ヤノベケンジ『アトムスーツ・プロジェクト：大地のアンテナ』
7月2日（土）− 7月30日（土）
山本現代
http://www.yamamotogendai.org/
「アトムスーツプロジェクト -大地のアンテナ -」(2001). Photo: Greg Weit (c) Kenji
Yanobe Courtesy of YAMAMOTO GENDAI
1997年のチェルノブイリ訪問から得た経験をもとにヤノベケンジが2001年に制作した『大地のアンテナ』が山本現代にて再展示される。『大地のアンテナ』は、放射線感知服『アトムスーツ』を着用してガイガーカウンターを手にした等身大の作家本人像（本作では空也上人立像をモデルとして取り入れた）を中心に、無数のアトムスーツフィギュアが一体となったインスタレーションである。本作はチェルノブイリで起きた事故や教訓を模すのではなく、以後、世界の様々な事象を感知／発信する「アンテナ」のような役割を果たそうとする作家自身の強い意志を明示している。ヤノベはこれまで20年に渡って、サヴァイヴァル／リヴァイヴァルをテーマに、原子力、放射能の問題だけでなく、落雷や洪水などの自然現象を援用し、作品制作を続けてきた。今回の再展示は彼の活動を改めて検証するとともに、作品および作品を通して見えてくる現実の再解釈の契機となるであろう。