景観観察研究会「八甲田大学校」@ 青森公立大学 国際芸術センター青森(ACAC)


 

景観観察研究会「八甲田大学校」
2022年7月16日(土)- 9月25日(日)
青森公立大学 国際芸術センター青森(ACAC)
http://acac-aomori.jp/
開館時間:10:00-18:00(展示棟ラウンジは9:00-19:00)
会期中無休
企画:景観観察研究会+慶野結香(国際芸術センター青森 学芸員)
展覧会URL:https://acac-aomori.jp/program/2022-3/

 

青森公立大学 国際芸術センター青森(ACAC)では、さまざまなジャンルで活動するアーティスト4名(OJUN、板津悟、新津保建秀、山本修路)と、寄生虫学や森林生態学を専門に自然をフィールドとする研究者3名(筏井宏実、伊勢武史、大庭ゆりか)からなる、自然と人間の連環について考え、実践していくためのコレクティブ「景観観察研究会」を招き、その活動を八甲田連峰のふもと、自然に囲まれた国際芸術センター青森の環境を活かしながら展開するプログラム『景観観察研究会「八甲田大学校」』を開催する。

景観観察研究会は、メンバー各自が取り組んできた創作・研究活動の延長線上に位置し、アーティストと研究者それぞれがお互いの視点を求め合い情報や意見を交換しながら、各自の拠点をつなぐコミュニティのように活動を展開している。その中心的な役割を果たす山本修路は、埼玉および青森県十和田市を拠点に活動。作品制作だけでなく、米作りから、酒造・鳩正宗とのコラボレーション日本酒「天祈り(てのり)」の仕込みや、樹液採取・メープルシロップ作りなど多数のプロジェクトに取り組む。画家のO JUNも青森公立大学で長年デッサンの講義を受け持ち、2016年にはACACで個展『まんまんちゃん、あん』を開催。北里大学獣医学部(十和田キャンパス)で教鞭を執る筏井宏実と筏井が教員を務める獣医寄生虫学研究室も自然豊かな環境を活かしながら、日々の研究に勤しんでいる。

 


山本修路《青森県立体地形模型》(照明:高橋匡太)撮影:小山田邦哉


北里大学獣医寄生虫学研究室にある寄生虫のスライド標本、2022年撮影

 

青森にゆかりのあるメンバーが中心となった景観観察研究会は、2018年からフィールドワークとして青森や八甲田を訪れ、それぞれの関心や専門性に基づきながら観察と考察、表現を繰り返し、2021年には各自の活動をまとめたZINEの制作も行なっている。ACACでの今回のプロジェクトでは、これまでの活動を土台としながら、各自の探究のエッセンスを集約したかのような作品プランを、普段から大型作品の制作を手掛け、高い木工技術をもつ山本修路のプロデュースにより実現した。また、本展をこれまでの活動の成果としてのゴールではなく、他者との対話をはじめるスタートと捉え、公開制作やワークショップ、トークなどを多数実施し、誰かが何かを考えた形跡などが展示へ常に変化をもたらす枠組みを設けている。「八甲田大学校」の名からも分かるように、本プログラムは教育や学校、カリキュラムといったシステムを意識し、展示、ワークショップ、トークといった美術や美術館のフォーマットを用いながらも、あくまでもオルタナティブな場所を志向し、大自然と人間の関係を考え、生きる術を各自が能動的に得ていくことができる機会を目指す。

 

「八甲田大学校」について
古来、芸術と科学は一体であり、僕ら人間の生きる術(すべ)であった。人は進化の過程で自然を観察し、その成果を表現する力を獲得した。たとえば、うつくしい動物を壁画に描きながめること。そうやって僕らは自然のことを四六時中考えたり話したりすることで、狩りに成功し、危険を回避し、後継者を養成してきたことだろう。しかしいつしか、僕らは自然観 察の能力を忘れ、日々の忙しさと情報の海におぼれる現代の暮らしを送るようになった。だから僕ら景観観察研究会は、いまここ青森の地で、自然について調べ、体験し、表現することをはじめた。芸術家と科 学者がフラットな関係性で、こころにつき動かされるままに活動することにした。ここが、大自然と人間のことを考えるスタートラインである。

