ソウル、光州、釜山、台北の国際展が来月開幕

8月11日にあいちトリエンナーレが開幕し、茨城県北芸術祭やさいたまトリエンナーレなど複数の芸術祭も来月に開幕を控えているが、日本以外の東アジア地域でも来月1日開幕のメディアシティ・ソウルをはじめ、光州ビエンナーレ、釜山ビエンナーレ、台北ビエンナーレといった同地域有数の国際展が次々と開幕する。

最初に開幕を迎えるメディアシティ・ソウル2016は、ソウル市立美術館全館を使って開催。インサ・アートスペースやアトリエ・エルメスのディレクションを歴任してきたペク・ジスクをアーティスティックディレクターに、谷川俊太郎の「二十億光年の孤独」から引用した架空の火星語「ネリリ キルル ハララ」を総合テーマに掲げる。

翌2日には、テンスタ・コンストハルのマリア・リンドをアーティスティクディレクターに迎えた第11回光州ビエンナーレが開幕。総合テーマ「第八の風土(アートは何を為すか?)」のもと、光州市ビエンナーレホールや国立アジア文化殿堂(ACC)など複数の会場を舞台に開催する。

続いて、釜山ビエンナーレが3日に開幕。アーティスティックディレクターのユン・チェガブが掲げるテーマは「Hybridizing Earth, Discussing Multitude」。釜山美術館とF1963の二会場のうち、釜山美術館では中国、日本、韓国からそれぞれキュレーターを招聘し、各国の90年代以前の前衛を紹介。日本部門のキュレーターは椹木野衣、建畠晢、上田雄三の3名。

そして、台北ビエンナーレ2016は9月10日に台北市立美術館で開幕。ブリュセルのエコール・ド・レシェルシェ・グラフィーク(Erg)のコリーヌ・ディゼレンスがディレクターを務め、テーマは「Gestures and Archives of the Present, Genealogies of the Future」。10回目の開催を記念して、同美術館では『台北ビエンナーレ・レトロスペクティブ 1996-2014』を開催している。(2017年3月1日まで)また、同市内の關渡美術館では、広島市現代美術館などを巡回した『失調的和諧(ふぞろいなハーモニー)』、ZKMなどメディアアートに力を入れる世界各地の8つの美術機関による共同企画『類比開端・數位回溯(Analog Welcome, Digital Archive)』を9月18日まで開催。続いて9月30日から、10組のアーティストとキュレーターの組み合わせで構成する關渡ビエンナーレ2016を開催する。

このほかにも、上海では来年に展覧会を開催する上海プロジェクト(共同アーティスティクディレクター:イ・ヨンウ、ハンス・ウルリッヒ・オブリスト)が第1段階としてのプロジェクトを9月4日に始動。また、来月以降も10月には瀬戸内国際芸術祭2016の秋開催、初開催の岡山芸術交流2016、第5回シンガポール・ビエンナーレ、11月には第11回上海ビエンナーレ、スリランカのコロンボ・アート・ビエンナーレ2016、12月にはアジアン・アート・ビエンナーレ・バングラデシュ2016、コーチ=ムジリス・ビエンナーレ2016とアジア各地で国際展の開幕が控えている。

メディアシティ・ソウル2016
2016年9月1日(木)-11月20日(日)
http://mediacityseoul.kr/
アーティスティックディレクター:ペク・ジスク
「ネリリ キルル ハララ」
会場:ソウル市立美術館(西小門本館、南ソウル分館、北ソウル分館、蘭芝美術創作スタジオ)

第11回光州ビエンナーレ
2016年9月2日(金)-11月6日(日)
http://gwangjubiennale.org/
AD:マリア・リンド
「The Eighth Climate (What does art do?)|第八の風土(アートは何を為すか?)」
会場:光州市ビエンナーレホール、国立アジア文化殿堂(ACC)、ウイジャエ美術館、ムドン現代美術館、ウ・ジェキル美術館、5.18アーカイブ、ほか

釜山ビエンナーレ2016
2016年9月3日(土)-11月30日(水)
http://www.busanbiennale.org/
AD:ユン・チェガブ
「Hybridizing Earth, Discussing Multitude」
会場:釜山美術館、F1963

台北ビエンナーレ2016
2016年9月10日(土)-2017年2月5日(日)
http://www.taipeibiennial.org/
D:コリーヌ・ディゼレンス
「Gestures and Archives of the Present, Genealogies of the Future」
会場:台北市立美術館

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