『アジア・ネクスト-はじまりの物語』『時代のモンタージュ-アジア映像の展開』@ 福岡アジア美術館


アーイシャ・ハーリド「ビーナスの誕生」2001年、福岡アジア美術館所蔵

 

アジア・ネクスト-はじまりの物語
2019年1月2日(水)-
時代のモンタージュ-アジア映像の展開
2019年1月17日(木)-3月26日(水)
福岡アジア美術館 アジアギャラリー
http://faam.city.fukuoka.lg.jp/
開館時間:10:00-20:00 入室は閉館30分前まで
休館日:水(水曜が休日の場合は翌平日)

 

福岡アジア美術館では、2019年3月の福岡市美術館のリニューアル・オープンを記念し、胎動する未来を予感させるような、アジアの現代美術作品を紹介する『アジア・ネクスト-はじまりの物語』を同館アジアギャラリーで開催する。また、1月17日からは同じくアジアギャラリーではアジア映像の展開を紹介する『時代のモンタージュ-アジア映像の展開』を開催する。

『アジア・ネクスト-はじまりの物語』では、これまでに第2回福岡アジア美術トリエンナーレ(2002)や『アジアをつなぐ-境界を生きる女たち 1984-2012』(2012)でも紹介してきたパキスタンの現代細密画を牽引するアーイシャ・ハーリドが、花や幾何学文様による装飾的な表面に、ブルカを被った女性を並置することで、イスラーム社会における女性の存在を描いた「ビーナスの誕生」(2001)をはじめ、誕生・変身・未来をキーワードとした展示を行なう。

 


ジャン・ペイリー「ドキュメント:衛生 No.3」1991年、福岡アジア美術館所蔵

 

『時代のモンタージュ-アジア映像の展開』では、中国現代美術における八五美術運動の中心人物で、同国のコンセプチュアル・アートおよびビデオアートの先駆者として知られるジャン・ペイリー[張培力]の、鶏を石鹸水で洗うという行為を執拗に繰り返した「ドキュメント:衛生 No.3」(1991)、チェン・ジエレン[陳界仁]が閉鎖された台北郊外の縫製工場を舞台に、実際にそこで働いていた人々が参加して制作した『加工廠』(2003)、ウォン・ホイチョンが日本占領下のマレー半島の強制収容所での父親の体験を取り上げ、暴力的で不合理な現実と白昼夢のような空想世界が交錯する物語として、実写とアニメーションを交えて構成した「暗い穴」(2009)など、自らが生きる時代を複数の視点で捉え、重層的なイメージを描き出すアジア作家の映像表現を紹介する。

なお、福岡アジア美術館の企画ギャラリーでは、「アジアの木版画運動」に焦点を当てた企画展『闇に刻む光 アジアの木版画運動 1930s-2010s』を1月20日まで開催している。

 

ART iT Interview Archive
チェン・ジエレン「リフレクション-記憶が反射する時空間」(2016年1月)
ウォン・ホイチョン「取り残された歴史をすくいあげて」(2011年3月)

 


チェン・ジエレン「加工廠」2003年、福岡アジア美術館所蔵


ウォン・ホイチョン「暗い穴」2009年、福岡アジア美術館所蔵

 


 

闇に刻む光 アジアの木版画運動 1930s-2010s
2018年11月23日(金)-2019年1月20日(日)
福岡アジア美術館 企画ギャラリーA,B,C

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