景観観察研究会

 


大庭ゆりか《コナラ》2022年

 

プログラム一覧
大庭ゆりか ワークショップ「つくって学ぼう、葉っぱのデザイン」 ※既に終了
2022年7月16日(土)10:00-12:00
会場:青森公立大学 国際芸術センター青森(ACAC)創作棟ワークショップスタジオ
定員:10人
対象:小学校3年生以上
※要予約
https://acac-aomori.jp/program/2022-3-1/

景観研による「八甲田大学校」案内 ※既に終了
2022年7月16日(土)14:30-16:30
会場:青森公立大学 国際芸術センター青森(ACAC)展示棟ギャラリーA入口集合
定員:10人
対象:小学校3年生以上
※要予約
https://acac-aomori.jp/program/2022-3-2/

O JUN 公開制作「そうぐう―図画工作」
2022年7月16日(土)- 9月25日(日)10:00-18:00(72日間)
会場:青森公立大学 国際芸術センター青森(ACAC)展示棟ギャラリーA
https://acac-aomori.jp/program/2022-3-3/

新津保建秀 ワークショップ「記憶を束ねる」 ※既に終了
2022年7月17日(日)、7月18日(月・祝)10:00-15:00(2日間連続ワークショップ)
会場:青森公立大学 国際芸術センター青森(ACAC)展示棟ギャラリーA、青森市沢山ほか
定員:8人
対象:写真撮影や編集作業の経験がある方
※要予約
https://acac-aomori.jp/program/2022-3-4/

 


O JUN《石鏡のホテル》カンバスに油彩、2021年 撮影:松見拓也


新津保建秀《Untitled》2022年

 

視覚考現学研究室(O JUN+山下港) 夏季ゼミナール「見えない世界を冒険するー記録集と黒板画の制作」
2022年7月23日(土)、7月24日(日)、8月6日(土)、8月7日(日)10:30-13:00(4日間ワークショップ)
会場:ACACの施設とその周辺
定員:15人
対象:中学生以上
※要予約
https://acac-aomori.jp/program/2022-3-5/

山本修路 ワークショップ「樹木学―鉢植えをつくろう」
①2022年7月31日(日)、8月14日(日)14:30-17:00
②2022年9月3日(土)、9月17日(土)14:30-17:00
会場:青森公立大学 国際芸術センター青森(ACAC)展示棟ギャラリーA
定員:15人
対象:小学5年生以上
※要予約
https://acac-aomori.jp/program/2022-3-6/

筏井研究室 ワークショップ「北里『八甲田大学校』分校:寄生虫学実習」
2022年8月11日(木・祝)、8月25日(木)、9月8日(木)、9月21日(水)14:30-16:30
会場:青森公立大学 国際芸術センター青森(ACAC)展示棟ギャラリーA
定員:各回5組程度
対象:どなたでも
※要予約
https://acac-aomori.jp/program/2022-3-7/

板津悟 ワークショップ「八甲田山、積層する地図」
2022年8月20日(土)、8月21日(日)10:30-17:30(1日完結ワークショップ)
会場:青森公立大学 国際芸術センター青森(ACAC)創作棟ワークショップスタジオ、銅板画室
定員:各日8人
対象:小学5年生以上
※要予約
https://acac-aomori.jp/program/2022-3-8/

伊勢武史 ワークショップ「デジタル自然観察」
2022年9月23日(金・祝)10:30-12:30
会場:青森公立大学 国際芸術センター青森(ACAC)展示棟ギャラリーA
定員:10人程度
対象:小学5年生以上
※要予約
https://acac-aomori.jp/program/2022-3-9/

山極壽一 特別講演+景観研メンバーとのトーク
2022年9月24日(土)14:30-16:30
会場:青森公立大学 国際芸術センター青森(ACAC)創作棟講義室
定員:40人
対象:どなたでも
※要予約
https://acac-aomori.jp/program/2022-3-10/

 


伊勢武史《雑草の目線》2022年


板津悟「十和田湖」昭和29年印刷発行地図を石版石に復元、2022年

Copyrighted Image