CREAM出展作家が答える「映像の可能性と課題」

質問:いま現在あなたが映像(的)表現に感じる可能性と課題のうち、もっとも重要なものをひとつづつ教えてください。

アルフレッド・ジャー(出展作品「静寂の音」)
http://www.ifamy.jp/programs/single/414/

私にとっての偉大な課題(挑戦)とは、常に私自身の次のプロジェクトです。

ジョン・ヨンドゥ(出展作品「シネマジシャン」)
http://www.ifamy.jp/programs/single/224/

メディアアートや新しい技術を使った美術作品としてのニューメディアは、常に「技術がいかに我々の生活に影響するか」に取り組む必要があります。技術は芸術活動より一歩先に前進し続け、アーティストはいつも自分の作品に適した新技術をみつけなければならない。
それでもやはり、自分にとってのメディアアートの最大の可能性は生活の中の人間中心主義的側面です。良い技術というものはそのメカニズムを観る者に明かすのではなく、普通で素朴なものとして現れるものだと確信しています。未来は、70年代のSF映画のように、機械や自動操縦ロボットや機械的な声で溢れかえる世の中ではありません。私は偉大な技術を自分の芸術の実践に利用したいけれど、表現すること関しては、我々になじみのある技術を使って、より人間的なものにしたいのです。

八谷和彦(出展作品「見ることは信じること」)
http://www.ifamy.jp/programs/single/519/


撮影:松蔭浩之

可能性:youtubeなど動画サイトの充実ぶりと、ニコニコ生放送など現場実況環境の発展に、大きな可能性を感じます。
課題:一方で「出かけていって映像を見る価値」ってのが、いつまで維持できるのか、とも思います。特に博覧会映像とかは、どんどん意味がなくなっているようにも思います。

SHIMURABROS.(出展作品「Mouse Made in YOKOHAMA」)
http://www.ifamy.jp/programs/single/90/

可能性:私たちは立体的な映像を制作する際に、情報としての映像においては時間と空間が交換可能であるということに気づきました。この「時間と空間の交換可能性」にいま映像表現として興味があります。
課題:私たちにとって映像の実体化というものが課題と言えます。映画システムは約120年間変わらず存続してきたものですが、現在では発明当初に持っていたような強い実体感が失われてしまったように感じます。「X-RAY TRAIN」ではその実体化の為に映画システムを根本から変革するシステムを使って、リュミエールの走らせた列車の実体化を試みています。
※10月29日〜11月10日 ZAIMギャラリー(ZAIM本館1F) にて「X-RAY TRAIN」を展示
http://za-im.jp/php/news+article.storyid+434.htm

※新たに頂いた回答は順次公開予定です。

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