Upcoming: クリスチャン・マークレー|LISTENING

Christian Marclay, Concentric Listening (Red and Blue), 2024

 

クリスチャン・マークレー|LISTENING
2026年4月4日­(土)- 6月30日(火)
12:00–19:00
日 / 月 / 祝日休廊
[レセプション:4月4日­(土)17:00–19:00]

この度ギャラリー小柳では、2026年4月4日(土)から6月30日(火)の会期で、クリスチャン・マークレーによる個展「LISTENING」を開催いたします。

クリスチャン・マークレーは1955年アメリカ・カリフォルニア生まれ。スイス・ジュネーヴで育ち、ボストンのマサチューセッツ芸術大学とニューヨークのクーパー・ユニオンに学びました。1979年にレコードとターンテーブルを楽器として用いたパフォーマンスを開始。実験音楽の分野で先駆的存在となります。1980年代以降は即興的なパフォーマンスのほか、聴覚と視覚の結びつきを探る作品を映像、写真、彫刻、絵画、版画などのメディアを往還してつくり続けています。2011年のヴェネチア・ビエンナーレでは《The Clock》で金獅子賞を受賞。日本においては2021年に東京都現代美術館で「クリスチャン・マークレー トランスレーティング[翻訳する]」を開催しました。

1996年にギャラリー小柳との協働を始めて以来、4回目の個展となる今回の展覧会では、前回2021年の個展「Voices」と同様、マークレーのオリジナル・コラージュで展示を構成。コラージュの新作シリーズ〈Concentric Listening〉と〈Eccentric Listening〉を発表いたします。またマークレーのアイコンと言えるレコードジャケットを用いた新シリーズ〈Oculi〉の最新作を展示いたします。

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コラージュは常にマークレーの方法論の基盤にありました。映像やサウンド、紙の作品において、マークレーはDJのように音楽や映画、マンガやコミック、雑誌のイメージといったポップカルチャーの断片をサンプリングし、つなぎ合わせます。覆い被せたり、切り取ったり、再構成することにより、観る者の想像力を喚起するのです。

マークレーのコラージュの新作シリーズは、「LISTENING」すなわち聴くという行為を中心に据えています。音楽あるいは音を聴く行為は、長年にわたりマークレーの創作活動を形作ってきました。音と映像の境界をあいまいにして、それらがひとつの知覚の領域のなかで機能するように仕向けてきたのです。

〈Concentric Listening〉シリーズのコラージュは抽出と再構成のプロセスから展開したもので、マークレーの大規模な映像作品にも同様の手法が見られます。雑誌から切り取った完全な顔全体を提示する代わりに、マークレーはその顔の特徴を取り除き、突き出た耳を含む頭部の輪郭のみを残します。顔の中心部はくり抜かれ、残るのは輪郭線のみ──互いに重なり合う空虚な殻なのです。顔は射撃の的や波紋のように重なり合い、放射状の輪を形成します。もうひとつの新作シリーズ〈Eccentric Listening〉では、顔の構成はより空間的なダイナミクスへと開かれます。顔のそれぞれの耳は集合的な構造の一部となりながらも、指紋のように明確な個性を保ち続けます。

 

Christian Marclay, Eccentric Listening (Eight Ears and Scarf), 2024

 

このようなフレーミングと部分的な開示の手法は、ヴィンテージのレコードジャケットとスリーブをもとにしたコラージュのシリーズ〈Oculi〉の最新作《Oculi(Listening Trio)》(2026年)にも見られます。このシリーズでは、スリーブの中央にある円形の切り抜き部分(本来はレコードのレーベルが見えるようにデザインされたもの)が作品の構図に開口部を与えます。これらの開口部を通して、レコードジャケットのイメージの断片が現れつつ、全体のイメージは隠されているのです。

 

Christian Marclay, Oculi (Listening Trio), 2026

 

聴くことはイメージとなり、観念となる。それは単一の直線的な行為ではなく、層を成し、累積する過程である。知覚は拡大する円を描いて外へ放射され、孤立した身体から共有される共鳴の場へと向かっていく。
耳そのものがコラージュを映し出す:外からの音と内なる解釈のあいだ、私的な経験と公的な空間のあいだの通路である。これらの作品においてコラージュは単なる組み立てる技術ではなく、聴く行為そのものの比喩──断片が循環し、重なり合い、反響する過程である。

クリスチャン・マークレー

 

展覧会の初日、4月4日(土)午後5時から7時まで、クリスチャン・マークレー本人が在廊し、レセプションを開催いたします。1986年にマークレーが初めて来日して本年で40年。その節目の年に開催される本展覧会でクリスチャン・マークレーの現在地を感じていただければ幸いです。


【展覧会概要】
展覧会名:クリスチャン・マークレー|LISTENING
展覧会会期:2026年4月4日(土)-6月30日(火)
[レセプション:4月4日(土)17:00-19:00]

開廊時間:12:00-19:00
休廊日:日/月/祝祭日

会場:ギャラリー小柳
東京都中央区銀座1-7-5 小柳ビル9F
Tel: 03-3561-1896
Email: mail@gallerykoyanagi.com
www.gallerykoyanagi.com

 

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