10月6日-1月14日「Flash 1979/1988」展【ARC】

 

会期 2018年10月6日[土]-2019年1月14日[月・祝]
会場 ハラ ミュージアム アーク 現代美術ギャラリー

原美術館が開館した1979年と、ハラ ミュージアムアークが開館した1988年
その両年に焦点をあて、それぞれの年に制作された作品をご紹介いたします。


大竹伸朗「網膜  #2 (紫影)」(1988-90年)ⓒShinro Ohtake

ハラ ミュージアム アークは創設30周年を迎えました―
1979年、全国的な美術館設立ブームに先駆けて、原美術館(東京都品川区)は創設されました。その別館としてハラ ミュージアム アーク(群馬県渋川市)が開館したのは1988年、元号が昭和から平成へと変わる前年、いまから30年前のことでした。本展では、このふたつの年にスポットを当て、両年に生み出された作品の数々を、原美術館コレクションより展観いたします。

 

1979年、原美術館の歴史とともに歩んできた作品たち

 
(左)李 禹煥「線より」(1979年)ⓒ Lee Ufan
(右)クリスト&ジャンヌ=クロード「パリの橋、ポン=ヌフのプロジェクト」(1979年)ⓒChrist

原美術館は、当時、日本では稀有な私立の現代美術専門館として、1979年、東京都品川区の閑静な住宅街に開館しました。1938年建造の、モダニズム建築のスタイルを取り入れた個人邸宅(設計:渡辺仁)を再生した独特の空間で、同時代の先端のアートに出会う場を目指し、さまざまな企画展、イベント、教育普及プログラムを開催し、国際交流を推進してきました。
開館当時は、第二次オイルショックにより高度成長が終焉を迎え、人々の価値観が「物質的な豊かさ」から「精神的なゆとり」へとシフトしてゆく過渡期にあたります。美術の分野では、コンセプチュアルな作品への志向が強まり、60年代に興隆したミニマルアートや、李 禹煥に代表される「もの派」の芸術活動は、70年代の隆盛を経て、「ポストもの派」や「ニューウェーブ」と称される動向へと展開してゆきました。
また、絵画や彫刻の概念が拡張していったこの時期、環境問題への関心と相まって、屋外での大規模なインスタレーション作品も生まれるようになりました。例えばクリストとパートナーのジャンヌ=クロードは、海岸線などの自然の地形や、橋などの公共建造物を布で覆う大型のプロジェクトを次々と成功させています。

 

1988年、ハラ ミュージアム アーク開館の年に制作された作品群

 
(左)アンゼルム キーファー「メランコリア」(1988年)ⓒAnselm Kiefer
(右)ルイーズ ニーヴェルスン「鏡 – 影  XXXX1X」(1988年)ⓒLouise Nevelson

ハラ ミュージアム アークは、時代の変遷とともに多様化してゆく表現形態に対応し、大型の企画展の開催や原美術館コレクションを展示するための場として、1988年、群馬県渋川市に誕生しました(設計:磯崎新)。2008年には特別展示室 觀海庵を増築し、古美術と現代美術の取り合わせといった、新たな美の可能性を追求しています。
30年前の日本はバブル絶頂期、翌1989年には昭和から平成へ元号が変わるなど、大きな変革の渦中にありました。また同時期のベルリンの壁の崩壊は、世界に大きな衝撃を与えています。このような不安定な社会情勢と、その反面にある好景気の後押しもあり、美術の分野では、それまで主流だった禁欲的で観念的なコンセプチュアルアートに反動する形で新表現主義が台頭してゆきました。例えばドイツ出身のアンゼルム キーファーは、古代神話、宗教、ナチスドイツといった自国の歴史に主題を求める作品を多く発表し、その代表と目されています。
また、 ルイーズ ニーヴェルスンは、はじめは絵画を学びましたが、次第に木製の廃材を寄せ集めた立体を黒や金などの一色で全体を塗装したレリーフ状の作品へとスタイルを変化させてゆきます。色彩や感情豊かな具象絵画の再生同様、表現の多様化の傾向は世界各国で同時発生的に起こり、国境や文化の違いを越えて影響しあい広まってゆきました。

出品作家:アンゼルム キーファー/イケムラレイコ/オノサトトシノブ/大竹伸朗/操上和美/クリスト/トム ウェッセルマン/野田裕示/フラビオ シロー/真木智子/宮島達男/黎 志文/李 禹煥/ルイーズ ニーヴェルスン など
長期展示作家:草間彌生/束芋
出品作品数:約30名、約40点。常設作品、長期展示作品を除く。

【開催概要】
展覧会名  Flash(フラッシュ) 1979/1988
会  期   2018年10月6日[土]-2019年1月14日[月・祝]
会  場   ハラミュージアム アーク 現代美術ギャラリー
〒377-0027 群馬県渋川市金井2855-1
Tel. 0279-24-6585、 E-mail. arc@haramuseum.or.jp
開館時間  9:30 am – 4:30 pm(入館は4:00 pmまで)
休 館 日  木曜日(1月3日は開館)、12月4日‐7日、12月11日‐14日、1月1日
入 館 料  一般1,100円、大高生700円、小中生500円
※「いのち・いのり」展(特別展示室 觀海庵)も併せてご覧いただけます。
■原美術館メンバーシップ会員無料、70歳以上半額、20名様以上団体割引。学校団体は特別料金規定あり。
■伊香保グリーン牧場とのセット券:一般1,800円、大高生1,500円、中学生1,400円、小学生800円
■群馬県内の小中学生は学期中の土曜の入館無料。ぐーちょきパスポートのご提示により5名様まで入館料各200円割引。群馬県民の日(10月28日)は県内在住の大学生以下の方は無料、先着20名様にオリジナルポストカードセットをプレゼントします。

交通案内  JR上越線「渋川駅」より(上越・北陸新幹線利用の場合は「高崎駅」で上越線に乗り換え)伊香保温泉行きバスにて約15分、「グリーン牧場前」下車、徒歩7分。「渋川駅」よりタクシーで約10分。車の場合、関越自動車道「渋川・伊香保I.C.」より8km、約15分。無料駐車場あり。

【WEB】 http://www.haramuseum.or.jp
【mobile】http://mobile.haramuseum.or.jp
【twitter】http://twitter.com/HaraMuseumARC
【BLOG】http://www.art-it.asia/u/HaraMuseum/

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