描く、そして現れる―画家が彫刻を作るとき @ DIC川村記念美術館


サイ・トゥオンブリー 手前:「無題」1990年、奥:「無題」1968年、DIC川村記念美術館 ©︎ Cy Twombly Foundation, 2019

 

描く、そして現れる―画家が彫刻を作るとき
2019年9月14日(土)- 12月8日(日)
DIC川村記念美術館
http://kawamura-museum.dic.co.jp/
開館時間:9:30-17:00 入館は閉館30分前まで
休館日:月(ただし、9/16、9/23、10/14、11/4は開館)、9/17、9/24、10/15、11/5
展覧会企画:光田由里(DIC川村記念美術館学芸グループマネージャー)

 

DIC川村記念美術館では、20世紀美術において前衛画家として知られたアーティストによる彫刻に着目した展覧会『描く、そして現れる―画家が彫刻を作るとき』を開催する。従来の手法に捉われず、彫刻の歴史にも影響を残した画家の絵画と彫刻を並置することで、作家・作品理解への貴重な機会となるだろう。

4章構成となる本展は、「絵画の実験から彫刻へ」をテーマとするセクションではじまる。パブロ・ピカソジャコモ・バッラルネ・マグリットなど、各アーティストが絵画において新たなヴィジョンを獲得しようと模索するなかで、彫刻もまた生み出されていった。本セクションには、DIC川村記念美術館で2016年にその写真表現に着目した展覧会が開かれたサイ・トゥオンブリーによる彫刻も出品される。続いて、「反絵画としてのオブジェ、あるいは彫刻」では、絵画というジャンルを疑い、絵の解体を迫った画家によるオブジェや彫刻を紹介する。それ自体が1枚の布である旗を画布に描くことで「絵と絵ではないものの関係」に言及したジャスパー・ジョーンズや、その課題を引き継ぎ、絵画性と物質性の関係を追求し、「天動説」シリーズに行き着いた菊畑茂久馬、特異な「絵画=物体観」を抱いていたピエロ・マンゾーニらの作品を出品する。

 


ジャコモ・バッラ「輪を持つ女の子」1915年、ふくやま美術館

 

「ポップアートとミニマルアート:絵画空間の実体化」をテーマとするセクションでは、草間彌生をはじめ、クレス・オルデンバーグロイ・リキテンスタインといったポップアートを代表するアーティストや、ドナルド・ジャッドソル・ルウィットといったミニマルアートを代表するアーティストの作品を紹介。そして、「絵画の向こう側:映像と空間」では、ミニマリズム以後に現れた、いわゆる彫刻以外の方法による実践を紹介する。ドローイングを撮影してデジタル分解し、拡大する過程で、元々はなかった色彩を出現させた中西夏之をはじめ、榎倉康二五十嵐英之の作品を出品する。

本展は会期中に展示替えを行なうほか、小林正人と奈良美智による対談、長島有里枝と石田尚志による対談、さらに音楽家の蓮沼執太によるミュージアムコンサートなども開催する予定。

 


ピエロ・マンゾーニ「アクローム」1961年、ふくやま美術館

 

関連プログラム
ゲストによるトークイベント ※要予約
小林正人(画家)x 奈良美智(画家・彫刻家)
「画家だから、木枠を踏み出す、踏みこえる」

2019年10月12日(土)
※詳細・予約方法は公式ウェブサイトにて更新

長島有里枝(写真家・作家)x 石田尚志(画家・映像作家)
「写す、そして現れる―空間のなかへ」

2019年11月16日(土)
※詳細・予約方法は公式ウェブサイトにて更新

学芸員によるギャラリートーク
2019年9月14日(土)、11月30日(土)14:00-15:00
※予約不要、入館料のみ
※当日14:00にエントランスホール集合

ミュージアムコンサート ※要予約
蓮沼執太(音楽家、アーティスト)
2019年10月26日(土)18:15-(開場:18:00)
※予約受付開始:
友の会|8月27日(火)10:00
一般|8月30日(金)10:00

その他の関連プログラムは公式ウェブサイトを参照

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