嵯峨篤「inside/002」2016年 撮影:斎城卓 協力:SCAI THE BATHHOUSE
嵯峨篤『Perception』
2016年7月8日(金)-8月6日(土)
SCAI THE BATHHOUSE
http://www.scaithebathhouse.com/
開廊時間:12:00-18:00
休廊日:日、月、祝
※オープニングレセプション:7月8日(金)18:00-20:00
SCAI THE BATHHOUSEでは、嵯峨篤の個展『Perception』を開催する。
嵯峨篤は1970年東京都生まれ。独自の塗装と研磨の技術によって表面を鏡面化することで、鑑賞者の知覚を揺るがすような絵画作品などを制作している。96年に多摩美術大学美術学部絵画科を卒業後、家具を主題とした彫刻作品を発表していたが、2004年から、限りなく白一色に見える「MUMI」シリーズの制作をはじめる。同年、水戸芸術館現代美術センターのクリテリオムで個展を開催。金沢21世紀美術館や静岡県立美術館の企画展などで作品を発表。ヨコハマトリエンナーレ2011にも参加している。
本展では「inside」シリーズから、光沢した瑠璃色の表面に、香道における源氏香の図柄に由来する5本のストライプを引いた作品を出品する。嵯峨はこれまでも、画布からかたちや色彩を排除し、最小限の示唆によって能をはじめとした日本の伝統文化を参照してきた。本作もまた、江戸時代から続く香道の作法に応じており、整然としたバランスと法則とが行き渡った空間構成は、静寂した秩序の上に立ち現れる香道の静かなゲーム性を強調している。「Perception(知覚)」と題した本展において、嵯峨作品の平面に閉じ込められた微細な差異は、鑑賞者の知覚を問うていると言えるだろう。