遠距離現在 Universal / Remote《熊本市現代美術館》

井田大介《誰が為に鐘は鳴る》2021 年 © Daisuke Ida, courtesy of the artist

20世紀後半以降、人、資本、情報の移動は世界規模に広がりました。2010年代から本格化したスマートデバイスの普及とともに、オーバーツーリズム、生産コストと環境負担の途上国への転嫁、情報格差など、グローバルな移動に伴う問題を抱えたまま、私たちは2020年代を迎えました。そして、2020年に始まった国境のないパンデミックにより、人の移動が不意に停止されたものの、資本と情報の移動が止まる気配はありませんでした。かえって、資本や情報の本当の姿が見えてくるようになったと思えます。豊かさと貧しさ。強さと弱さ。私たちの世界のいびつな姿はますます露骨に、あらわになるようです。

展覧会タイトル「遠距離現在 Universal / Remote」は、資本と情報が世界規模で移動する今世紀の状況を踏まえたものです。監視システムの過剰や精密なテクノロジーのもたらす滑稽さ、また人間の深い孤独を感じさせる作品群は、今の時代、あるいはポストコロナ時代の世界と真摯に向き合っているようにも見えます。本展は、「Pan-の規模で拡大し続ける社会」、「リモート化する個人」を軸に、このような社会的条件が形成されてきた今世紀の社会の在り方に取り組んだ8名と1組の作品をご紹介します。

 

[出品作家]

井田大介 、徐冰(シュ・ビン) 、トレヴァー・パグレン 、ジョルジ・ガゴ・ガゴシツェ+ヒト・シュタイエル+ミロス・トラキロヴィチ 、地主麻衣子 、ティナ・エングホフ 、チャ・ジェミン 、エヴァン・ロス 、木浦奈津子

 

[展覧会情報]

会     期:2023年10月7日(土)-12月17日(日)
休  館  日:火曜日
開館時間:10:00-20:00(入場は19:30まで)
主       催:熊本市現代美術館(熊本市、公益財団法人熊本市美術文化振興財団)、熊本日日新聞社
企画協力:国立新美術館
後       援:熊本県、熊本県教育委員会、熊本市教育委員会、熊本県文化協会、熊本県美術家連盟、熊本国際観光コンベンション協会、NHK熊本放送局、J:COM熊本、エフエム熊本、FM791
観  覧  料:
一般:1,100(900)円/シニア(65歳以上):900(700)円/学生(高校生以上):600(500)円/中学生以下:無料
※( )内は前売/20名以上の団体/電車・バス1日乗車券、市電緑のじゅうたんサポーター証、熊本県立美術館友の会証、JAF会員証をご提示の方
※各種障害者手帳(身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、被爆者健康手帳等)をご提示の方とその付き添い1名は無料
※前売券は10月6日(金)まで販売
※10月12日(木)は開館記念日のため入場無料

美術館ホームページ:https://www.camk.jp/exhibition/universalremote/

《ミッション完了:ベランシージ》2019年 ジョルジ・ガゴ・ガゴシツェ、ヒト・シュタイエル、ミロス・トラキロヴィチの共同制作 展示風景:「ヒト・シュタイエル」ノイエ・ベルリナー・クンストフェライン(n.b.k.)、2019年 Courtesy the artists; Neuer Berliner Kunstverein, Berlin; Andrew Kreps Gallery, New York; Esther Schipper, Berlin. Photo © Neuer Berliner Kunstverein (n.b.k.) / Jens Ziehe

 

木浦奈津子《こうえん》2023年 © Natsuko Kiura, courtesy of the artist

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