三菱商事アート・ゲート・プログラム2021-2022 支援アーティスト6組による新作展 @ 代官山ヒルサイドフォーラム

 

三菱商事アート・ゲート・プログラム2021-2022 支援アーティスト6組による新作展
2023年2月15日(水)− 2月26日(日)
代官山ヒルサイドフォーラム
http://hillsideterrace.com/
開場時間:11:00-19:00(入場は閉場30分前まで)※最終日は17:00まで
参加アーティスト:飯島暉子、泉桐子、岡本秀、小山渉、衣真一郎、female artists meeting
展覧会URL:https://www.mcagp.com/news/article/?id=page_10
三菱商事アート・ゲート・プログラム:https://www.mcagp.com/

 

2021年にその内容をリニューアルした「三菱商事アート・ゲート・プログラム(MCAGP)」の一環として、支援期間にラーニングやメンタリングを取り入れたプログラムに参加したアーティスト6組による展覧会が、代官山ヒルサイドフォーラムで開催される。

三菱商事は、2008年より社会貢献活動の一環として実施していたアーティスト支援施策MCAGPを、アーティストの育成に重点を置いたプログラムにリニューアルし、異なるキャリアステージに合わせた「スカラシップ」「ブレイクスルー」「アクティベーション」の3つの部門を開設した。本展は、平面作品を制作する活動歴が概ね5年以内のアーティストを対象とした「ブレイクスルー」の第1期に選出された飯島暉子、泉桐子、岡本秀、小山渉、衣真一郎、female artists meetingの6組が新作を中心に発表する。6組のアーティストは、支援期間をパンデミック下で過ごしながらも、長谷川新(インディペンデントキュレーター)、桝田倫広(東京国立近代美術館 主任研究員)、水田紗弥子(キュレーター/Little Barrel)といったメンターやアーティスト同士で交流し、リサーチや実験を繰り返し、作品やそのコンセプトを発展させてきた。本展では関連イベントも含め、その思考や創作のプロセスも紹介される。

 


飯島 暉子《ドアストッパー》2021年/ドアストッパー、セメント、ピンポン玉/18×40×5cm/撮影:岩崎 広大[参考画像]


泉 桐子 ドローイングの制作風景 2022年/和紙、墨[参考画像]

 

飯島暉子(1994年神奈川県生まれ)は、身体と「モノ」との関わりに関心を持ち、身の回りの既製品に、掃除や整理すること、特定の場所に配置することなどのきわめてささやかな行為を施す。そこで生まれた微細な変化を行為の残滓として作品化している。
泉桐子(1992年神奈川県生まれ)は、和紙に墨や膠など伝統的な日本画材を用いて、書物や版画・絨毯の織物や民芸品などの図像と作り方を参照し物語の場面性を描いている。近年は大型絵画を10cm四方に切り分け展示の度に再構成するなど、絵画構造にも関心を寄せている。
岡本秀(1995年奈良県生まれ)は、社会文化における絵画の成り立ちに興味を持ち、日本画で学んだ実物写生やデッサンの考え方を軸に、襖絵や重屏図といった日本と東アジア圏で醸成された技術に着想を得た手法をとり入れるなど、近代以降の芸術論が培ってきた語彙とは異なる視覚表現の可能性を模索している。

 


岡本 秀《くくるく療法》2021年/名塩雁皮紙、岩絵具、棒絵具、染料、墨、膠/64×88×2cm/撮影:白井 茜[参考画像]


小山 渉《最期の1分》2020年〜/インスタレーションビュー (「すみっこCRASH☆」 2022年 無人島プロダクション) /撮影:森田 兼次[参考画像]

 

小山渉(1992年東京都生まれ)は、自身が精神福祉施設で働いた経験から「人間」そのものに興味を持ち、感情や精神病理、死生観などを題材に、写真やインタビュー、映像、立体によって作品を制作している。近作ではしばしば、作家自身と出演者との親密さを伴う関係性の中での語りや行為が多く含まれている。
衣真一郎(1987年群馬県生まれ)は、山や畑、道、田園風景の広がる空間に静物や人、彫刻的なモチーフ、古墳などを配置した絵画を異なる距離感やスケール感を伴わせて描いている。現在は榛名湖アーティスト・レジデンスを創作拠点としている。
female artists meetingは、うらあやか(1992年神奈川県生まれ)と都賀めぐみ(1992年広島県生まれ)を発起人とした、美術に携わる女性たちのパーティーであり、情報交換やイベント企画を行うサークル活動である。2019年同名のイベントを東京にて開催して以降、拠点を定めず様々な人との協働を通し活動を重ねる「女性のアイデンティティをもつ美術関係者のネットワークづくり」を目的として、それに必要な環境整備を試みるプロジェクトチームと位置付けている。広告の表現方法を活用したり、Zineへの広告掲載を通してフェミニズムへの理解と参画を促している。

 


衣 真一郎《横たわる風景》2021-22年/油彩、キャンバス/162×227.3cm[参考画像]


female artists meetingイベント《girls night out》の様子 2019年[参考画像]

 

三菱商事アート・ゲート・プログラム(MCAGP)では、「ブレイクスルー」のほか、大学や専門学校の芸術文化分野で学び、未来にアーティストとして自立した活動を希望しながらも、経済的な理由で困難を強いられている学生の支援を目的とする「スカラシップ」、メディアを問わず領域横断的に活動する、概ね45歳までのアーティストが対象とした「アクティベーション」を設けている。「アクティベーション」では、蔵屋美香(横浜美術館 館長)、グローバー(ミュージシャン)、毛利嘉孝(東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科教授)をメンターに、佐々木類、檜皮一彦、持田敦子が支援を受けて活動している。

 

関連イベント
メンターを迎えたアーティスト・トーク①
出演:泉桐子、衣真一郎、水田紗弥子(キュレーター/Little Barrel代表)
2023年2月18日(土)13:00-14:30
メンターを迎えたアーティスト・トーク②
出演:岡本秀、小山 渉、桝田倫広(東京国立近代美術館主任研究員)
2023年2月18日(土)15:30-17:00
メンターを迎えたアーティスト・トーク③
2023年2月19日(日)13:00-14:30
出演:飯島暉子、female artists meeting、長谷川 新(インディペンデントキュレーター)
会場:エキシビションルーム(代官山ヒルサイドフォーラム内)
定員:40名
※要予約

特別トーク
「カタチ、文化、仮設: 表現としての墓を読みとく」
企画:飯島暉子
出演:阿部 純(広島経済大学メディアビジネス学科准教授)、飯島暉子、衣真一郎、岡本秀
2023年2月25日(土)13:00-14:30
会場:エキシビションルーム(代官山ヒルサイドフォーラム内)
定員:30名
※要予約、入退場自由

レクチャー&ディスカッション
「female artists meeting:生活を話し合う/ウィッシュリストβ版を活用する」
企画:female artists meeting
出演:坂本夏海・滝朝子・長倉友紀子・本間メイ(《子育てアーティストの声をきく》メンバー)、吉澤弥生(共立女子大学文芸学部教授)
2023年2月25日(土)16:30-19:30
会場:エキシビションルーム(代官山ヒルサイドフォーラム内)
定員:30名
※要予約、入退場自由

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