キドラット・タヒミック『フィリピンふんどし 日本の夏』1996年
愛知県美術館コレクション作品
キドラット・タヒミック『フィリピンふんどし 日本の夏』上映会
2016年6月19日(日)14:00-
会場:愛知芸術文化センター12階アートスペースA
主催:愛知県美術館
http://www-art.aac.pref.aichi.jp/
愛知県美術館は、あいちトリエンナーレ2016の映像プログラムへの参加が決定しているフィリピンのインディペンデント映画作家の第一人者、キドラット・タヒミックの「フィリピンふんどし 日本の夏」と「竹寺−モナムール」の旧作2点を、アートスペースAにて上映会形式で紹介する。
キドラット・タヒミックは1942年バギオ生まれ。言語学と演劇をフィリピン大学、経営学をペンシルバニア大学大学院で学ぶ。パリの経済協力開発機構の研究員を務めたのち、帰国して自主制作の映画作家としての活動をはじめ、初の監督作品『悪夢の香り』(1977)でベルリン国際映画祭国際映画批評家連盟賞を受賞する。以来、現在に至るまで、自主映画制作と上映のみならず、若手アーティストの育成にも尽力し、後進のアジアの映画作家たちに大きな影響を与えている。日本には作品の上映に加え、山形国際ドキュメンタリー映画祭インターナショナル・コンペティションの審査員や日本財団アジアフェローシップ研究員などで来日しており、2012年には第23回福岡アジア文化賞(芸術・文化賞)を受賞。同年の大地の芸術祭・越後妻有アートトリエンナーレ2012にも参加している。
今回の上映では、愛知芸術文化センターの映像作品の制作事業でつくられたオリジナル映像作品、西洋と東洋の身体観の差異をめぐる思索的なドキュメンタリー『フィリピンふんどし 日本の夏』(1996)と、家族ぐるみの親交を結んでいる埼玉県飯能市の竹寺の住職、大野宣白一家との友情をつづった映像作品『竹寺−モナムール』(1988-89)を紹介する。今夏のあいちトリエンナーレ2016に出品する新作長編『バリクバヤン#1』(2015)に先立ち、ジョナス・メカスの日記映画方法論にも連なるような、日常生活でのささいな出来事をスケッチ風に撮影し、それら断片的な映像を、ある一定の時間をおいてエッセイ的に構築するタヒミック作品に触れる機会となる。