出光真子《Still Life》1993–2000年 ミクストメディア 東京都写真美術館蔵 ©Mako Idemitsu
出光真子 おんなのさくひん――ある映像作家の自伝
2026年6月18日(木)–9月21日(月・祝)
東京都写真美術館
https://topmuseum.jp/
開館時間:10:00–18:00(木、金は20:00まで、ただし8/6-8/28までの木、金は21:00まで)入館は閉館30分前まで
休館日:月(ただし、7/20、9/21は開館)、7/21
展覧会担当:田坂博子(東京都写真美術館学芸員)、遠藤みゆき(東京都写真美術館学芸員)
展覧会URL:https://topmuseum.jp/exhibition/5417/
東京都写真美術館では、日本における実験映画およびビデオアートの先駆的存在として知られるとともに、近年、ジェンダーや身体をめぐる国際的な議論の高まりのなかで改めてその実践が注目されているアーティスト、出光真子の創作活動の全貌を振り返る大規模回顧展「出光真子 おんなのさくひん――ある映像作家の自伝」を開催する。
出光興産創業者・出光佐三の四女に生まれた出光真子(1940年東京生まれ)は、お茶の水女子大学附属小・中・高から早稲田大学第一文学部に進み、卒業後にニューヨークへ留学。画家のサム・フランシスと結婚し、二児の母となるも、妻であり母であることを超える創造表現への想いやみがたく、映像作家の道を歩み、自身の経験からフェミニズムをベースに、家庭における親と子、表現者として女性が生きる際の社会的摩擦などを問いつづけた。とりわけ1970年代以降のビデオ作品では、テレビ・メロドラマの語法を取り入れながら、母と子、夫婦関係、女性の社会的役割といったテーマを独自の視点から描き出した。また映像表現においても、フィルムからビデオ、さらにインスタレーションとそれぞれのメディアの特性を活かした多彩な映像を生み出した。16mmフィルムの〈At〉シリーズでは、日米を行き来する出光自身の心象風景を繊細に描写し、ビデオ作品では、画面内に別のモニターを映し込む「マコスタイル」など、ビデオならではの手法を展開。80年代には、テレビドラマのように物語性を積極的に採り入れた形式へと表現を発展させていった。1970年代中頃より国内外の数々の展覧会や上映会で作品を発表。その著書に『ホワット・ア・うーまんめいど─ある映像作家の自伝』(岩波書店、2003)、『ホワイトエレファント』(風雲舎、2011)などがある。
出光真子《Woman’s House》1972年 東京都写真美術館蔵 ©Mako Idemitsu
出光真子《At Yukigaya 2》1974年 東京都写真美術館蔵 ©Mako Idemitsu
出光真子《おんなのさくひん》1973年 東京都写真美術館蔵 ©Mako Idemitsu
東京都写真美術館では、2018年の第10回恵比寿映像祭「インヴィジブル」にて、16mmフィルムの《At Yukigaya 2》(1974)を展示するとともに、「不可視であるなら、私が。 出光真子おんなのさくひん」と題した上映プログラムを構成し、1972年にロサンゼルスでジュディ・シカゴとミリアム・シャピロが企画し、数多くのアーティストが参加したフェミニスト・アート・プログラム「ウーマンズハウス」を記録した《Woman’s House》(1972)、白黒オープンリール機材を用いて、トイレに浮かぶ使用済みタンポンを撮影した《おんなのさくひん》(1973)、出光自身が出演し、主婦の日常を長回しで捉えた《主婦の一日》(1977)、独立した息子に執着する母を描き、日本における、子の自立を母自身が阻害するような関係性を考察した《英雄ちゃん、ママよ》(1983)などを紹介している。また、2016年~2017年度には、出光のフィルム/ビデオ全作品および主要なインスタレーション作品を収蔵した。
本展は、展覧会と上映プログラム(一部作品はニュープリントによる16mmフィルム上映)を組み合わせ、同館が収蔵する全作品を一挙に公開し、フィルム時代の作品から、ビデオアートの黎明期における独自の映像世界まで、体系的に総覧する貴重な機会となる。なかでも、東京都写真美術館では、出光が制作した全8点のインスタレーション作品のうち3点を収蔵。本展では、作家蔵の2点をあわせた計5点のインスタレーションを展示室内外に展開する。
なお、映像作品を中心とした本展に際し、東京都写真美術館では、鑑賞済みチケットの提示によるリピート割および上映割(チケット1枚につき1回限り)や、8月中の木・金曜日は閉館時間を21時、17時以降の入館は割引となる夜間特別開館を実施する。
出光真子《英雄ちゃん、ママよ》1983年 東京都写真美術館蔵 ©Mako Idemitsu
出光真子《Real? Motherhood》2000年 東京都写真美術館蔵 ©Mako Idemitsu 展示風景「私がつくる。私をつくる。」The Third Gallery Aya、2000年 撮影:松岡広樹
出光真子《直前の過去》2004年 東京都写真美術館蔵 ©Mako Idemitsu、展示風景「アジアをつなぐ―境界を生きる女たち1984‐2012」栃木県立美術館、2004年 撮影:市原隆行
関連イベント
上映 ※出光真子の40作品を9つのプログラムで上映
2026年6月18日(木)–6月20日(土)
7月9日(木)–7月12日(日)
8月27日(木)–8月30日(日)
9月17日(木)–9月20日(日)
会場:東京都写真美術館 1階ホール
定員:190名
料金(1プログラム):一般・シニア 500円|学生・高校生以下 無料
※本展チケット持参で、1プログラムを400円で鑑賞可(チケット1枚につき1回限り)
ゲストによるトーク
2026年6月20日(土)16:00–
登壇者:笠原美智子(写真評論家、長野県立美術館館長)×小勝禮子(美術史、美術批評)
会場:東京都写真美術館 1階ホール
定員:190名
参加費:無料
※手話通訳、文字表示支援付き
※当日10:00より1階総合受付にて整理券配布
ゲストによるトーク
2026年7月11日(土)16:00–
登壇者:斉藤綾子(映画研究者)×菅野優香(映画研究者、同志社大学大学院教授)
会場:東京都写真美術館 1階ホール
定員:190名
参加費:無料
※手話通訳、文字表示支援付き
※当日10:00より1階総合受付にて整理券配布
ゲストによるトーク
2026年9月19日(土)16:00–
登壇者:柚木麻子(小説家)×伊藤春奈(編集者、文筆家)
会場:東京都写真美術館 1階ホール
定員:190名
参加費:無料
※手話通訳、文字表示支援付き
※当日10:00より1階総合受付にて整理券配布
担当学芸員によるギャラリートーク
文字表示支援付き|2026年6月26日(金)14:00–
手話通訳付き|2026年7月24日(金)、8月21日(金)、9月18日(金)各日:14:00–
※展覧会チケット(当日有効)を持参し、2階展示室入口に集合
