<特別展>丸木位里・俊 ―《原爆の図》をよむ

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丸木位里・俊《原爆の図 第1部 幽霊》(再制作版・部分)1950−51年(後年に加筆) 広島市現代美術館蔵

最初にヒロシマを伝えた絵

水墨による独自の表現を探究していた広島出身の丸木位里(1901-95)と、女子美術専門学校で油彩画を学んだ北海道出身の俊(赤松俊子・1912-2000)は、1941年に結婚します。ふたりは1945年8月に原爆投下後の広島を訪れたのち、自らの体験と家族などから聞いた話をもとに《原爆の図》初期三部作である《第1部 幽霊》、《第2部 火》、《第3部 水》を制作しました。これらは報道規制が敷かれた1950年代初頭に日本全国を巡回し、いち早く人々に被爆の惨状を伝えたことで反核反戦の象徴となっていきます。《原爆の図》は、作品が担った社会的役割の大きさだけでなく、洋画家の俊による繊細な人体描写と、日本画家の位里による大胆な水墨技法が融合した表現である点においても希有な作品といえるでしょう。
本展では《原爆の図》より、初期三部作に加え、《第4部 虹》、《第5部 少年少女》とともに、《原爆の図》の需要が高まる全国巡回展中につくられた初期三部作の「再制作版」を同時にご覧いただきます。丸木位里と俊、それぞれがこれらの作品の前後に単独で制作した作品もあわせて紹介し、ふたりの画業の連続性のなかで、《原爆の図》にみられる絵画的表現の試みを読み解きます。

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会期:2018年9月8日(土)-11月25日(日)
開館時間:10:00-17:00 ※入場は閉館の30分前まで
休館日:月曜(9/17、24、10/8除く)、9/18(火)、9/25(火)、10/9(火)
観覧料:一般1,000(800)円、大学生700(600)円、
高校生・65歳以上500(400)円、中学生以下無料
※11月3日(文化の日)は全館無料
※( )内は前売り及び30名以上の団体料金
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丸木俊《裸婦(解放されゆく人間性)》1947年 個人蔵
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丸木位里《馬(部分)》1939年 原爆の図丸木美術館蔵
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丸木位里・俊 『ピカドン』1950年 原爆の図丸木美術館蔵

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