同伴分動態 @ BUG


 

同伴分動態
2025年4月2日(水)-5月6日(火)
BUG
https://bug.art/
開館時間:11:00–19:00
休館日:火(ただし5/6は開館)
コ・キュレーション:うらあやか(出品作家)、野瀬綾(BUG企画担当)
展覧会URL:https://bug.art/exhibition/accompanied-divergences-2025/

 

BUGでは、うらあやか、小山友也、二木詩織、宮田明日鹿の4名のアーティストによる展覧会「同伴分動態」を開催する。

本展では、生活介護事業所や美術教育機関などで働きながら制作活動を行なうアーティストと、来場者が「一緒に行動する」機会を創出することで、同伴しながら何かを生み出すことの可能性や、アートセンターの在り方を模索する。本企画は、BUGオープン前の2022年8月に複数のアーティストやアートワーカーと意見交換する機会として開催された「スペース設計の意見交換会」での、うらとの交流をきっかけに生まれた。以来、面白い場を作ることやアートマネジャーの職能について議論を重ね、今回はそのやり取りの中から生まれたものを展覧会やイベントというかたちで公開する試みとなる。タイトルの「同伴」「分動」「態」は、それぞれの言葉を組み合わせた造語であり、ある人々が居合わせ、同伴しながらも自由に分かれて動く「態(様子、ありさま)」を表している。

 


うらあやか《何も関係のない、切り離された、別の仕事(塩っぱいアイスクリームショップ)》2019/2024年


小山友也《一緒に歌う》2017年

 

うらあやか(1992年神奈川県生まれ)は、他者や他の生物との関わり合いを軸に、参加型のパフォーマンス作品を主に制作してきた。近年の主な展覧会に「マルチタスク」(武蔵野美術大学gFAL、東京、2023)、「貝の化石が/跡を残して/化石の/雌型/となった/身体」(金沢芸術村PIT5、石川、2021)などがある。国際芸術祭「あいち2022」では、小山友也とともにラーニング・プログラム「勝手に測る、挟まる、抜け出す」を実施した。本展では、2名のパフォーマーがボディランゲージを使って、「世界をよい方向に変えるためのアイデア」をやりとりするパフォーマンス作品を発表する。会場で希望者はパフォーマンスに参加することも可能。

小山友也(1989年埼玉県生まれ)は、ものや風景、社会システムなど無生物との間にあるコミュニケーションを、自身の身体を通して観察するパフォーマンスやドローイング、映像作品を制作している。近年の活動に「石_鑑賞と使用のための連続講座」(CSLAB、東京、2023年)、「SAYONARA – MarkII」(TOYOTA Mark II、東京、2021)など。国際芸術祭「あいち2022」では、うらあやかとともにラーニング・プログラム「勝手に測る、挟まる、抜け出す」を実施した。
本展では、小山があるアートセンターに乗り込み、そこで働くスタッフから護身術で「制圧」される映像作品を展示する。作品や展覧会を守るため、不測の事態を静かに待つ看視スタッフの働きの誇張──スタッフによる護身術によって作家自身が制圧される──により、相対するふたつの身体は、あるひと続きの構造として可視化される。

 


二木詩織《cup metabolism》2022年


宮田明日鹿《だいどころのこえ》2024年

 

二木詩織(1993年神奈川県生まれ)は、映像や対話を用いた作品の制作を通して、目の前で起きたことに対する感覚を部分的に増幅させることを試みてきた。2019年に武蔵野美術大学修士課程美術専攻油絵コースを修了。同年よりアートユニット「坂口佳奈 + 二木詩織」としても活動している。 近年の主な展覧会に「Oozing Point -滲み出る地点-」(硫黄島、鹿児島、2023)、坂口佳奈 + 二木詩織「そこら中のビュー」(Gallery PARC、京都、2023)、「RENEWAL NEWREAL 二木詩織/山本篤」(Art Center Ongoing、東京、2022)など。本展では、自身が週5日間働く生活介護事業所の様子や、そこに通う人々との関わりを映像や写真で展示する。映像では、事業所を利用する人々が絵や刺繍、手織りなどを創作する光景や、事業所恒例の散歩の様子が捉えられ、そこには人々のやり取りや会話、距離感が映し出される。

宮田明日鹿(1985年愛知県生まれ)は、テキスタイルやファッション、手芸、美術の領域を横断しながら、改造した家庭用電子編み機や手編みなどの技法で作品を制作している。また、手芸文化を通してさまざまなまちの人とコミュニティを形成するプロジェクト「手芸部」を国内各地で行なっている。2007年に桑沢デザイン研究所ファッション科テキスタイル専攻を修了。近年の主な展覧会に「ひらいて、むすんで」(岡崎市美術博物館、愛知、2024)、国際芸術祭「あいち2022」など。手芸部プロジェクトに「本町手芸部」(石川、2024〜進行中)、「有松手芸部」(愛知、2022)、「金石手芸部」(石川、2021)、「港まち手芸部」(愛知、2017〜進行中)などがある。本展では、農業用ネットを編み物で制作したインスタレーションと、会場内でのスナップエンドウの栽培、堆肥を作る分業風景の映像作品などを展示する。

会期中には、それぞれの作家が企画、参加するイベントやパフォーマンス、ワークショップを実施する。詳細は展覧会ウェブサイトを参照。

 

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