年 カラー、音 29分12秒
ナムジュン・パイク《手と顔》1961年 白黒 1分44秒

 

関連イベント
シンポジウム「パイクのVIDEAいろいろ2026」 ※定員に達したため申込終了
2026年7月20日(月・祝)13:00–16:00
会場:善光寺(東京都港区北青山3-5-17)
出演:浅田彰(批評家/哲学者)、落合陽一(メディアアーティスト)、八谷和彦(メディアアーティスト)
※後日収録配信予定有り。詳細はウェブサイトにて発表。

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