ドイツ・グッゲンハイム美術館、2012年末に閉館

2012年2月6日、ベルリンのドイツ銀行本部内にあるドイツ・グッゲンハイム美術館が年内で閉館することが発表された。閉館の理由としては、ソロモン・R・グッゲンハイム財団とドイツ銀行との間の契約が2012年の年末に切れるということ以外は明らかにされていない。

ドイツ・グッゲンハイム美術館は1997年にトーマス・クレンスの下で開館し、同年これに先立って開館したビルバオ・グッゲンハイム美術館とともに、グッゲンハイム美術館による国際的展開の始まりとなった。グッゲンハイムの名前を冠し、地元の自治体または企業が運営基金を拠出する方式で、他の多くの美術館がこれにより国際的な展開を積極的に行うこととなった。

ドイツ・グッゲンハイム美術館は、ベルリンの現代アートシーンの発展において重要な役割を果たしてきた。
これまでに杉本博司(2000年)や、やなぎみわ(2004年)の個展など57の展覧会を開催し、1800万人の来館者が訪れた。また、ジョン・バルデッサリ、ウィリアム・ケントリッジ、ジェフ・クーンズ、ゲルハルト・リヒター、ジェームス・ローゼンクイスト、杉本博司、ビル・ヴィオラ、ジェフ・ウォール、アニッシュ・カプーアらを含む17人のアーティストによる新作をコミッションしている。
しかしながら、多くのコマーシャルギャラリーが大きなスペースをベルリンに移動、もしくは開廊し、ドイツ・グッゲンハイム美術館はベルリンにおいてひとつの役割を終えたと言える。

なお、グッゲンハイム財団は現在、フィンランドでの新たな美術館の開館についてヘルシンキ市に許可を申請しており、数週間以内の発表が期待される。

(文中敬称略)

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