ジャン・プルーヴェ展 椅子から建築まで @ 東京都現代美術館


広報物イメージ Design by Tamotsu Yagi Design

 

ジャン・プルーヴェ展 椅子から建築まで
2022年7月16日(土)– 10月16日(日)
東京都現代美術館 企画展示室1F/地下2F
https://www.mot-art-museum.jp/
開館時間:10:00–18:00 展示室入場は閉館30分前まで
休館日:月(7/18、9/19、10/10は開館)、7/19、9/20、10/11
企画:パトリック・セガン(Galerie Patrick Seguin)、八木保(Tamotsu Yagi Design)
展覧会URL:https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/Jean_Prouve/

 

東京都現代美術館では、20世紀の建築や工業デザインに大きな影響を与えたジャン・プルーヴェの活動を紹介する展覧会『ジャン・プルーヴェ展 椅子から建築まで』を開催する。

ジャン・プルーヴェは、1901年のパリで画家の父と音楽家の母のもとに生まれ、アール・ヌーヴォー全盛期のフランスで育つ。金属工芸家としてキャリアを開始、1930年代にはスチールなどの新たな素材を用いた実験的かつ先進的な仕事へと転換し、家具から建築へと創造の領域を拡げていく。また、第二次世界大戦中はレジスタンス運動に積極的に参加し、ナンシー市長をはじめ公的な役職を歴任した。

本展は、20世紀の建築家による家具を扱うギャラリー・パトリック・セガンのセガンと、カリフォルニア州を拠点に活動するアートディレクターの八木保による共同企画展で、出品作品や資料は、主に両者の所蔵作品およびコレクターの前澤友作の所蔵作品、プルーヴェ家の所蔵作品からなる。展示構成は、《「サントラル」テーブル》(1956年)、《ファサード・パネル》(1950年頃)、《ライン照明》(1954年)など、プルーヴェを象徴する作品とともに、生涯の軌跡をたどり、続いて、《「プレジダンス」デスク No. 201》(1955年頃)、《移動式脚立(特注)》(1951年)のほか、工業生産化への移行における標石のひとつとなった《引き出し付き折りたたみテーブル》(1943年)を含む代表作を紹介していく。

 


ジャン・プルーヴェ《組立式ウッドチェア CB 22》1947年 © Galerie Patrick Seguin
© ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2022 C3892


ジャン・プルーヴェ《「カフェテリア」チェア No. 300》1950年頃 Laurence and Patrick Seguin collection
© Galerie Patrick Seguin © ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2022 C3892

 

プルーヴェは、1930年代、市場の拡大にともなう大量生産の要請に応え、公共機関や大学に向けた家具を数多く手掛けている。「家具の構造を設計することは大きな建築物と同じくらい難しく、高い技術を必要とする」という言葉を残したプルーヴェにとって、家具のなかでも椅子は重要な位置を占め、美しく整ったかたちを保ちつつ、剛性と人間工学に基づく合理性が交わるデザインを探求した。本展では《「シテ」チェア》(1932年)から《「コンフェレンス」チェア No. 355》(1954年)まで、数々のモデルをまとめて展示し、その変遷を体感できる内容となる。

1950年代、プルーヴェは国外に販路を求めて、アフリカでの使用を想定した家具やアルミニウム製のファサードを手掛ける。本展では《「S.A.M.」テーブル No. 506 アフリカ型》(1952年)や《「トロピク」アームチェア No. 351》(1950年)、さらにギニアのUAT航空やカメルーンの学校のためにつくられたブリーズ・ソレイユ(日除ルーバー)を展示する。

 


ジャン・プルーヴェ《「メトロポール」住宅(プロトタイプ)》1949年 Galerie Patrick Seguin © Galerie Patrick Seguin © ADAGP, Paris & JASPAR, Tokyo, 2022 C3892

 

本展後半では、多数の資料により主な建築プロジェクトを取り上げるとともに、現存する3つの建築作品を展示し、自らを「構築家(constructeur)」と位置づけたプルーヴェの建築物へのアプローチに焦点をあてる。展示する3つの建築作品は、《「メトロポール」住宅(プロトタイプ)》(1949年)、《F 8×8 BCC組立式住宅》(1942年頃)、《6×6組立式住宅》(1944年)。いずれも解体・移築可能な建築物として、フランスの建築史において重要な位置を占めるとともに、プルーヴェの創造性を体現する作品である。

最後の展示室では、プルーヴェへのインタビューを含む映像を上映。来場者が《折りたたみ天板付き講義室用ベンチ》(1953年頃)に座りながら、映像を鑑賞できる空間となる。

 


マクセヴィルのアトリエ・ジャン・プルーヴェにて(1955年頃)
© Centre Pompidou-MNAM/CCI-Bibliothèque Kandinsky-Dist. RMN-Grand Palais

 

関連イベント
シンポジウム「ジャン・プルーヴェから学ぶべきこと」
出演(五十音順):石田潤(建築家、リンク建築設計工房主宰)、岩岡竜夫(東京理科大学教授、本展学術協力)、金野千恵(建築家、t e c o 主宰、京都工芸繊維大学特任准教授)、マニュエル・タルディッツ(建築家、明治大学特任教授)、山名善之(建築家 / 美術史家 東京理科大学教授)、横尾真(構造家、シンガポール国立大学客員上級研究員 / 東京理科大学客員准教授)
2022年7月24日(日)13:00-16:30
会場:東京都現代美術館 地下2階 講堂

ギャラリートーク
2022年8月6日(土)、8月31日(水)、9月25日(日)各日11:00-
会場:東京都現代美術館 企画展示室1F/地下2F(ジャン・プルーヴェ展展示室内)
※参加方法やその他のプログラムは詳細が決まりしだい、公式ウェブサイト等で発表

 


同時開催
MOTアニュアル2022 私の正しさは誰かの悲しみあるいは憎しみ
2022年7月16日(土)– 10月16日(日)
東京都現代美術館 企画展示室3F
https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/mot-annual-2022/

MOTコレクション コレクションを巻き戻す 2nd
2022年7月16日(土)– 10月16日(日)
東京都現代美術館 コレクション展示室
https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/mot-collection-220716/

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