田島美加《アニマ11》2022年 黒ガラス、ブロンズ製ジェットノズル 国立国際美術館蔵 Photo by Charles Benton ©Mika Tajima
特別展「ノー・バウンダリーズ」
2025年2月22日(土)-6月1日(日)
国立国際美術館
https://www.nmao.go.jp/
開館時間:10:00–17:00(金、土は20:00まで)入場は閉館30分前まで
休館日:月(ただし、2/24、5/5は開館)、2/25、5/7
企画:植松由佳(国立国際美術館学芸課長)
展覧会URL:https://www.nmao.go.jp/events/event/20250222_noboundaries/
国立国際美術館では、所蔵作家約20名の作品を通して、現代社会におけるさまざまな「境界(バウンダリー)」をテーマに、日常や価値観がどのように形成されているのかを可視化するとともに、社会に存在する既存の枠組みを解体し、新たな視座の提示を試みる展覧会「ノー・バウンダリーズ」を開催する。
今日の物理的・社会的な境界は、グローバル化やテクノロジーの進化によって様変わりしている一方で、新たな分断や排除を生み出している。こうした現代社会において、アーティストは作品や表現活動を通じてアイデンティティや文化、ジェンダー、物理的空間や時間など、社会において概念化された境界を軽やかに超越し、多様な価値観が交差する場を創出している。そのような前提の下、本展では鑑賞者が展覧会を通し既成概念を超え、多様性や共生の価値を再認識する機会となることを目指す。
ミン・ウォン《ライフ・オブ・イミテーション》2009年 2チャンネル・ヴィデオ・インスタレーション(HD、カラー、サウンド) 国立国際美術館蔵 ©Ming Wong
エヴェリン・タオチェン・ワン《トルコ人女性たちのブラックベリー》2023年 油彩、鉛筆、石膏、カンバス 国立国際美術館蔵 ©Evelyn Taocheng Wang
アリン・ルンジャーン《246247596248914102516 … そして誰もいなくなった》2017年 シングルチャンネル・ヴィデオ(HD、カラー、サウンド) 国立国際美術館蔵 ©Arin Rungjang
主な出品作品に、エリク・サティが提唱した生活空間に溶け込む音楽にちなんだ田島美加による「アールダムーブルモン(Art dʼ Ameublement)」シリーズや、同じく田島の有機的な形態が特徴的なガラス作品《アニマ 11》(2022)、ハリウッド映画『イミテーション・オブ・ライフ』へのオマージュとして制作し、人種や映画、ジェンダーの問題が浮き彫りにしたミン・ウォンの《ライフ・オブ・イミテーション》(2009)、伝統的な中国の書画と西洋美術の絵画技術を柔軟に取り込むとともに、ジェンダー問題や植民地史をテーマに浮かび上がらせるエヴェリン・タオチェン・ワンの油彩画《トルコ人女性たちのブラックベリー》(2023)、ヒトラーの最後の面会者がタイの民主化革命に関わったメンバーのタイ人であるという歴史的事実と、自身の父親がかつてドイツ企業で働いた経験を持つという私的側面を重ね合わせることで、時間そして地理的境界を再構築し拡張を試みたアリン・ルンジャーンの《246247596248914102516… そして誰もいなくなった》。そのほか、ヴォルフガング・ティルマンスの《アストロ・クラスト、a》(2012)やヤン・ヴォーの《無題》(2019-2020)なども合わせて展示する。
出品作家 ※変更となる場合あり
クリスチャン・ボルタンスキー、フェリックス・ゴンザレス=トレス、廣直高、鎌田友介、マイク・ケリー、キム・ボム、松井智惠、三島喜美代、ミヤギフトシ、森村泰昌、アリン・ルンジャーン、カリン・ザンダー、シンディ・シャーマン、田島美加、田中功起、ヴォルフガング・ティルマンス、ヤン・ヴォー、エヴェリン・タオチェン・ワン、ミン・ウォン、山城知佳子、やなぎみわ
ヴォルフガング・ティルマンス《アストロ・クラスト、a》2012年 インクジェットプリント、クリップ 国立国際美術館蔵 ©Wolfgang Tillmans
ヤン・ヴォー《無題》2019-20年 国立国際美術館蔵 「ヤン・ヴォー ーォヴ・ンヤ」展示風景(国立国際美術館、2020年) 撮影:福永一夫 ©Danh Vo
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コレクション2 Undo, Redo わたしは解く、やり直す
2025年2月15日(土)-6月1日(日) B2階展示室
国立国際美術館 B2階展示室
https://www.nmao.go.jp/events/event/collection20250215/