アンチ・アクション 彼女たち、それぞれの応答と挑戦

戦後に注目を浴びながらも、女性の美術家が見落とされてきた美術の歴史をめぐって、14 名の作家・約120 点の作品を紹介する展覧会です。新しい時代を象徴していた女性の美術家は、なぜ歴史から姿を消してしまったのか。
1950 年代から 60 年代の日本の女性美術家による創作を「アンチ・アクション」というキーワードから見直します。当時、日本では短期間ながら女性美術家が前衛美術の領域で大きな注目を集めました。これを後押ししたのは、海外から流入した抽象芸術運動「アンフォルメル」と、それに応じる批評言説でした。しかし、次いで「アクション・ペインティング」という様式概念が導入されると、女性美術家たちは如実に批評対象から外されてゆきます。豪快さや力強さといった男性性と親密な「アクション」の概念に男性批評家たちが反応し、伝統的なジェンダー秩序の揺り戻しが生じたのです。本展では『アンチ・アクション』(中嶋泉[本展学術協力者]著、2019 年)のジェンダー研究の観点を足がかりに、草間彌生、田中敦子、福島秀子ら 14 名の作品およそ 120 点を紹介します。「アクション」の時代に別のかたちで応答した「彼女たち」の独自の挑戦の軌跡にご注目ください。

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