特別展「開館50周年 今こそGUTAI 県美(ケンビ)の具体コレクション」

会期:2020年12月5日(土)~2021年2月7日(日)

開館時間:午前 10 時~午後 6 時 ※ 入場は午後 5 時半まで

休館日:月曜日(ただし、1月 11 日(月)は開館、翌 12 日(火)は休館)、年末年始

観覧料金:一般 1,300 円/大学生 900 円/高校生以下無料/ 70 歳以上 650 円/障がいのある方(一般)300 円、(大学生)200 円

※ 予約優先制です。兵庫県立美術館の Web サイト(こちら)からご予約ください。(予約に関する問い合わせ TEL:078-262-1011)

主催:兵庫県立美術館、神戸新聞社

協賛:公益財団法人伊藤文化財団、一般財団法人みなと銀行文化振興財団

特別協力:公益財団法人日本教育公務員弘済会 兵庫支部

助成:一般財団法人安藤忠雄文化財団

 

開催趣旨

本展では、所蔵品の中から具体美術協会(具体、1954-1972)の作品を取り上げます。このグループは、戦後の日本美術を語る上で欠かせない“GUTAI”として、国際的にも高い評価を受けています。

1970年の県立近代美術館の開館以来、長年にわたって築かれた当館の「具体」コレクションは、充実した点数、豊かな内容ともに、最も誇れるもののひとつです。この展覧会では、兵庫県立近代美術館から現在にいたる50年間の収集を視野に入れながら、ひとつのイメージに収斂しない多角的な「具体」像を考えます。

リーダーの吉原治良は、現代の美術について「厳しい現代を生きぬいて行く人々の最も解放された自由の場」(「発刊に際して」機関誌『具体』1号、1955年)と記しています。戦後の復興期に立ち上がり、大阪万博の頃まで旺盛な活動を続けた具体。その強靭な精神は、今を生きる私たちにも、力を与えてくれるのではないでしょうか。

 

展覧会構成

Ⅰ最初期の収集 郷土ゆかりの美術として

具体は1954年に結成され、吉原治良の逝去を受けて1972年3月に解散しました。県立近代美術館(近美)開館の頃は、まだグループが存続していた時期にあたります。館の収集の柱は「版画」と「彫刻」そして「郷土ゆかりの美術」の3つ。具体も「郷土ゆかりの美術」として、位置づけられていました。

吉原治良《黒地に赤い円》1965年 兵庫県立美術館

 

【出品作家】白髪一雄、元永定正、吉原治良

 

Ⅱ女性作家のめざましい活躍

初期の「具体」の作家や作品には、新奇な手法や派手なアクションといった、行為性と物質性が際立っています。一方で、そのような傾向に合致しない、特異な例外とされる作家たちもまた、グループの中で重要な位置を占め、特徴的な作品を作り出していました。たとえば、最初期から在籍した山崎つる子、田中敦子、白髪富士子らの作品には、新素材への鋭敏な感覚や、壮大な世界観などがみられます。

山崎つる子《作品》1961年 兵庫県立美術館

 

【出品作家】菅野聖子、白髪富士子、田中敦子、名坂有子、堀尾昭子、森内敬子、山崎つる子

 

Ⅲ現代美術―山村德太郎氏と近美の並走

兵庫県西宮市に、企業家にして美術コレクターの山村德太郎氏がいました。山村氏は、具体の作品をヨーロッパからも買い戻し、1980年代に集中して集めました。同じ時期、近美でも、収集活動が活発化しています。山村氏の没後、そのコレクションはまとまって近美に収蔵されることとなり、一気に収蔵品が増えることになりました。その中には、各会員の具体美術展への出品作など、重要な大作がいくつも含まれています。

元永定正《作品 N.Y. No.1》1967年 兵庫県立美術館  © モトナガ資料研究室

 

【出品作家】上前智祐、浮田要三、金山明、嶋本昭三、白髪一雄、鷲見康夫、前川強、松谷武判 、正延正俊、向井修二、村上三郎、元永定正、吉原通雄

 

Ⅳ多角的な理解に向けて 県美のGUTAIコレクション

具体関連作品の増加を受けて、近美の収集方針の柱に「現代美術」が加わりました。その後もコレクションは拡大を続けます。2002年、阪神・淡路大震災からの「文化の復興」のシンボルとして、現在の場所に移転し、名称が兵庫県立美術館と改められました。2004年にグループの結成50周年を記念する「具体回顧展」を開催したのち、グループの後半期に加入した作家たちが、多くコレクションに加わりました。豊富な点数と幅広い作風は、具体の多角的な理解へとつながります。

今井祝雄《白のセレモニー・HOLES#6》1966年 兵庫県立美術館 © Imai Norio

 

【出品作家】今井祝雄、小野田實、喜谷繁暉、木梨アイネ、田井智、高﨑元尚、田中竜児、坪内晃幸、堀尾貞治、松田豐

 

関連イベント等その他詳細については展覧会特設サイトよりご確認ください。

兵庫県立美術館Webサイト:https://www.artm.pref.hyogo.jp/

展覧会特設サイト:https://www.artm.pref.hyogo.jp/exhibition/t_2012/

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