ヘンリー・F・トルボット『自然の鉛筆』|図版Ⅶ植物の葉 Monmouth Calotype 1989 Edithion
キュレトリアル・スタディズ10
写真の〈原点〉再考—ヘンリー・F・トルボット『自然の鉛筆』から
2016年1月27日(水)-3月21日(月、祝)
京都国立近代美術館 4Fコレクション・ギャラリー内
http://www.momak.go.jp/
開館時間:9:30-17:00 入館は閉館30分前まで
休館日:月(3/21は開館)
企画:青山勝(大阪成蹊大学芸術学部准教授)、牧口千夏(京都国立近代美術館主任研究員)
京都国立近代美術館では、将来開催する展覧会の基礎研究を目標に、研究をより多面的に発表するプログラム「キュレトリアル・スタディズ」の第10回目として、19世紀のイギリスで発表された世界最初の写真集ヘンリー・F・トルボット著『自然の鉛筆』(1844-46)と、畠山直哉の作品を中心に、近代以降の写真を問い直す小企画を開催する。
本企画の中心となるトルボットの『自然の鉛筆』は、当時、誕生したばかりの化学・光学技術としての写真術を世に紹介し、写真史の幕開けを告げた存在として知られている。その一方で、同書には「原点」であるがゆえに、現在まで、写真が「歩んでこなかった」、さまざまな物語の可能性が内包されていると考えられる。
現在、光学技術のさらなる進化を経て、日々の経験と写真との関係がよりいっそう深く結びついている。本企画では、ひとつの原点としての『自然の鉛筆』から導かれるキーワードにもとづき同館の所蔵作品から選んだ作品と、「写真とはなにか」を根源的に問い続ける写真家、畠山直哉の作品を対置させることで、近代以降の写真にまつわる問題の再検証を試みる。
会期中には、元フォックス・トルボット・ミュージアム館長のマイケル・グレイ、写真家の畠山直哉、本展共同企画者の青山勝が登壇し、シンポジウム「写真の複数の〈原点〉—複写・複製・写し」(司会進行:佐藤守弘)を開催する。
畠山直哉「atmos」2003年 作家蔵 Courtesy of Taka Ishii Gallery © the artist
関連企画
シンポジウム「写真の複数の〈原点〉—複写・複製・写し」
登壇:マイケル・グレイ(元フォックス・トルボット・ミュージアム館長)
畠山直哉(写真家)
青山勝(本展共同企画者)
司会進行:佐藤守弘(京都精華大学教授)
2016年3月5日(土)14:00-16:00
会場:京都国立近代美術館 講堂