
今回の展覧会は、「コミュニケーション」がテーマです。近年ではメールやSNS、オンラインミーティングといった、デジタルベースのコミュニケーションが活発になっていますが、本来コミュニケーションとは、なんらかの情報を伝え、「共有」することを指します。つまり道具のいらない一番シンプルな方法は、ひとところに集まり会って話すこと、つまり「いま・ここ」を共有することです。
「いま・ここ」を共有するという意味では、美術館の展覧会は、まさにコミュニケーションのための場だと言えます。そうは言っても「あまりおしゃべりしてはいけない雰囲気なのに、なぜ?」「ひとりで来ているけれど、なぜ?」と思われるかもしれません。しかし作品とじっくり向き合い、作者の考え方を追体験することは、わたしたち一人ひとりと作品とのコミュニケーションのかたちです。さらには互いに知らない者同士でも、各自の見方や意見がさまざまに重なったり、ズレていることに気づいたりすることで、作品という存在を介してコミュニケーションをすることができます。作られた時代も地域も違う作品が集う場所を共有する――そこにはもはや時間や空間の制限はありません。まさに展覧会はコミュニケーションのための特別な空間です。
では展覧会という場では、どのようなコミュニケーションが生まれているのでしょうか。展覧会に並ぶ作品の作者、展覧会を見る人、そして展覧会を作る美術館の立場も含めたさまざまなコミュニケーションのかたちを、まさに「コミュニケーションの部屋」である展覧会において、考えてみたいと思います。
会場 | 和歌山県立近代美術館 2階展示室 |
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会期 | 2021年08月15日(日)~10月10日(日) |
開館時間 | 9時30分〜17時[入場は16時30分まで] |
休館日 | 月曜日(ただし9月20日は開館し、翌21日休館。) |
観覧料 | 一般520(410)円、大学生300(260)円( )内は20名以上の団体料金 *高校生以下、65歳以上、障害者、県内に在学中の外国人留学生は無料 *08月28日、09月25日(毎月第4土曜日)は「紀陽文化財団の日」として大学生無料 *09月05日、10月03日(毎月第1日曜日)は無料観覧日 |
主催 | 和歌山県立近代美術館 |
関連事業 | 和歌山県立近代美術館のサイトをご覧ください |

