本と美術の展覧会vol.6 なぞる。@ 太田市美術館・図書館

(参考)大城夏紀《この窓から見える庭1》(部分)2024年 アクリル絵具、レーザー彫刻、木製パネル 撮影:西山功一

 

本と美術の展覧会vol.6 なぞる。
2026年7月18日(土)–9月6日(日)
太田市美術館・図書館
https://www.artmuseumlibraryota.jp/
開館時間:10:00–18:00(展示室への入場は17:30まで)
休館日:月(ただし、7/20は開館)、7/21、7/28、8/25
展覧会URL:https://www.artmuseumlibraryota.jp/post_artmuseum/193199.html

 

太田市美術館・図書館では、文学作品など、言葉によって媒介された対象を「なぞる」ことで生み出された作品をとりあげる展覧会「本と美術の展覧会vol.6 なぞる。」を開催する。

「本と美術の展覧会」は、本と美術が交差する複合施設としての同館の特性を生かしたシリーズで、本展はその第6回にあたる。ここでいう「なぞる」とは、対象をそのまま模倣することではなく、言葉によって媒介された対象をたどり、解釈して受け取り、異なるメディアによって語り直す行為を指す。出品する3人のうち、大城夏紀と折笠良は文学作品を、松元悠は社会に広まる事件のニュースを対象とし、絵画、インスタレーション、アニメーション、リトグラフ、漫画など、その表現方法は多岐にわたる。インターネットが普及し、SNSでつながることと生活が分かちがたくなった昨今、言葉やイメージはまたたく間に消費され、アルゴリズムの中に組み込まれて次なる消費へと誘われていく。こうした状況の中で本展は、言葉とそれによるイメージの現れ方にゆっくりと向き合い、言葉の持つ想像/創造性にあらためて想いを寄せる機会となる。

 

折笠良《『落書』ドローイング》2023年 紙、鉛筆、水彩
松元悠《イメージのあなた(野洲)》2026年 リトグラフ、BFK紙

 

大城夏紀(1985年東京都生まれ)は、古典文学などから読み取った情景を色や形、模様へと変換・展開し、平面や立体、それらによるインスタレーションを発表してきた。言葉が媒介する情景は、パステルカラーを基調とした色彩と抽象的な形、反復する模様へと置き換えられ、壁面にも浸食しながら見る者を空間ごと包み込む。早稲田大学第二文学部表現・芸術専修、阿佐ヶ谷美術専門学校絵画表現科、東京造形大学大学院造形研究科美術研究領域で学び、近年の日本での個展に「project N94 大城夏紀」(東京オペラシティ アートギャラリー)などがある。2025年には文化庁新進芸術家海外研修制度によってKünstlerhaus Bethanien(ベルリン)に滞在し、現在はベルリンと神奈川県を拠点に制作している。本展では、館内の全長15m、高さ4.5mのスロープの壁面にまでおよぶ絵画空間を展開するほか、作品に現れる模様を型にした、フロッタージュ(こすり出し)の技法によるセルフ・ワークショップを会期中常設する。

折笠良(1986年茨城県生まれ)は、文学作品を題材に、多様な技法を用いてアニメーション作品を制作してきた。書かれた文字とその体裁、意味を持ち、イメージを湧出させる言葉、それを発話したときのリズムや抑揚、作者の背景などを丹念に読み込み、咀嚼したうえで、その都度の最適な技法によって映像へと結実させる。茨城大学教育学部、イメージフォーラム映像研究所、東京藝術大学大学院映像研究科で学び、《水準原点》が2016年に「第70回毎日映画コンクール」で大藤信郎賞を、《みじめな奇蹟》が2023年に「オタワ国際アニメーション映画祭」でグランプリを、《落書》が2025年に「アヌシー国際アニメーション映画祭」でオフリミッツ賞を受けるなど、国内外の映画祭や展覧会で高い評価を得てきた。本展では、詩人の高柳誠による詩「落書」を題材としたアニメーション《落書》について、その構想段階のドローイングや原画、オブジェが初めて展示され、映像の中で動き、変化していく言葉や線を、実体としても見ることができる。

松元悠(1993年京都府生まれ)は、2021年より関西を拠点に法廷画家としても活動しながら、実際に起きた事件の顛末をたどることで新たなイメージを得て、そこに当事者の代わりに自画像を挿入したリトグラフなどを発表してきた。情報を自らの身体を通してなぞることで、現実と非現実(想像)とが混在する作品を生み出している。京都精華大学芸術学部メディア造形学科版画コース、京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻版画で学び、近年の個展に「チャンネル16 松元悠 夢」(兵庫県立美術館、2025)がある。2025年に「Kyoto Art for Tomorrow 2025 ―京都府新鋭選抜展―」で優秀賞、2026年に「第3回絹谷幸二芸術賞」で審査員特別賞を受けた。本展では、インターネットやSNSで拡散される断片的な情報を元に、自身の身体で事件の経緯をたどって制作したリトグラフとともに、その過程を記した短編漫画を展示する。

 

(参考)大城夏紀「この窓から見える庭」(KOMAGOME1-14cas)展示風景 2024年 撮影:西山功一
松元悠《いつものタワマン》2025年 リトグラフ、BFK紙
折笠良《落書》2025年 アニメーション 12分33秒 ©2025 Yanai Initiative

 

関連イベント
出品作家3名による「なぞる。」をめぐる座談会
2026年7月25日(土)14:00–15:30
会場:太田市美術館・図書館 3階視聴覚ホール
登壇:大城夏紀、折笠良、松元悠
対象・定員:どなたでも・50名
参加料:無料(要観覧券、要事前申込)
申込フォーム:https://www.artmuseumlibraryota.jp/nazoru1/
※7月17日締切

こどもアートさんぽ
2026年8月2日(日)11:00–(40分程度)
会場:太田市美術館・図書館
対象・定員:小学生10名と保護者(保護者は2名まで)
参加料:無料(おおた家庭の日につき、保護者も無料、要事前申込)
申込フォーム:https://www.artmuseumlibraryota.jp/nazoru2/
※7月24日締切

担当学芸員によるギャラリートーク
2026年8月9日(日)11:00–(40分程度)
会場:太田市美術館・図書館
対象・定員:どなたでも・10名
参加料:無料(要観覧券、要事前申込)
申込フォーム:https://www.artmuseumlibraryota.jp/nazoru3/
※7月31日締切

あかちゃんと楽しむ美術館
2026年8月29日(土)13:30–14:30
会場:太田市美術館・図書館
対象・定員:3〜12カ月の赤ちゃんとその保護者(保護者は2名まで)・5組
参加料:無料(保護者は要観覧券、要事前申込)
申込フォーム:https://www.artmuseumlibraryota.jp/nazoru4/
※8月14日締切

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