Vox Populi, Tokyo (2007) installation of 305 photographs
フィオナ・タン『Photo Works』
2014年5月30日(金)-6月28日(土)
ワコウ・ワークス・オブ・アート
http://www.wako-art.jp/
開廊時間:11:00-19:00
休廊日:日、月、祝
ワコウ・ワークス・オブ・アートでは、第53回ヴェネツィアビエンナーレ(2009)のオランダ代表経験を持ち、心象と記憶の関係性、時間、言葉や物語の関係性を追求した映像作品で知られるフィオナ・タンの写真作品に注目した個展『Photo Works』を開催する。
フィオナ・タンは1966年プカンバル(インドネシア)生まれ。アムステルダム在住。中国系インドネシア人の父とスコットランド系オーストラリア人の母の間に生まれ、幼少期をオーストラリアで過ごし、88年にオランダへと移住する。このような背景を持つ影響もあり、初期作品においてはポストコロニアリズムの文脈で解釈されることが多かったが、近年の作品においては、イメージと人の記憶、時間とともに変化する記憶の不確かさと物語の関係性といった、人の心 の営みそのものに関わるような、より普遍性、抽象性が高いテーマが積極的に扱われている。これまでに、ドクメンタやイスタンブール・ビエンナーレをはじめ、数多くの国際展や企画展に参加、個展『Rise and Fall』(2010-)は数カ国を巡回している。
本展はタンの代表作のひとつ「Vox Populi(人々の声)」を中心に構成される。同作品は各地で集めた家族アルバムの写真を、それぞれの国ごとに展示するシリーズで、これまでにノルウェー、シドニー、東京、スイス、ロンドンで制作されている。そのほか、イギリスのブライトンに19世紀に娯楽施設として建造された後、たびかさなる嵐と火災によってその姿を消すこととなった桟橋を作品化した「Water Pier」、スウェーデンのゴッドランド島で撮影した「Närsholmen」、岡山・犬島で制作された「Roof Tiles」、さらに、7月19日より同ギャラリーで開催される個展に出品予定の映像インスタレーション作品「Nellie」をテーマにした写真作品が出品される。
昨年、金沢21世紀美術館にて日本国内では初の回顧展『エリプシス』を開催したタンだが、森美術館で今月末より開催される『ゴー・ビトゥイーンズ展:こどもを通して見る世界』に出品、個展『フィオナ・タン まなざしの詩学』が東京都写真美術館、国立国際美術館を巡回する。さらに、2015年にはIZU PHOTO MUSEUMでの個展と、日本国内での発表機会が続く。なお、現在IZU PHOTO MUSEUMでの展示で発表する新作のために富士山の写真を募集している。
FIONA TAN MT. FUJI PROJECT:http://www.izuphotoproject-fionatan.jp/