アントン・ヴィドクル『ロシア宇宙主義:三部作』@ アサクサ


アントン・ヴィドクル「全人類に不死と復活を!」2017年

アントン・ヴィドクル『ロシア宇宙主義:三部作』
2017年11月25日(土)-12月24日(日)
アサクサ
http://www.asakusa-o.com/
開廊時間:16:00-22:00(木曜、土曜)、12:00-19:00(日曜)
休廊日:月、火、水、金

アサクサでは、ニューヨークとベルリンを拠点に映像作家として活動する傍ら、e-fluxの設立をはじめ、数々の企画を実現してきたアーティスト、アントン・ヴィドクルの個展『ロシア宇宙主義:三部作』を開催する。

アントン・ヴィドクル(1965年モスクワ生まれ)は、自身の映像作品制作をはじめ、リアム・ギリックやフー・ファンとのコラボレーション作品、アート界の教育・経済インフラに介入する複合的なプロジェクトを展開してきた。2005年には共同キュレーターとして参加したマニフェスタ6が開催中止となった事実を受けて、ベルリンに独立プロジェクト「ユナイテッドネイションズプラザ」(2006-07)を設立し、ボリス・グロイスやマーサ・ロスラーらを招聘し、セミナー、講演、上映会、パフォーマンスなどを1年間に渡って実施した。2008年にはブライアン・クアン・ウッドとジュリエッタ・アランダとともに、オンラインジャーナル「e-flux Journal」を創刊し、哲学者や人類学者、理論家などを巻き込んだ学際的プラットフォームとして現在も運営している。また、2010年にはアート関係者の時間とスキルを交換し、貨幣を代替するシステムの構築を試みた「タイムバンク」プロジェクトも実現。同プロジェクトはドクメンタ13にも出品された。

本展では、ヴィドクルが近年関心を持って制作してきた、ロシア宇宙主義の影響のもとに書かれた哲学的断章、科学論文、文学詩など、広範な資料から構成した、20世紀のロシア宇宙主義の影響とその今日への関連性を示唆する「ロシア宇宙主義:三部作」を紹介する。ロシア宇宙主義とは、哲学者ニコライ・フョードロフが、科学技術の進化と自然の制御によって人間の死の克服と肉体の復活を、あらゆる学問の「共同事業」とするように唱え、彼を中心にロシア知識人に多大な影響を与えた思想。「ロシア宇宙主義:三部作」は、個人的な父祖の追憶から人類の使命を導き、ロシア宇宙主義の思想を伝える第1部「これが宇宙である」(2014)、岡山芸術交流2016でも発表された、政治運動や革命の起こりを太陽の活動期との関係から調査した第2部「共産主義革命は太陽が原因だった」(2015)、ロシア宇宙主義の中心的考えである「復活」の場として、博物館を取り上げた第3部「全人類に不死と復活を!」(2017)からなる。

会期中には、ヴィドクルとヒト・シュタイヤルとの対談をまとめた小冊子を販売。また、12月17日にはギャラリーの近くにある浅草公会堂にて、ヴィドクルの来日記念座談会として、東京を舞台にした新作フィルム「コスモ(仮)」の制作に向けた情報交換会を開催する。なお、アサクサでは来年2月に予定している同作の撮影に協力できるエキストラやアシスタントも募集している。

関連イベント
アントン・ヴィドクル来日記念座談会
2017年12月17日(日)17:30-19:00
会場:浅草公会堂 第二会議室(4F)(東京都台東区西浅草1-38-6)
定員:40名(要申込)※日英通訳あり
参加希望者は、info@asakusa-o.comまで名前と連絡先をメールにて連絡。
※アントン・ヴィドクルが自作を語るとともに、東京を舞台にした新作フィルム「コスモ(仮)」の制作に向けた情報交換会を実施。新作はロシア宇宙主義者のひとり、A.スヴャトゴールの1922年の宣言文に基づいた内容で、バイオコスミズム(生宇宙論)と世界初の電子楽器として発明されたテルミンを用いたミュージカルとなる予定。

カタカナ表記は主催者資料に基づく

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