Institute of Asian Performance Art: Tokyo 日/中/韓パフォーマンスとメディア 70’s-90’s @ トーキョーアーツアンドスペース本郷


パク・ヒョンギ「Video Inclining Water」パフォーマンス記録写真 1979年

 

TOKAS Project Vol.1
Institute of Asian Performance Art: Tokyo
日/中/韓パフォーマンスとメディア 70’s-90’s

2018年10月13日(土)-11月11日(日)
トーキョーアーツアンドスペース本郷
http://www.tokyoartsandspace.jp/
開館時間:11:00-19:00 入館は閉館30分前まで
休館日:月
キュレーター:ヴィクター・ワン
※オープニング・レセプション:10月12日(金)18:00-

 

トーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)では、ロンドンと上海を拠点に活動するキュレーター、ヴィクター・ワンのキュレーションの下、芸術形式としてのビデオがアジアのアーティストにもたらした影響の一端を、出光真子、ジャン・ペイリー、パク・ヒョンギという日本、中国、韓国出身の3名のアーティストの作品とともに考察する展覧会『Institute of Asian Performance Art: Tokyo』を開催する。

本企画は、TOKASが本年度から新しく立ち上げた、多文化的な視点を通じ、アートや社会など、さまざまなテーマについて思考するプログラム「TOKAS Project」の第1弾となる。本展キュレーターのヴィクター・ワン(1983年カナダ生まれ)は、東アジアにおけるパフォーマンス・アートの歴史と発展に関心を持ち、昨年のTOKASレジデンス・プログラムに参加した際には、ハイレッド・センターやゼロ次元など、1960〜70年代の前衛芸術活動の観点から、日本におけるパフォーマンス・アートを調査した。ロンドンのディヴィッド・ロバーツ・アート・ファウンデーションのキュレーターズ・シリーズというプログラムの下、『Institute of Asian Performance Art』と題し、高松次郎、ハイレッド・センター、平田実、キム・グリムを紹介する展覧会を、トークやセミナー、パフォーマンス、『Performance Histories from East Asia 1960s–90s』の出版と交えて企画。同企画は10月28日まで開催している。

同企画に続く本展のためのキュレーター・テキストで、ヴィクター・ワンは、ビデオアートの技法と形式は、技術の進歩に直結しており、西洋の美術史的伝統や、特定可能な言説に根ざした芸術技法ではなく、それにより、日本、韓国、中国のアーティストたちは、西洋の文脈の外から、多様な政治的、社会的状況のなかで、ビデオ制作に対する型にはまらない独自の美学とアプローチを展開し、形作ることができたと述べる。本展では、「ビデオアート」に関する東アジアにおける地域間の対話と、パク・ヒョンギ、ジャン・ペイリー、出光真子という先駆的なビデオアーティストに着目。パク・ヒョンギ(1942-2000/大阪府生まれ、45年に大邱に移住)は、韓国にビデオアートを紹介しただけでなく、ビデオアートを東洋の哲学や文化に基づくパフォーマンスや彫刻と一体化させた特徴的な作品で知られる韓国を代表するアーティストのひとり。2000年に他界するも2010年にはギャラリーヒュンダイ、2015年には韓国国立現代美術館 果川館で個展が開かれるなど、後続世代に多大な影響をもたらしている。中国現代美術における八五美術運動の中心人物、ジャン・ペイリー(1957年杭州生まれ)は、中国におけるコンセプチュアル・アートおよびビデオアートの第一人者。本展出品作品「30 x 30」は中国初のビデオアート作品として知られている。また、杭州の中国美術学院ニューメディアアート学部の創設に関わり、同学部で長年にわたり教鞭を執るなど、教育者としても中国現代美術の発展に多大な貢献を果たしている。昨年はシカゴ美術館で個展を開催し、グッゲンハイム美術館で開かれたグループ展『芸術と中国 1989年以降:世界の劇場』に出品するなど、国際的な評価も高い。日本におけるフェミニズム・アートの先駆者として知られる出光真子(1940年東京生まれ)は、自身の経験からフェミニズムをベースに、家庭における親と子、表現者として女性が生きる際の社会的摩擦などを問い続けてきた。1970年代より国内外の数々の展覧会、映画祭で実験的な映像作品を発表しており、2018年の第10回恵比寿映像祭でも、「不可視であるなら、私が。 出光真子おんなのさくひん」と題した上映プログラムが組まれた。

なお、本展に先駆けて、ヴィクター・ワンによるトークが10月9日に東京藝術大学で開催される。

 

関連イベント
IAPAキュレーター・トーク
出演:ヴィクター・ワン
モデレーター:毛利嘉孝(社会学者/東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科教授)
2018年10月9日(火)18:30-20:30
会場:東京藝術大学 音楽学部5-109教室(東京都台東区上野公園12-8)

 


出光真子「主婦の一日」1977年 ビデオ(9分50秒)


ジャン・ペイリー「30×30」1988年 シングルチャンネル・ビデオ(32分09秒)

 


 

Institute of Asian Performance Art – Curators Series –
2018年9月27日(木)-10月28日(日)
ディヴィッド・ロバーツ・アート・ファウンデーション、ロンドン

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キュレーター:ヴィクター・ワン

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