注目作家紹介プログラム チャンネル 15 森山未來、梅田哲也《艀(はしけ)》

参考:梅田哲也「梅田哲也イン別府『O滞』」2020年 役者:森山未來ほか

参考:梅田哲也「梅田哲也イン別府『O滞』」2020年 役者:森山未來ほか 撮影:天野祐子

 

「注目作家紹介プログラム チャンネル」は、兵庫県立美術館が2010年度より開催してきたシリーズ展です。当館が今こそ紹介したいと考える注目作家を取り上げ、同時代を生きる作家と来館者がさまざまな「チャンネル」を通じ出会う機会になることを目指しています。

2025年1月17日で阪神・淡路大震災から30年となることから、2024年度の第15回は特別展「1995 ⇄2025 30年目のわたしたち」と連動する特別な回とします。2つの展覧会は会期をあわせ、チャンネル15には特別展にも参加する森山未來と梅田哲也を招き、二人の共同プロジェクトを館内のさまざまな場所で展開します。
兵庫県出身でダンサーや俳優として領域をまたぎ身体的表現を展開する森山未來(1984- )は、10歳の時に震災を経験し、2010年には震災15年目を描いたテレビドラマ「その街のこども」(NHK)にも主演しています。近年、レジデンス施設「Artist in Residence KOBE (AiRK)」を発足させるなど神戸の芸術振興活動にも取り組む中で、森山は多くの魅力的な人や場に出会います。よりクリエイティブなつながりや展開を企図する森山の呼びかけに、今回、梅田哲也(1980- )が応えます。
梅田は熊本県出身で大阪を拠点に、インスタレーションやパフォーマンス、音響作品などの発表を国内外で続けるアーティストです。その場に元々ある物やシステムを生かした梅田の作品は、光や音、動きや展開の意表をつく面白さで一気に観客を引き寄せ、その場ならではの時空の深みへと誘います。

今回は、それぞれに領域を横断し活躍する二人が、美術館を拠点に共同で制作と発表を行う初の機会となります*。ジャンルを超えたスペシャルなコラボレーションにより、震災30年目の今そしてこれからを生きる人々の間に、さまざまな「チャンネル」を開くことを目指します。

*これまでの共演
『プレイタイム』
シアターコクーン(東京、渋谷)にてコロナ下の2020年7月に収録、ライブ配信された舞台。
出演:森山未來ほか、構成・演出:梅田哲也。
「梅田哲也 イン 別府『O滞』」
個展形式の芸術祭『in BEPPU』の第5回として2020-21年に別府市内各所で開催(2021-22,23,24年にも再公開)。招聘作家:梅田哲也、映像作品『O滞』に森山未來が出演。

 

みどころ

✓森山未來と梅田哲也という、ともにジャンルを超えて活躍する2人の、美術館では初のコラボレーション。震災から30年目の神戸でリサーチを行い、新作を制作、発表します。

✓阪神・淡路大震災を経験した森山未來と、発表の場と深く交わる作品で知られる梅田哲也。震災との距離感が異なる2人の共同作業により、日常の中にありながら見過ごされている世界への新たな入口を開きます。

✓震災30年の節目にあたり、企画展示室での特別展「1995 ⇄2025 30年目のわたしたち」をはじめ、常設展示室でのコレクション展、Ando Gallery など、同時期に館内各所で関連企画を開催し、全館一体となった取り組みを行います。

 

作家略歴

森山未來(1984年生、兵庫県出身)
5歳から様々なジャンルのダンスを学び、15歳で本格的に舞台デビュー。2013年文化庁文化交流使としてイスラエルに1年間滞在、ヨーロッパ諸国で活動。「関係値から立ち上がる身体的表現」を求め領域横断的に国内外で活動を展開。俳優として日本の映
画賞を多数受賞。ダンサーとして第10回日本ダンスフォーラム賞受賞。東京2020オリンピック開会式ではオープニングソロパフォーマンスを担当。2022年神戸市にArtist in Residence KOBE(AiRK)を設立、運営に携わる。

梅田哲也(1980年生、熊本県出身)
大阪を拠点に活動。現地にあるモノや日常的な素材と、物理現象としての動力を活用したインスタレーションを制作する一方で、パフォーマンスでは、普段行き慣れない場所へ観客を招待するツアー作品や、劇場の機能にフォーカスした舞台作品、中心点を持たない合唱のプロジェクトなどを発表。先鋭的な音響のアーティストとしても知られる。2023年度にはワタリウム美術館で個展「wait this is my favorite part」を開催。同年、芸術選奨文部科学大臣新人賞、Tokyo Contemporary Art Awardを受賞。

 

同時期開催の展覧会

阪神・淡路大震災30年  企画展「1995 ⇄ 2025 30年目のわたしたち」
2024年12月21日(土)~ 2025年3月9日(日)
コレクション展Ⅲ  あれから30年-県美コレクションの半世紀
2025年1月7日(火)~ 4月6日(日)

 

開催情報

展覧会名   注目作家紹介プログラム―チャンネル15 森山未來、梅田哲也《艀(はしけ)》
会      期    2024年12月21日(土)~ 2025年3月9日(日)
開館時間    午前10時~午後6時(入場は閉館の30分前まで)
休 館 日     月曜日 [ただし1月13日(月・祝)と2月24日(月・振休)は開館、1月14日(火)と2月25日(火)は休館]、
12月29日(日)~1月3日(金)
※会期中の特定の日時に実施するツアー形式の作品を含む可能性があります。
詳しい内容やスケジュール等、最新の情報は当館ホームページにてご確認ください。
会     場     ギャラリー棟1階 アトリエ1、KOBELCOミュージアムホール他
観 覧 料     無料
主     催     兵庫県立美術館
協     賛     公益財団法人伊藤文化財団
協     力     神戸フィルムオフィス
助     成     公益財団法人中内力コンベンション振興財団

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