ゲルハルト・リヒター『Painting 1992-2017』@ ワコウ・ワークス・オブ・アート


Abstract Painting (945-2) (2016) oil on canvas, 112 x 70 cm
©️ Gerhard Richter, courtesy WAKO WORKS OF ART

ゲルハルト・リヒター『Painting 1992-2017』
2017年12月16日(土)-2018年1月31日(水)
ワコウ・ワークス・オブ・アート
http://www.wako-art.jp/
開廊時間:11:00-19:00
休廊日:日、月、祝、冬季休廊(12/28-1/5)

ワコウ・ワークス・オブ・アートでは、開廊25周年記念展として、現代絵画における最も重要なアーティストのひとり、ゲルハルト・リヒターの個展『Painting 1992-2017』を開催する。日本初公開作品および世界初公開作品など、同画廊が開廊した1992年から2017年制作の最新作のなかから、リヒター自らが選んだ作品で構成した展示となる。

ゲルハルト・リヒター(1932年ドレスデン生まれ)は、ドレスデン美術大学で美術教育を受けるが、59年にドクメンタ2を見るべくカッセルを訪れた際に、ポロックやフォンタナの作品などに感銘を受け、西ドイツへの移住を決意。61年にベルリンの壁が建設される直前にデュッセルドルフへと移住した。60年代から70年代にかけて、新聞や雑誌に掲載された写真を元にしたフォト・ペインティングを制作し、ミュンヘンとデュッセルドルフで初の個展を開催、72年のドクメンタ5や第36回ヴェネツィア・ビエンナーレにも参加している。その後もアブストラクト・ペインティングなど多彩なシリーズを制作し続けるとともに、金獅子賞を受賞した97年の第47回ヴェネツィア・ビエンナーレや計6度のドクメンタ(5、7、8、9、10、14)をはじめ、多数の展覧会に参加、数々の個展を開催している。日本でも、97年に高松宮殿下記念世界文化賞を受賞。2005年に金沢21世紀美術館と川村記念美術館で初の回顧展を開催。近年は2011年から2012年にかけて、大回顧展『Panorama』がロンドン、ベルリン、パリを巡回し、2013年にはミュンヘンのレンバッハハウスで個展『アトラス』、2014年にはバーゼルのバイエラー財団美術館で自ら展示構成した個展を開催。昨年は愛媛県・豊島(とよしま)にパーマネントスペースを開設。2017年は個展『New Paintings』がケルンのルードヴィヒ美術館とドレスデンのアルベルティヌム美術館を巡回し、現在もブリスベンのクイーンズランド州立美術館、ゲント現代美術館で個展を開催するなど第一線での活躍を続ける。


Abstract Painting (946-4) (2016) oil on canvas, 40 x 50 cm ©️ Gerhard Richter, courtesy WAKO WORKS OF ART

本展では、1992年から2000年代に制作された後、作家のアトリエに大切に保管されていた未公開の油彩画5点、2016年から今年にかけて制作し、ケルンやドレスデンの巡回展にも出品された最新の油彩画5点のほか、2011年にデジタル技術を駆使した「STRIP PAINTING」シリーズの制作を開始する直前に描かれた抽象画も1点展示される。また、リヒターにとって最も重要な風景画「Sils Maria」(2003)や、写真と絵画の関係を考察し続けるリヒターの関心が明確に表れた「Over Painted Photograph」も展示される。

なお、本展に合わせて、2017年制作のアブストラクト・ペインティングを含むすべての本展出品作品と、93年の日本初個展から現在までに日本国内で発表された代表作の図版約70点を掲載したワコウ・ワークス・オブ・アート25周年記念展覧会カタログ『ゲルハルト・リヒター Painting 1992-2017』を刊行する。同カタログには、「Betty」(1988)のモデルとなったリヒターの実娘バベット・リヒターとリヒター本人による2002年の対談も収録されている。また、12月中旬には、2002年にドイツで刊行された『Gerhard Richter. Maler Biografie und Werk(画家ゲルハルト・リヒター、伝記と作品)』をベースに、近年の活動を新たに書き起こした新版『評伝 ゲルハルト・リヒター』を美術出版社から刊行予定。


Abstract Painting (753-9) (1992) oil on canvas, 51 x 41 cm ©️ Gerhard Richter, courtesy WAKO WORKS OF ART

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