2010年記憶に残るもの 椹木野衣

2010年は自分にとって恩恵を受けた人、身近な人が、美術を中心に周辺ジャンルに至るまで、とても多く他界した年だった。死をこれほど身近に感じたことはない。それくらい、ここに挙げた人たちの死は自分にとって大きな意味をもつ。単に感傷で云うのではなく、かれらの不在は2011年以降の世界に少なからぬ影を落とすことになるだろう。あたりまえのことだが、1年前の僕は、彼らが居ない世界というのを想像していなかった。そういう世界が今年、気がつけばふいに訪れていたのだ。

荒川修作 死去(5月19日)

針生一郎 死去(5月26日)

デニス・ホッパー 死去(5月29日)

ルイーズ・ブルジョワ 死去(5月31日)

大野一雄 死去(6月1日)

ジグマー・ポルケ 死去(6月10日)

今野雄二 死去(8月2日)

清水アリカ 死去(9月4日)

鈴木慶則 死去(11月21日)

ピーター・クリストファーソン 死去(11月24日)

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