メディアシティ・ソウル2016

 

2016年9月1日、ソウル市立美術館が主催するメディアシティ・ソウル2016が開幕する。アーティスティックディレクターにペク・ジスクを迎え、谷川俊太郎の「二十億光年の孤独」から引用された架空の火星語「ネリリ キルル ハララ」を総合テーマに、ソウル市立美術館の西小門本館、南ソウル分館、北ソウル分館、蘭芝美術創作スタジオで展開する。

9度目の開催となるメディアシティソウル2016では、戦争や災害、貧困など負の遺産を、どのように将来の期待へと転換しうるかという問いから出発し、半島と島からなる韓国の地政学的な文脈において、ラディカルな断絶の物語を駆使し、さまざまな未来を創り出すアーティストの想像力に着目していく。

参加アーティストには、ドイツ銀行グループのアーティスト・オブ・ザ・イヤー2017受賞作家のケマン・ワ・レフレーラやアブラージグループ・アートプライズ2016受賞作家のバッセル・アバス&ルアンネ・アブラミ、第1回の次世代アート賞受賞作家のシンシア・マルセレデュエイン・リンクレイターザネレ・ムホリ(ともにドクメンタ13参加作家)、ムニーラ・アル・ソルフ(第56回ヴェネツィア・ビエンナーレ参加作家)、ほぼ同時期に開催される第11回光州ビエンナーレ参加作家のチャ・ジェミン、また、第8回恵比寿映像祭に参加していたベン・ラッセルジョウ・タオ、サウンド・ライブ・トーキョー2016に参加していたクリスティン・スン・キム、そのほか、谷口暁彦平川紀道三原聡一郎など、世界各地から61組が選ばれている。

開幕に先立ち、ハム・ヤンアが南ソウル分館でアーティストや教育関係者のための一時的な共同体「The Village」、チェ・テヨンが北ソウル分館でたしからしさの世界の言語では表現しきれない可能性を追求する「Uncertainty School」というふたつの「Summer Camp」が始動している。さらに、さまざまなゲストエディターを招聘した出版物「COUL BE」を今年4月からオープニングにかけて不定期的に4号発行。ガイドブックやカタログのほか、上述した「Summer Camp」の印刷物も出版され、展覧会だけでなく、イベントや出版物など、さまざまな形式を通じて、未来の言語、もしくは過去や現在の未知の言語の探求していく。

 

メディアシティ・ソウル2016
2016年9月1日(木)-11月20日(日)
http://mediacityseoul.kr/
アーティスティックディレクター:ペク・ジスク
「ネリリ キルル ハララ」
会場:ソウル市立美術館(西小門本館、南ソウル分館、北ソウル分館、蘭芝美術創作スタジオ)

 


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第8回(2014)|パク・チャンキョン
「Ghosts, Spies, Grandmothers」

第7回(2012)|ユ・ジンサン
「Spell on You」
※共同キュレーターのひとりとして四方幸子が参加

第6回(2010)|キム・ソンジョン
「Trust」
※共同キュレーターのひとりとして住友文彦が参加

第5回(2008)|パク・イルホ
「Turn and Widen」
※共同キュレーターのひとりとして松本透が参加

第4回(2006)|リー・ウォンイル
「Dual Realities」
※共同キュレーターのひとりとして長谷川祐子が参加

第3回(2004)|ユン・チンソプ
「Digital Homo Ludens」

第2回(2002)|リー・ウォンイル
「Luner’s Flow」
※共同キュレーターのひとりとして東谷隆司が参加

第1回(2000)|ソン・ミスク
「City: between 0 and 1」

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