川内理香子《PIC-NIC》2024年 ©Rikako Kawauchi, courtesy of the artist and WAITINGROOM
開館5周年記念展
ニュー・ユートピア——わたしたちがつくる新しい生態系
1期|2025年4月4日(金)-7月7日(月)
2期|2025年7月11日(金)-11月16日(日)
弘前れんが倉庫美術館
https://www.hirosaki-moca.jp/
開館時間:9:00–17:00 入館は閉館30分前まで
休館日:火(4/15、4/22、4/29、5/6、8/5、9/23は開館)、5/7、7/9、7/10、9/24
展覧会URL:https://www.hirosaki-moca.jp/exhibitions/plastic_utopia/
弘前れんが倉庫美術館では、開館5周年を記念した展覧会「ニュー・ユートピア——わたしたちがつくる新しい生態系」を開催する。
「どこにもないところ」という意味のギリシャ語に由来する「ユートピア」は、16世紀イギリスの思想家、トマス・モアの著作に登場する架空の国家。モアは、共通の価値観を持つ人々が暮らす、理想の場所としてユートピアを描き出した。一方、ひとりひとりが異なる価値観で生きる現代社会では、個人が探し求める理想の場所のあり様はますます多様化している。また現在、「生態系」という言葉は、自然環境における命の循環の仕組みを示す本来の意味を超えて、人間の知的・文化的な活動によって影響を受けた、都市生活の構造に対しても用いられる。そのような前提の下、本展は、自分自身の身体や動植物を含む他者の存在、土地の歴史と向き合うことであらたな関係性を築いてきたアーティストたちの作品を通して、自分たちそれぞれにとって、遠い理想郷ではない未来のユートピアとは何かを考察していく。
[参考図版]渡辺志桜里《堆肥国家》2024年 Photo: Naohiro Ogawa
[参考図版]佐藤朋子 新作のためのイメージ
本展には、川内理⾹⼦、⼩林エリカ、ユーイチロー・E・タムラ、渡辺志桜⾥、SIDE CORE、⼯藤⿇紀⼦、奈良美智、佐藤朋⼦、さとうりさ、ナウィン・ラワンチャイクン、ジャン=ミシェル・オトニエル、藤井光、⼤巻伸嗣、斎藤麗、 永野雅⼦、細川葉⼦、畠山直哉、和⽥礼治郎、蜷川実花(1期のみ)、松⼭智⼀(2期のみ)が参加。自らがコントロールできないものへの意識から、身体に取り込まれる食べものや、他者と自分自身の関係性を示すようなイメージを作品に取り入れたドローイングやペインティングを中心に幅広い表現方法を試みてきた川内理香子(1990年東京都生まれ)は、2024年から新たに取り組む刺繍による新作大型作品を発表。日本が辿った近代化への道のりや歴史の複数性への関心と、各地の伝説や遺跡などへの興味からリサーチを行い、フィクションとドキュメントを行き来する物語を構築する佐藤朋子(1990年長野県生まれ)は、昨年度より継続的に弘前の街中や近郊の地域でリサーチをかさね、「語り」を取り入れたレクチャー形式の新作を発表。渡辺志桜里(1984年東京都生まれ)は、植物、⿂、バクテリアなどを生育する⽔槽を繋ぎ合わせ、⽔を循環させることで生態系を可視化させる渡辺の代表作《サンルーム》の新作を、弘前を中心とする津軽地方の生物たちに焦点をあてて発表する。
また、同館が2020年の開館から現在まで、コミッション・ワークを中心に収蔵してきた作品から、本展のテーマに応答する作品を出品。旧陸軍第八師団の軍医であった祖父と、弘前生まれの父の人生と土地の歴史をテーマに、フィクションとドキュメンタリーが入り混じった物語が展開する小林エリカ(1978年東京都生まれ)のインスタレーション、青森に複数の遺跡がある縄文時代の土器に着想を得た大巻伸嗣(1971年岐阜県生まれ)の版画作品など、津軽地⽅の⾵⼟、歴史、⺠俗、⽂化との出会いから生まれたコレクションを紹介する。さらに、こぎん刺しや土器といった、地域の歴史や文化にまつわる資料も現代の作家たちの作品とともに紹介することで、津軽地域で育まれてきた創造性や、人々の交流や移動の歴史に光をあてる。
