東京ーチェンマイー東京 @ GALLERY SIDE 2


Thaiwijit Puengkasemsomboon, Artist’s Status (2019) Paint on found wood, wheels, fabric,
56 x 48 x 50 cm, artist’s studio view

 

東京ーチェンマイー東京
2020年6月13日(土)- 7月19日(日)※7月4日展示替えあり
GALLERY SIDE 2
https://www.galleryside2.net/
開廊時間:13:00-18:00
休廊日:月、火、祝

 

GALLERY SIDE 2は、現在チェンマイを拠点に制作活動を行なうウドムサック・クリサナミス、タイビッチ・プンカセソンブン、リクリット・ティラヴァニによる展覧会『東京ーチェンマイー東京』を開催する。会期中に展示替えを行ない、7月4日より新たな作品が加わる予定。

リクリット・ティラヴァニ(1961年ブエノスアイレスに生まれ)は、1990年代より観客の作品に招き入れるなど、社会的関与における倫理を取り入れた実践を展開している。ギャラリー空間で料理を振る舞い、一時的な共同体をつくりだす実践は、しばしば「関係性の美学」のコンセプトで語られる。そのほか、新聞記事に掲載された画像を基にしたドローイング、観客がギャラリー空間でTシャツやポスターにメッセージをシルクスクリーンで印刷する実践のほか、フィリップ・パレーノやピエール・ユイグ、リアム・ギリック、ハンス・ウルリッヒ・オブリストなどとのコラボレーション、チェンマイ郊外に設立したザ・ランド・ファウンデーションの実験的な試みなど、さまざまな活動を展開している。ウドムサック・クリサナミス(1966年バンコク生まれ)は、1990年代中頃より、タイのヌードルや新聞の切り抜き、携帯電話、絵具などをコラージュした抽象絵画で注目を集める。星図や衛星画像、都市の夜景、明滅するデジタルの世界を思わせるような、グリッドが密接に重なり合う触覚的な初期絵画から、近年はオレンジや黄色の蛍光色を大胆に使った絵画を中心に制作している。GALLERY SIDE 2ではこれまでに3度の個展を開催し、日本国内でも東京都現代美術館や森美術館で作品を発表。昨年から今年にかけて、バンコク大学ギャラリーで回顧展『A Retrospective Re-presentation: Redux』が開かれた。東京で初の作品展示となるタイビッチ・プンカセソンブン(1959年パッターニー生まれ)は、タイにおける抽象表現主義の指導的存在として知られる。廃物を利用した立体作品や平面作品は、生活とアート、豊かさと厳しさ、リサイクルと創造、公と私といった観念を対立的にではなく、緩やかに繋ぎ合わせる。今年1月から3月にかけて、ティラバニのキュレーションによる個展『The Leftover』がバンコクのGallery VERで開催された。

 


Udomsak Krisanamis, Servants (Spit) (1994) ink and collage on cotton fabric, 183.0 x 120.0 cm

 

GALLERY SIDE 2とティラバニ、クリサナミスの出会いは1990年代初頭のニューヨークに遡る。当時、リクリットは画廊内倉庫からすべての作品を展示空間に運び出し、普段は目にすることのないギャラリーの側面に人々が出会う空間をつくりだし、人々に無料でタイ・カレーなどを振る舞った《Untitled 1992 (Free)》や、画廊の白い展示壁に覆われていた窓を露出して、何もない明るい空間のみを作品として提示した《Untitled 1995 (Still)》などを303ギャラリーで発表していた。また、クリサナミスはティラバニのアシスタントをしながら制作をつづけていた。(GALLERY SIDE 2は、当時から画廊内で音楽を聴いていたクリサナミスの姿を覚えている。現在もGavin Brown’s Enterpriseのプレイリストを通じて、クリサナミスの音楽へのリスペクトをうかがうことができる。)

 


Rirkrit Tiravanija/ Tomas Vu, “Do We Dream Undrer The Same Sky?” POLICE THE POLICE THE ASAHI 4/29/2018 MILLA JOVOVITCH & PUSSY RIOT (2018) silkscreen on news paper


Rirkrit Tiravanija

 

ART iT Interview Archive
リクリット・ティラヴァニ「学問の厳密さについて」(2012年6月初出)

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