ヴィデオ・スクリーニング2 ゴードン・マッタ=クラーク2 写真:三浦賢一
ヴィデオ・スクリーニング 2:ゴードン・マッタ=クラーク 2
2016年7月25日(月)-9月16日(金)
現代美術センターCCA北九州 CCAギャラリー
http://cca-kitakyushu.org/
開廊時間:10:00-17:00(土曜は12:00-17:00)
休廊日:日、祝
現代美術センターCCA北九州では、CCAが所蔵するヴィデオ・アーカイヴの中から映像資料を紹介するプログラムの第2弾として、先のスクリーニングに続き、ゴードン・マッタ=クラークの3作品をCCAギャラリーで上映する。
ゴードン・マッタ=クラークは1943年ニューヨーク生まれ。建物の壁を取り壊したり、穴をあけるなどの行為を通じて、建築の隠された構造や建築物を取り巻く社会のシステムを可視化していくパフォーマンスやレストランの共同経営などが代表作として知られる。35歳の若さで78年に他界したが、その後も数多くのアーティストや建築家に影響を与え続けている。
本展では、「Splitting」(1974)、「Conical Intersect」(1975)、「Food」(1972)の3作品を上映。「Splitting」はマッタ=クラークが手掛けた最初の大掛かりなパフォーマンスで、地域の再開発のために数ヶ月後に取り壊し予定にあったニュージャージー州郊外の住宅を2つに切断し、屋根部分の4隅に切り取っていく様子が撮影されている。「Conical Intersect」は賛否両論の中で建設が進められていたポンピドゥー・センターのために取り壊される予定にあった住宅棟の壁を壊していくパフォーマンス。どちらも建築を時代の社会構造を反映するものとして認識していたマッタ=クラークによる、利益や資本の力が先導する都市開発に対する暗黙の批判であると同時に、建築を取り巻く複雑な問題に向き合おうとする試みと言える。一方、「Food」はマッタ=クラークがほかのアーティストと共同でニューヨークのソーホーに立ち上げたレストランを中心とした活動。71年から73年という短い期間ながら、さまざまなアートイベントやパフォーマンスを実施。料理をする、食べるという行為が触媒となって、コミュニケーションや交流の場を生み出し、それ自体がひとつのパフォーマンス作品ともいえる活動となった。