フライヤーデザイン:牧寿次郎
Dialectical Landscape/弁証法的風景
2026年6月20日(土)–8月16日(日)
Art Center NEW
https://artcenter-new.jp/
開館時間:12:00–20:00
休館日:水、木
キュレーター:秋葉大介
コンセプト原案:平倉圭(芸術理論家)
展覧会URL:https://artcenter-new.jp/dialectical-landscape/
Art Center NEWでは、「アースワーク」をキーワードに人間と大地の関わりを問い直すグループ展「Dialectical Landscape/弁証法的風景」を開催する。
本展における「アースワーク」は、1960年代以降に展開した大地を素材とする芸術作品にとどまらず、堆積や浸食といった大地自体の造形作用と、掘削や埋戻し、あるいは彫像・塑像といった人間の造形作用とが応答し合う場として、より広く捉えられている。トンネルや堤防などの土木構造物もそこに含まれ、自然と人為とが交差する地点に焦点を当てる。会場となるArt Center NEWは、みなとみらい線新高島駅の構内に位置している。この空間は、約1万年前以降の温暖化による海水面の上昇によって海となり、明治期には鉄道建設などのために埋め立てられて陸となり、のちに地下鉄駅を築くため大きく掘削されてきた。地下水位を下回るその壁面からは、いまもなお地下水がしみ出しており、空間そのものが、ひとつの「アースワーク」として動きつづけている。
石﨑朝子《CITY OF A/M/P》2024 水性樹脂,アルミ,木材 photo by Kabo
ロバート・スミッソン《Spiral Jetty》1970 ユタ州グレートソルトレイク、泥、析出した塩の結晶、岩、水 全長457.2m 幅4.6m Collection of Dia Art Foundation Photograph: Gianfranco Gorgoni,1970 ©Holt/Smithson Foundation and Dia Art Foundation / Licensed by Artists Rights Society, New York
都市と芸術の応答体 秋のRAU試 2021 撮影:なかむら まゆ
こうした広義の「アースワーク」を視座に据える本展では、人間と大地、サイトとノンサイト、物質と観念といった、さまざまな近代的な二項対立を横断し、それらが対話する風景を横浜から眺めようとする。あわせて、いわゆる芸術作品ではない造形物も展示する。展覧会のタイトルは、ロバート・スミッソンのテキスト「Frederick Law Olmsted and the Dialectical Landscape」に由来し、企画の構想は、2025年に同会場で芸術理論家の平倉圭を招いて行なわれたゲストトーク「知覚、地下、新しさ」を下敷きとしている。
出品作家は次の10組。制作地で採取した土や水による「泥絵」や、マスキングテープにマーカーで描く「マスキング・プラント」など、さまざまな素材と技法で絵を描き続ける淺井裕介。手持ちの虫眼鏡で太陽光を集め、漂流木や日常的な木製品の表面を焦がして線を刻む手法で知られるロジャー・アックリング。過剰な検出を行なう認知機能(HADD)と制作行為を結びつけ、慣習や特定の価値体系の影響下にある行動・表現からの離脱を目指す「メソドグラファー」を自称する伊阪柊。彫刻や映像、写真を用い、都市に身を置いて身体的に観測することや、街中に残る痕跡の収集を起点に、その風景に潜む別の見方を立ち上げる石﨑朝子。地質学や風景、エントロピーの概念への関心を背景に、1960年代後半から自然環境を舞台とするランド・アートを展開したロバート・スミッソン。自身の身体によって環境に働きかけるパフォーマンスや立体、映像などをとおして、物質や身体に限界までエネルギーを加え「変化する意識」について思考する高橋臨太郎。建築家の藤原徹平と芸術理論家の平倉圭が2020年に立ち上げ、ジャンルを越えた学びと試作の場をつくるラーニング・コレクティブ、都市と芸術の応答体。自然と文化、身体と環境といった近代的な思考を支える二項対立とそこに潜むあいまいさに関心を寄せ、近年は食をめぐるビデオエッセイやコース料理形式のパフォーマンスを発表する永田康祐。レンタサイクルを駆使し、産業廃棄物処理業者や土木建築業者が集まる場所をめぐって、無意識あるいは意識の不徹底が引き起こした事故のような風景を撮影する百頭たけし。鉄や木材を使った立体作品を手がけ、2006年から横浜・中山の森で「森の保全と表現」の実験的な取り組みを続ける吉川陽一郎。
淺井裕介《大地の星座(風の王の使い)》2024 ラダックの日干しレンガ、石灰
永田康祐《鮭になる/鮭になる方法》2024 4Kシングルチャンネルビデオ、14分15秒 写真:冨田了平、提供:十和田市現代美術館
百頭たけし 無題 2025 ピグメントプリント
関連イベント
オープニングパーティ
2026年6月20日(土)18:00–20:00
会場:Art Center NEW
平倉圭 ゲストレクチャー
2026年6月21日(日)15:30–16:15
会場:Art Center NEW
参加費:無料(要展覧会入場料)
※レクチャー後のフィールドウォークは、RAU2026メンバー以外は参加不可
ロジャー・マクドナルド ゲストレクチャー+トーク
2026年7月25日(土)14:00–15:30
会場:Art Center NEW
参加費:無料(要展覧会入場料)
Roger Ackling《Voewood》2003 木材に太陽光、ピン、輪ゴム 28.1cm×4.3cm×3cm Collection of CW McDonald
伊阪柊《CeCeCe∵Tokamakom》2025 リアルタイム映像、ウェブカメラ
高橋臨太郎《scale hi(ə)r》2019 映像
吉川陽一郎《地球の上をグルグル回る》2021 鉄