小林エリカ《誕生》(《旅の終わりは恋 するものの巡り逢い》より)2021年 弘前れんが倉庫美術館蔵 © Erika Kobayashi Courtesy of artist and Yutaka Kikutake Gallery
SIDE CORE《under city》ongoing, Courtesy of SIDE CORE
関連プログラム
アーティスト・リレートーク
2025年4月5日(土)
13:00–13:40|渡辺志桜⾥
13:40–14:20|川内理⾹⼦
14:20–15:00|佐藤朋⼦
会場:弘前れんが倉庫美術館 展示室内
料金:無料(要当日観覧券)申込不要
学芸スタッフによる解説ツアー
2025年4月27日(日)、5月18日(日)、6月22日(日)、7月27日(日)、8月17日(日)、9月21日(日)、10月19日(日)、11月9日(日)各日11:00-11:30
料金:無料(要当日観覧券)申込不要
集合場所:1階受付前
蜷川実花《Embracing Lights》特別上映会
2025年4月5日(土)、4月6日(日)、4月15日(火)、4月22日(火)、4月26日(土)-4月29日(火・祝)、5月3日(土)-5月5日(月・祝)各日10:00-17:00 ※ループ上映
会場:弘前れんが倉庫美術館 スタジオB
料金:無料、申込不要
[参考図版]さとうりさ《本日も、からっぽの わたし #3(月と心臓)》2024年 越後妻有里山現代美術館 MonET 展示風景
5周年!れんがひろばのアートフェス
2025年7月11日(金)-7月13日(日)
アーティスト・トーク SIDE CORE
2025年7月12日(土)
さとうりさによるワークショップ「からっぽ探検隊」
2025年7月13日(日)14:00-15:00
会場:⼟淵川吉野町緑地(弘前れんが倉庫美術館前 ”れんがひろば”)
料金:無料
申込:事前予約優先
ナイト・ミュージアム
2025年7月11日(金)、7月12日(土)両日20:00まで
ラーニングプログラム
プレイフルワークショップ 「コミュかん 〜展覧会をみて・話して・共有する〜」
2025年6月22日(日)13:30-15:30 ※一般向け
2025年8月3日(日)13:30-15:30 ※バリアフリープログラム
講師:太⽥歩(演劇ユニット ⼀揆の星)
会場:弘前れんが倉庫美術館 スタジオB
対象:中学生以上
定員:10名
料金:無料(要当日観覧券)
申込:事前予約優先
プレイフルワークショップ 「おはなしスケッチ」
2025年8月23日(日)13:50-15:30
講師:藤島和弘(演劇ユニット ⼀揆の星)
会場:弘前れんが倉庫美術館 スタジオB
対象:中学生以上
定員:12名
料金:無料(要当日観覧券)
申込:事前予約優先
その他のプログラム
H-MOCA レクチャー
2025年8月9日(土)、9月13日(土)、10月11日(土)各日14:00-15:00
会場:弘前れんが倉庫美術館 ライブラリー
定員:20名
料金:無料
申込:事前予約優先
「れんが倉庫部」による建築ガイドツアー
2025年4月19日(土)、5月17日(土)、6月21日(土)、7月19日(土)、8月16日(土)、9月20日(土)、10月18日(土)、11月15日(土)各日11:00-11:30
料金:無料、申込不要
申込:事前予約優先
集合場所:1階エントランス
H-MOCA ライブ 前野健太「営業中」
2025年5月31日(土)開演:19:00(開場:18:30)
会場:cafe & shop BRICK(弘前れんが倉庫美術館隣接)
料金:4,000円(予約)、4,500円(当日)※別途ドリンク代
定員:60名
共催:cafe & shop BRICK