地主麻衣子「新しい愛の体験」2016年, HD video Courtesy of HAGIWARA PROJECTS
地主麻衣子『新しい愛の体験』
2016年5月28日(土)-6月25日(土)
ハギワラプロジェクツ
http://www.hagiwaraprojects.com/
開廊時間:11:00-19:00
休廊日:日、月、祝
※オープニングレセプション:5月28日(土)18:00-20:00
ハギワラプロジェクツでは、映像作品を中心に、小説や詩などさまざまな表現媒体を組み合わせた作品を制作している地主麻衣子の個展『新しい愛の体験』を開催する。
地主麻衣子は1984年神奈川県生まれ。ドローイングや小説に加え、2010年から映像作品の制作に取り組んでいる。「新たな文学の創出」を試みる地主の映像は、時に脈絡なく同時進行していく、複数の視点から描かれたさまざまな情景が、日常の断片を綴ったストーリーだけではない深みをもたらし、観る者を惑わせながら作品の世界観に引き込んでいく。これまでに展覧会だけでなく、映画祭でも作品を発表しており、現在、トーキョーワンダーサイト本郷で開催中の『リターン・トゥ トーキョーワンダーサイト レジデンス2015-2016』(5月29日まで)では、ロベルト・ボラーニョをめぐる映像インスタレーション「遠いデュエット」を出品している。また、2009年より朗読と音によるパフォーマンスグループ「どっぢ(dodge)」としても活動している。
本展では、地主がタイのチェンマイに滞在して制作した映像作品と、映像を基にした写真作品を発表する。近年、公開撮影という方法を取り入れ、映像作品が持つ可能性を拡げようと試みる地主は、チェンマイ滞在時に屋外の一角に白いタイルを並べたステージをつくり、知人のタイ人女性とカメラを通して対話を交わした。そこで、地主は互いの国の政治的に複雑な状況ではなく、あえて抽象的な「愛」というテーマを選んで質問を投げかけていく。ふたりの対話や途中で挟まれるステージ上に花を置くといったパフォーマンスを複数のカメラで記録した映像は、ドキュメンタリーでありながら、独自のストーリーテリングのかたちをとる。