ヴォルフガング・ティルマンス《ザ・コック(キス)》2002年 テート美術館蔵 © Wolfgang Tillmans, Courtesy of Maureen Paley, London; Galerie Buchholz; David Zwirner, New York
テート美術館 ― YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート
2026年6月3日(水)–9月6日(日)
京都市京セラ美術館 新館 東山キューブ
https://kyotocity-kyocera.museum/
開館時間:10:00–18:00(入場は閉場30分前まで)
休館日:月(ただし、7/20は開館)
展覧会URL:https://www.ybabeyond.jp/
京都市京セラ美術館では、1980年代後半から2000年代初頭にかけて制作された英国美術に焦点を当てる企画展「テート美術館 ― YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート」を開催する。東京・六本木の国立新美術館での開催(2月11日〜5月11日)に続く巡回となる本展は、テート美術館が同館のコレクションを中心に編成し、50名を超える作家による約90点の作品をとおして、90年代の英国美術の革新的な創作の軌跡を多角的に検証する企画となる。なお、京都展は東京展と一部展示内容が異なる。
サッチャー政権時代(1979-1990)を経た緊張感漂う英国社会では、既存の美術の枠組みを問い、作品の制作や発表において実験的な試みを行なう作家たちが数多く登場した。1988年8月、ロンドン大学ゴールドスミス・カレッジで学んでいたダミアン・ハーストは、ロンドン東部の倉庫街で学生や卒業生の作品を発表する展覧会「フリーズ」展を企画。ハーストや同世代の作家たちは、新たな視点で素材を選び、制作し、発表の機会を積極的に開拓していった。1992年に『アート・フォーラム』誌上で美術史家のマイケル・コリスは彼らを「ヤング・ブリティッシュ・アーティスト(YBA)」と呼び、そののちサーチ・ギャラリーで開催された同名の展覧会によりYBAの呼称は広く知られるところとなった。1991年にはサーペンタイン・ギャラリーで「ブロークン・イングリッシュ」展が開催され、YBAの作家たちが公的な場で発表する機会を得るとともに、1997年にはロイヤル・アカデミーで開かれた「センセーション」展が大きな社会現象に発展。当時の若い作家たちの自由な活動をとおして、90年代の英国のアートシーンは世界的な注目を集めるようになっていった。
トレイシー・エミン《なぜ私はダンサーにならなかったのか》1995年、テート美術館所蔵 © Tracey Emin
ダミアン・ハースト《後天的な回避不能》1991年 テート美術館蔵 Photographed by Prudence Cuming Associates© Damien Hirst and Science Ltd. All rights reserved, DACS & JASPAR 2026 G4170
本展では、テート美術館コレクション部門ディレクター兼キュレーターのグレゴール・ミューアと、テート・ブリテン現代美術部門キュレーターのヘレン・リトルのキュレーションの下、英国美術の一時代を従来の美術史的な枠組みを越えて掘り下げる。1990年代初頭から中盤にかけて、ジェイク&ディノス・チャップマン、ケリス・ウィン・エヴァンス、ゲイリー・ヒューム、サム・テイラー=ウッドらをとりあげる先駆的なビデオプログラムやグループ展を数多く企画し、YBAの作家たちと親交を深めながらその動向を記録してきたミューアと、テート・ブリテンで20世紀および現代の英国美術を専門としてきたリトルが、それぞれの視点を持ち寄り、本展を編成している。
出品作家は、ダミアン・ハースト、ジュリアン・オピー、ルベイナ・ヒミド、トレイシー・エミン、ヴォルフガング・ティルマンスといった、のちに世界のアート史に名を刻むこととなる作家たちをはじめ、フランシス・ベーコン、コーネリア・パーカー、マーク・ウォリンジャー、サラ・ルーカス、ジェレミー・デラー、マーク・レッキー、グレイソン・ペリー、マイケル・クレイグ=マーティン、レイチェル・ホワイトリードに至るまで多岐にわたる。YBAをはじめとする作家たちとその同時代のアーティストたちは、大衆文化、個人的な物語、社会構造の変化などをテーマとしながら、絵画、彫刻、写真、映像、インスタレーションなど多様な手法を用いて独創的な作品を発表してきた。アート、音楽、ファッションが相互に呼応しながら革命的なムーブメントを生み出した時代の熱気を伝える機会となる。なお、会期中には学芸員によるギャラリートークのほか、ブラック・オーディオ・フィルム・コレクティヴ《ハンズワースの歌》の特別上映会が開催される。
サラ・ルーカス《煙草のおっぱい(理想化された喫煙者の椅子Ⅱ)》1999年、テート美術館所蔵 ⓒ Sarah Lucas. Courtesy Sadie Coles HQ, London
グレイソン・ペリー《私の神々》1994年、テート美術館所蔵 © Grayson Perry. Courtesy the artist and Victoria Miro
関連イベント
オープニング・トーク ※逐次通訳あり
2026年6月3日(水)18:30–19:30(受付 18:15)
会場:京都市京セラ美術館 東山キューブ エントランスロビー
登壇:テッド・マクドナルド=トゥーン(テート美術館 国際連携部長)
聞き手:土屋隆英(京都市京セラ美術館 学芸企画課長)
定員:100名(事前申込、先着順)
料金:無料(要展覧会観覧券)
申込:https://art-ap.passes.jp/user/e/20260627_talkevent/
学芸員によるギャラリートーク
日本語回:2026年6月16日(火)、7月22日(水)、8月19日(水)各回14:00–15:00
中国語回:2026年7月9日(木)、7月29日(水)各回14:00–15:00
会場:京都市京セラ美術館 新館 東山キューブ
定員:20名(予約不要・先着順、開催30分前より新館東山キューブ チケットカウンター付近で受付)
料金:無料(要未使用の展覧会観覧券)
特別上映会「ブラック・オーディオ・フィルム・コレクティヴ《ハンズワースの歌》」
2026年7月5日(日)第1回 13:30–14:35/第2回 15:00–16:05/第3回 16:30–17:35
会場:アップリンク京都(京都市中京区「新風館」地下1階)※美術館と別会場
料金:無料(要展覧会観覧券)
申込:https://kyoto.uplink.co.jp/event/2026/25869(6月3日(水)10:00受付開始、先着順)
コーネリア・パーカー《コールド・ダーク・マター:爆発の分解イメージ》1991年 テート美術館蔵 Photo: Tate © Cornelia Parker. Courtesy Frith Street Gallery, London