影の残影 / Shadow of the Shadow

影の残影 / Shadow of the Shadow

2025年7月4日(金)-9月7日(日)
京都芸術センターギャラリー北・南
https://www.kac.or.jp/
開館時間:10:00–20:00
*開館時間の短縮日:7月15日(火)~16日(水)10:00~16:00
展覧会URL:https://www.kac.or.jp/events/20250627/

 

京都芸術センターでは、Co-program2025 カテゴリーB 採択企画として、インディペンデント・キュレーターの李静文による展覧会「影の残影/Shadow of the Shadow」を開催します。

本展は、デジタル技術が私たちの知覚や記憶にまで影響を与えている現代の状況を前提に、この時代の「リアル」とは何か、「主体」とは何かを問い直します。李静文によって招聘された複数のバックグラウンドを持つ3名のアーティストJoanna Lyu、Tim Knapen、日下部浮は、映像、インスタレーション、AI技術を用いたゲームなどを提示し、現実と虚構の境界を揺さぶる作品を展開します。

出品作品に共通するのは、映像の不完全さや、断片化された記憶、そして明確には捉えられない余韻=残影です。鑑賞者はこれらの曖昧な像と対峙し、自らの知覚、解釈、想像力によって、その“影”を内側から立ち上げていくことになるでしょう。

 

Joanna Lyuはゲーム開発のバックグラウンドを持つマルチメディアアーティストです。彼女の活動はCGI、オーディオビジュアルライブパフォーマンス、インスタレーション、都市型ゲームにまで及びます。彼女は、人間、公共空間、社会的問題のつながりを探求するインタラクティブな作品づくりに関心を寄せています。彼女の作品は日本、中国、フランス、ギリシャの美術館や会場で展示されてきました。また、世界各国の建築家、プログラマー、演劇パフォーマー、作曲家と継続的にコラボレーションしています。

Joanna Lyu《Blinders》

 

Tim Knapenはベルギーの首都ブリュッセル出身のアーティスト・デザイナーです。現在、ベルギーのアントワープに拠点を置く、物理的およびデジタルインタラクションに焦点を当てたアートとデザインスタジオ「Works of Fiction」を運営しています。2007年から2020年まで、スティーブン・ホルスビーケスとアンドレアス・デポーと共にクリエイティブスタジオ「indianen」を運営していました。

Tim Knapen《infinite》

 

日下部浮は、身体が知覚する事象や現実空間に架空の名称を紐づけて再定義していくことで、私たちの暮らすこの世界にフィクショナルな位相を発生させることを得意としています。また「私たちが空間を説明するための話法」に興味があり、地図やGoogle Earthといったツールを作品のモチーフとして用いています。自身で執筆した小説や散文を基に制作を進めることが多く、作品は映像インスタレーションやZINEといった形式で発表しています。今回は京都の碁盤状の街の構造と京都で生まれた渋川春海という江戸時代の碁打ちのリサーチを元に、デジタルな地図空間を遊歩しながら、京都の街と碁盤、天文学を縦断させて語る映像作品を制作します。

日下部浮《21310403_presentation-onthequantitativeground》

 

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