水都大阪2009
2009年8月22日(土)〜10月12日(月)
中之島公園ほか(大阪)
http://www.suito-osaka2009.jp/
文:新川貴詩
ヤノベケンジ「ラッキードラゴン」2009年
船、アルミニウム、FRP、その他 1000 x 1530 x 450cm
音楽や映像など膨大なイベントをキタやミナミの随所で繰り広げた、特大規模の芸術祭が夏から秋にかけて開催された。だがここでは、堂島川と土佐堀川の中洲にある中之島公園で実施された現代アート展『水辺の文化座』に限って紹介したい。
同展だけでも、参加作家は100名強。とはいえ、数日間のみワークショップを行うアーティストが大半を占めるため、実際に目の当たりにできる作品はさほど多くない。つまり、数多くの作品が一堂に集結した展覧会ではないのだ。だが、興味深い作品が揃ったことは確かである。
小沢剛(東京)は「人力噴水」を発表。その名の通り、ポンプを手で押して川の水を発射させるシンプルな作品である。子どもも大人も声をあげて取り組むさまは実に微笑ましい。なお、『水都』を機に、この公園内に高さ約20メートルもの巨大なアーチを描く噴水がお目見えしたが、むしろ小沢の噴水のほうが人気を集めていた。金の力よりもアイデアの勝利であり、この作品のユーモアの背後にはアイロニーも備わっている。

小沢剛「人力噴水」2009年 ©Tsuyoshi Ozawa and Ota Fine Arts

淀川テクニック「金チヌ」2009年 © Yodogawa-Technique and Yukari Art Contemporary
耳目を集めたのは、ヤノベケンジ(大阪)の新作「ラッキードラゴン」。作品キャラクターである「トらやん」を載せて回遊する船である。淀川テクニック(大阪)は川べりのゴミを集めて8メートルもの巨大な魚のオブジェを発表。各々の作品は圧倒的な造形力を見せ、理屈抜きに見る者を惹きつけた。公共空間で展開されるタイプの展覧会では、この手のキャッチーな作品は必須だろう。
そして、藤浩志(福岡)とKOSUGE1-16(東京)はワークショップを開催。しかも、52日間の会期中、毎日(!)である。これにより、彼らはアート界のワークショップ東西横綱の地位を揺るぎないものにした。
この『水辺の文化座』も『水都大阪2009』そのものも、風呂敷を大きく広げすぎたあまり、散漫で雑然とした感じが否めない。来場者が190万人を突破したという数字も空虚に映る。ただ、そのような中であっても、意欲的な作品を見せるアーティストを見逃してはならない。
藤浩志「Kaeru System(かえるシステム)」(かえる工房)

KOSUGE1-16「re-port~ボートを待ちながら~」 (AC-中之島)
中之島公園ほか(大阪)
http://www.suito-osaka2009.jp/
文:新川貴詩
ヤノベケンジ「ラッキードラゴン」2009年
船、アルミニウム、FRP、その他 1000 x 1530 x 450cm
音楽や映像など膨大なイベントをキタやミナミの随所で繰り広げた、特大規模の芸術祭が夏から秋にかけて開催された。だがここでは、堂島川と土佐堀川の中洲にある中之島公園で実施された現代アート展『水辺の文化座』に限って紹介したい。
同展だけでも、参加作家は100名強。とはいえ、数日間のみワークショップを行うアーティストが大半を占めるため、実際に目の当たりにできる作品はさほど多くない。つまり、数多くの作品が一堂に集結した展覧会ではないのだ。だが、興味深い作品が揃ったことは確かである。
小沢剛(東京)は「人力噴水」を発表。その名の通り、ポンプを手で押して川の水を発射させるシンプルな作品である。子どもも大人も声をあげて取り組むさまは実に微笑ましい。なお、『水都』を機に、この公園内に高さ約20メートルもの巨大なアーチを描く噴水がお目見えしたが、むしろ小沢の噴水のほうが人気を集めていた。金の力よりもアイデアの勝利であり、この作品のユーモアの背後にはアイロニーも備わっている。

小沢剛「人力噴水」2009年 ©Tsuyoshi Ozawa and Ota Fine Arts

淀川テクニック「金チヌ」2009年 © Yodogawa-Technique and Yukari Art Contemporary
耳目を集めたのは、ヤノベケンジ(大阪)の新作「ラッキードラゴン」。作品キャラクターである「トらやん」を載せて回遊する船である。淀川テクニック(大阪)は川べりのゴミを集めて8メートルもの巨大な魚のオブジェを発表。各々の作品は圧倒的な造形力を見せ、理屈抜きに見る者を惹きつけた。公共空間で展開されるタイプの展覧会では、この手のキャッチーな作品は必須だろう。
そして、藤浩志(福岡)とKOSUGE1-16(東京)はワークショップを開催。しかも、52日間の会期中、毎日(!)である。これにより、彼らはアート界のワークショップ東西横綱の地位を揺るぎないものにした。
この『水辺の文化座』も『水都大阪2009』そのものも、風呂敷を大きく広げすぎたあまり、散漫で雑然とした感じが否めない。来場者が190万人を突破したという数字も空虚に映る。ただ、そのような中であっても、意欲的な作品を見せるアーティストを見逃してはならない。
藤浩志「Kaeru System(かえるシステム)」(かえる工房)

KOSUGE1-16「re-port~ボートを待ちながら~」 (AC-中之島)
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