オチ・オサム展 @ 福岡市美術館


オチ・オサム《球の遊泳II》1979年 福岡市美術館蔵

 

オチ・オサム展
2024年1月24日(水)-3月24日(日)
福岡市美術館 2階近現代美術室A・B
https://www.fukuoka-art-museum.jp/
開館時間:9:30–17:30 入館は閉館30分前まで
休館日:月(2/12は開館)、2/13
企画担当:忠あゆみ(福岡市美術館学芸員)
展覧会URL:https://www.fukuoka-art-museum.jp/exhibition/ochi_osamu/

 

福岡市美術館では、福岡の戦後美術を語る上で欠かせない前衛美術グループ「九州派」のメンバーとして活動し、晩年まで孤高の存在として内から湧き出るビジョンを表現し続けたアーティスト、オチ・オサムの回顧展を開催する。オチ・オサム個人に焦点を当てた美術館初の回顧展として、オチが残した作品等の調査に基づき、これまで十分に光の当たらなかった全貌に迫る。

オチ・オサム(1936-2015/佐賀県生まれ)は、高校時代に絵を描き始め、卒業後は精版印刷に勤務。1955年に第40回二科展に《花火の好きな子供》、《マンボの好きな子供》が入選し、岡本太郎が任されていた第九室に展示される。57年に桜井孝身らとともに前衛美術グループ「九州派」を創立、68年まで中核メンバーとして活動する。同57年に第9回読売アンデパンダン展(東京都美術館)に出品。61年には「現代美術の実験」(東京国立近代美術館)に出品。翌62年の第14回読売アンデパンダン展(東京都美術館)では本展出品作《出口ナシ》(1962/2015)を出品している。66年から69年にかけてアメリカ合衆国に滞在。帰国後も精力的に活動し、福岡を中心に佐賀、大阪、名古屋などで個展を開催。「1960年代―現代美術の転換点」(東京国立近代美術館、1981)、「九州派展―反芸術プロジェクト」(福岡市美術館、1988)、「桜井孝身/オチ・オサム/石橋泰幸―九州派黎明期を支えた3人の画家」(福岡市美術館、常設展示、2014)などに出品。没後の2015年には福岡市美術館で「九州派展―戦後の福岡に産声をあげた、奇跡の前衛集団、その歴史を再訪する。」が開かれ、展覧会に合わせて『福岡市美術館叢書6 九州派大全』が刊行された。

 


オチ・オサム《題不詳》1963-64年頃 オチ・オサム事務所蔵 ©️2020 EUREKA


オチ・オサム 《題不詳》1973年 オチ・オサム事務所蔵 ©️2020 EUREKA

 

本展では、九州派時代から晩年までの作品・資料約180点を紹介し、その幅広い活動の軌跡を辿っていく。会期中には、生前にオチ・オサムと親交を持ち、福岡のアートシーンを長年追ってきた元フクニチ新聞記者、『西日本文化』編集長の深野治による記念講演会や、 本展出品作《出口ナシ》(1962/2015)を所蔵する東京都現代美術館学芸員の藤井亜紀による記念講演会、本展企画担当の忠あゆみによるつきなみ講座やギャラリートークも開催する。

 


オチ・オサム 《題不詳》2003年 オチ・オサム事務所蔵 ©️2020 EUREKA

 

関連イベント
つきなみ講座「オチ・オサムの人と作品」
2024年2月10日(土)15:00–16:00(開場:14:30)
講師:忠あゆみ(福岡市美術館学芸員)
会場:福岡市美術館 1階ミュージアムホール
定員:180名(先着順)
料金:聴講無料

ギャラリートーク
2024年2月17日(土)14:00–14:40
講師:忠あゆみ(福岡市美術館学芸員)
会場:福岡市美術館 2階近現代美術室A・B
料金:聴講無料(要コレクション展観覧料:200円)

記念講演会「オチ・オサムの作品《出口ナシ》をめぐって」
2024年2月24日(土)14:00–15:30(開場:13:30)
講師:藤井亜紀(東京都現代美術館学芸員)
会場:福岡市美術館 1階ミュージアムホール
定員:180名(先着順)
料金:聴講無料

記念講演会「宇宙(そら)に昇った画家を語る」
2024年3月3日(日)14:00–15:30(開場:13:30)
講師:深野治(元フクニチ新聞記者、『西日本文化』編集長)
聞き手:忠あゆみ(福岡市美術館学芸員)
会場:福岡市美術館 1階ミュージアムホール
定員:180名(先着順)
料金:聴講無料

 


オチ・オサム《出口ナシ》1962年(第14回読売アンデパンダン展 展示風景)

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