福岡市美術館リニューアルオープン記念展『これがわたしたちのコレクション+インカ・ショニバレCBE:Flower Power』@ 福岡市美術館


吉田博「タジマハルの朝霧」1932年

 

福岡市美術館リニューアルオープン記念展
『これがわたしたちのコレクション+インカ・ショニバレCBE:Flower Power』
2019年3月21日(木・祝)-5月26日(日)
福岡市美術館
https://www.fukuoka-art-museum.jp/
開館時間:9:30-17:30 入館は閉館30分前まで
休館日:月(ただし4/29、5/6は開館)、5/7

 

福岡市美術館ではリニューアルオープンを記念し、同館約16,000点のコレクションから選りすぐりの近現代美術、古美術を、館内すべての展示室を使用した開館以来最大規模で紹介する『これがわたしたちのコレクション』と、人種や階級、植民地主義をテーマとした作品で知られるインカ・ショニバレCBEの個展『Flower Power』を同時開催する。

2016年8月に『歴史する! Doing history!』を最後に大規模な改修工事期間に入っていた福岡市美術館。開館以来、シュルレアリスムからポップ・アートまで前衛的な作品の収集に取り組み、その国内有数のコレクションは、改修工事期間にも『モダンアート再訪 ダリ、ウォーホルから草間彌生まで-福岡市美術館コレクション展』という形で、鳥取県立博物館、埼玉県立近代美術館、広島市現代美術館、横須賀美術館を巡回した。同企画は、九州以外の土地でまとまった数の「九州派」の作品を実見する貴重な機会にもなった。

『これがわたしたちのコレクション』では、普段は市民に貸し出しているギャラリーも含め、館内すべての展示室を使用。サルバドール・ダリ、ジョアン・ミロ、アンディ・ウォーホル、草間彌生など同館コレクションを代表する20世紀美術だけでなく、近年収蔵した手塚愛子ら同時代の作家、重要文化財に指定されている空海の「金剛般若経開題残巻」や、松永安左エ門による茶道具の数々などといった古美術も紹介する。室数の増えたギャラリーでは、明治生まれで第二次世界大戦、占領期に晩年を迎えた画家で、版画も多数制作した「吉田博」、生前は絵画のみならず多彩な活動を展開し、没後1982年に福岡市美術館が回顧展を開催した「藤野一友」、福岡の戦後美術を語る上で欠かせない動向である前衛美術集団「九州派」、柿右衛門様式の色絵磁器に代表される「九州古陶磁」、日本の仏教美術の源流をたどる「アジアの仏教美術」の5つの特集展示を行なう。

 


手塚愛子「縦糸を引き抜く-五色」2004年

 

同時開催の『Flower Power』は、インカ・ショニバレCBEの日本初個展。インカ・ショニバレCBEは、1962年にロンドンに生まれるが、3歳のときにナイジェリアのラゴスに移住する。大学で美術を学ぶためにロンドンへと戻ると、バイアム・ショー美術学校を経て、ロンドン大学ゴールドスミスカレッジで修士号を取得。絵画、彫刻、写真、映像、インスタレーションと多岐にわたる方法で、グローバル化する現在における植民地主義とポスト植民地主義を探求している。2002年にはドクメンタ11に参加し、2004年にはターナー賞にノミネート、2008年にはシドニー現代美術館を皮切りに、回顧展がニューヨークのブルックリン美術館、国立アフリカ美術館を巡回した。日本でも熊本現代美術館の『熊本国際美術展:ATTITUDE2002』、森美術館の『アフリカ・リミックス:多様化するアフリカの現代美術』(2006)、横浜美術館の『BODY/PLAY/POLITICS』(2016)に出品している。本展では、代表作とともに、桜をテーマとする新作を発表する。

 


インカ・ショニバレCBE「ハイビスカスの下に座る少年」2015年 Yinka Shonibare CBE Studio, London. 
Pearl Lam Galleries, Hong Kong, Singapore and Shanghai. Photo: Thomas Liu

 

関連イベント
インカ・ショニバレ講演会 ※既に終了。
2019年3月21日(木・祝)14:00-15:30
会場:福岡市美術館ミュージアムホール
定員:180名(要申込)※受付終了

映画上映「≒草間彌生 わたし大好き」
2019年3月31日(日)10:00-/14:00-
会場:福岡市美術館ミュージアムホール
定員:180名(無料)
※当日9:30からミュージアムホール前で整理券配布

つきなみ講座 特別編
インカ・ショニバレCBEの活動と作品について
講師:正路佐知子(福岡市美術館学芸員)
2019年4月27日(土)15:00-16:00(受付開始:14:30)
会場:福岡市美術館ミュージアムホール
定員:180名(無料)、先着順

つきなみ講座
誰もが楽しめる美術館を目指して
講師:古賀弥生(九州産業大学教授)、鬼本佳代子(福岡市美術館主任学芸主事)
2019年5月25日(土)15:00-16:00(受付開始:14:30)
会場:福岡市美術館レクチャールーム
定員:54名(無料)、先着順

その他の関連イベントは公式ウェブサイトを参照

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