Art Basel Awards Courtesy of Art Basel
2025年5月15日、アートバーゼルが現代美術における卓越性を評価促進するためにBOSSの協賛の下に新設したアートバーゼルアワードの初年度の各賞メダリスト36組の個人、団体を発表した。
同賞は、芸術の未来はアーティストだけでなくアーティストを支えるエコシステムにも懸かっているという信念に基づき、キュレーターや美術機関、パトロン、領域横断的に活動するクリエーターなど、9つの部門を設立。単一の業績に焦点を当てるのではなく、幅広い文化的影響力を持ち、芸術の地平を再定義する大きな可能性を秘めた継続的な活動を評価する。メダリストはアートバーゼル初の年次会議「アートバーゼルアワード・サミット」に登壇。さらに、12月のアートバーゼル・マイアミビーチでの発表に向けて、メダリスト同士による選考により36組の中から最大12組のゴールドメダリストが選出。ゴールドメダルに選出されたアーティストには、総額約30万ドルの賞金および慈善寄付を分配するとともに、その作品を新たな世界的プラットフォームへと押し上げるような注目度の高いコミッションが提供される。
キャリアの異なるアーティストを対象とした3部門はそれぞれ、美術界に重要かつ不朽の影響力をもたらした歴史に残るアーティストに与えられる「アーティスト(アイコン)」部門には、第59回ヴェネツィア・ビエンナーレにて生涯にわたる功績を讃える「栄誉金獅子賞」を受賞した経験を持つセシリア・ビクーニャや、第61回ヴェネツィア・ビエンナーレのイギリス館代表に選ばれているルベイナ・ヒミドをはじめ、ベティ・サール、ジョーン・ジョナス、エイドリアン・パイパー、デイヴィッド・ハモンズ。美術界に多大な貢献を果たすとともに制作活動を展開しつづけている中堅アーティストに与えられる「アーティスト(エスタブリッシュ)」部門に、日本でもお馴染みのホー・ツーニェンや先の恵比寿映像祭にも出品したトニー・コークスに加え、曹斐(ツァオ・フェイ)、ナイリー・バグラミアン、イブラヒム・マハマ、デルシー・モレロス。現代美術の未来を形作る非凡な才能を見せる新進アーティストに与えられる「アーティスト(エマージング)」部門には、日本での発表経験もあるサオダット・イズマイロボやリディア・ウラメンのほか、ムハンマド・アルファラジュ、パン・ダイジン、メリエム・ベナーニ、ソフィア・サラサル・ロサーレスが選出された。
各部門のメダリストと、メダリストを選考した国際審査委員会のメンバーは以下のとおり。
アートバーゼルアワード:https://www.artbaselawards.com/
ARTISTS – ICON: Lubaina Himid, Courtesy of the artist
アーティスト(アイコン)部門|ARTISTS – ICON
デイヴィッド・ハモンズ|David Hammons
ルベイナ・ヒミド|Lubaina Himid
ジョーン・ジョナス|Joan Jonas
エイドリアン・パイパー|Adrian Piper
ベティ・サール|Betye Saar
セシリア・ビクーニャ|Cecilia Vicuña
アーティスト(エスタブリッシュ)部門|ARTISTS – ESTABLISHED
ナイリー・バグラミアン|Nairy Baghramian
トニー・コークス|Tony Cokes
曹斐(ツァオ・フェイ)|Cao Fei
イブラヒム・マハマ|Ibrahim Mahama
デルシー・モレロス|Delcy Morelos
ホー・ツーニェン|Ho Tzu Nyen
アーティスト(エマージング)部門|ARTISTS – EMERGING
ムハンマド・アルファラジュ|Mohammad Alfaraj
メリエム・ベナーニ|Meriem Bennani
パン・ダイジン|Pan Daijing
サオダット・イズマイロボ|Saodat Ismailova
リディア・ウラメン|Lydia Ourahmane
ソフィア・サラサル・ロサーレス|Sofia Salazar Rosales
CROSS-DISCIPLINARY CREATORS: Grace Wales Bonner, Photo: Liz Johnson Artur
領域横断的クリエーター部門|CROSS-DISCIPLINARY CREATORS
フォルマファンタズマ|Formafantasma
サイディヤ・ハートマン|Saidiya Hartman
グレース・ウェールズ・ボナー|Grace Wales Bonner
パトロン部門|PATRONS
シェーン・エイクロイド|Shane Akeroyd
マヤ・ホフマン|Maja Hoffmann
ジョエル・ワックス|Joel Wachs
美術機関部門|INSTITUTIONS
ART + PRACTICE|ART + PRACTICE
ジャミール・アートセンター|Jameel Arts Centre
RAWマテリアル・カンパニー|RAW Material Company
CURATORS: Candice Hopkins, Photo: Thatcher Keats
キュレーター部門|CURATORS
キャンディス・ホプキンス|Candice Hopkins
シャナイ・ジャヴェリ|Shanay Jhaveri
ウンジー・ジュー|Eungie Joo
アライ部門|ALLIES
Art Handlxrs*|Art Handlxrs*
ガスワークス/トライアングル・ネットワーク|Gasworks / Triangle Network
サンドラ・テルジュマン|Sandra Terdjman
メディア&ストーリーテラー部門|MEDIA AND STORYTELLERS
ネガー・アジミ|Negar Azimi
バルバラ・カサヴェッキア|Barbara Casavecchia
ジャーナル・オブ・キュラトリアル・スタディーズ|The Journal of Curatorial Studies
国際審査委員会
ヴィンチェンツォ・デ・ベリス(アートバーゼル フェア・展示プラットフォームディレクター)※審査委員長
フール・アル・カシミ(シャルジャ美術財団理事長兼ディレクター)
エレナ・フィリポヴィッチ(バーゼル市立美術館ディレクター)
故コヨ・クオ(ツァイツ・アフリカ現代美術館エグゼクティブ・ディレクター兼チーフ・キュレーター、第61回ヴェネツィア・ビエンナーレ キュレーター)
ジェシカ・モーガン(Dia財団ディレクター)
ハンス・ウルリッヒ・オブリスト(サーペンタイン アーティスティックディレクター)
アドリアーノ・ペドロサ(サンパウロ美術館アーティスティックディレクター)
スハニャ・ラフェル(M+ディレクター)
フランクリン・シルマンス(マイアミ・ペレス美術館ディレクター)
フィリップ・ティナリ(UCCA現代美術センター ディレクター兼チーフ・エグゼクティブ)