台北ビエンナーレ2027のキュレーターが決定

The curator of Taipei Biennial 2027, Cecilia Alemani, image courtesy of The High Line and Taipei Fine Arts Museum, Photo: Liz Ligon.

 

2026年6月4日、台北市立美術館は、第15回台北ビエンナーレ2027のキュレーターに、ニューヨークを拠点とするキュレーターのチェチリア・アレマーニ(Cecilia Alemani)を任命したと発表した。アレマーニにとっては自身初となるアジアでのキュレーションとなる。

台北ビエンナーレは1998年に台北市立美術館の主催で始動して以来、台湾と国際的なアートコミュニティとのあいだに批評的な対話をうながすプラットフォームを築いてきた。実験性と知的交流への一貫した姿勢の下、社会、政治、生態系、テクノロジーといった同時代を形づくる切実な問いに向き合い続けている。

台北市立美術館館長のロー・リーチェン[駱麗真]は、「台北ビエンナーレは、これまでグローバルな芸術の潮流とアジア固有の歴史的・文化的な地勢とが交わる重要な結節点となってきました」と語り、その上で「歴史的な問いと現代の緊急性とを結びつけ、アーティストと観客の双方に細やかな目を向けるアレマーニの視点が、台北固有の風景を尊重しつつ、地域の観客と世界のアーティストとのあいだに切実な対話を生み出すだろう」と期待を寄せる。アレマーニは、現代美術をめぐる言説を形づくってきた台北ビエンナーレの歴史に触れ、創造的な表現と文化的なレジリエンスの場として国際展が担う役割の重要性を語り、「台湾のアートコミュニティとともに国境を越えて深く響き合う展覧会をつくりたい」と抱負を述べている。

チェチリア・アレマーニ(1977年ミラノ生まれ)は、歴史的に周縁化されてきた声、とりわけ女性作家や十分に注目されてこなかった実践に光を当てることに継続的な関心を寄せ、歴史と現代の双方を往還しながら、文化や記憶、アイデンティティ、想像力をめぐる支配的な物語を問い直すキュレーションを手がけてきた。2011年よりニューヨークのハイラインが手がける公共アートプログラム「ハイライン・アート」のディレクター兼チーフ・キュレーターを務め、エル・アナツイ、バーバラ・クルーガー、シモーヌ・リー、フェイス・リンゴールド、エド・ルシェをはじめとする作家による大規模なプロジェクトを数多く委嘱・実現し、モニュメンタルな現代彫刻を屋外で発表する委嘱プログラムなどを通じて、市民が集う実験と対話の場としての公共アートの可能性を押し広げてきた。

2022年には第59回ヴェネツィア・ビエンナーレのアーティスティック・ディレクターを務め、シュルレアリスムの作家であるレオノーラ・キャリントンの著作に着想を得て、同運動をあらためて捉え直した「The Milk of Dreams(夢のミルク)」を企画。58の国と地域から213名の作家が参加し、参加作家のおよそ9割を女性作家が占めた同展は、身体の変容、人間とテクノロジーの関係、人間と地球との結びつきを問い、80万人を超える来場者を集めた。日本にゆかりのある作家としては、笹本晃やルース・アサワ、池田龍雄、工藤哲巳らが名を連ねている。このほか、2018年には第1回アートバーゼル・シティーズ ブエノスアイレスのアーティスティック・ディレクターを、2017年には第57回ヴェネツィア・ビエンナーレのイタリア館のキュレーションを担当。ニューヨークのフリーズ・プロジェクツ(2012-2017)を手がけたほか、各地の美術館や非営利機関で展覧会を企画してきた。ミラノ大学で哲学を学び、ニューヨークのバード・カレッジでキュレトリアルスタディーズセンターで修士号を取得。近年も、第12回サイト・サンタフェ・インターナショナル「Once Within A Time」(2025)を手がけ、2026年秋にはパリの新しいアートセンター「LARGE」のオープニング展、ミラノ・トリエンナーレでのコスタンティーノ・ニヴォラの大規模な回顧展などが控えている。

 

台北ビエンナーレ2027
2027年開催予定
会場:台北市立美術館
キュレーター:チェチリア・アレマーニ
https://www.taipeibiennial.org/

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